第2話:送信塔(タワー)の罠
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最近、海外に拠点を転々と移しながら実行犯を操っていた“トク〇ュウ”型犯罪集団の主要指示役が逮捕されたというニュースがありましたね。ですが、これも巨大な闇のほんのトカゲのしっぽに過ぎないのでは……なんて邪推してしまいます。
闇バイトに応募した若者が海外へ連れ去られ、掛け子や実行役を強制される事例も後を絶ちません。
作中に登場する健太君も、生粋の日本人でありながら闇バイトの罠に嵌まり、本国の「人間畑」へ連れていかれてサイバネティクス改造手術を受けさせられた哀しき被害者の一人です。まるで一昔前の、改造され仮面をつけて戦う特撮ヒーローのような切なさを背負っています。
ちなみに中京集団の「フェイ・シェル」には、健太のように『日本人が直接改造されたパターン』**(言語や習慣が自然で行政等へのすり替え用)と、**『人間畑から選ばれた日本人似の現地民パターン』(家族を人質に取られ実動部隊として使われる)の2つのパターンが存在します。侵略の用途に応じて人間を部品のように使い分ける……本当に恐ろしいシステムですね。
**(※もちろん実際の事件や団体とは関係のない、フィクションの背景考察です!)**
それでは、送信塔への電撃潜入を描く第12話へどうぞ!
河口市の北端、小高い丘の上に立つ旧・電波中継タワー。
かつては地域のテレビ電波を担っていたその巨大な鉄塔は、現在「中京セントラル」の広域電子制御兵器『ファンタズム・フィールド』の送信親局として占拠されていた。
鉄塔の周囲には、高圧電流フェンスと重装甲の警戒ドローンが旋回している。
「あそこだ……。あのタワーの頂上にあるパラボラアンテナから、市内のフェイ・シェルたちを狂わせる暴走電波が放たれている」
竹林の陰に潜んだ誠、アズ、横田、そして佐藤健太。
健太は自らの首筋――サイバネティクス改造の痕跡である薄い金属プレートに手を当て、歯を食いしばった。
「朝倉さん……俺の体には、中京に埋め込まれた高感度センサーと補強骨格が残っています。俺が囮になって、警戒ドローンの照照順を引きつけます!」
「健太君、無茶だ!」横田が制止する。
「無茶じゃありません!」
健太の瞳に、激しい決意の光が宿る。
「俺は闇バイトに騙され、海外の『人間畑』に連れて行かれて身体を機械に改造されました。かつての特撮ヒーローみたいに……もう生身の人間には戻れないかもしれない。でも……だからこそ、このサイバネティクスの力を、大切な仲間やこの国を守るために使いたいんです!」
誠は健太の肩を強く掴んだ。
「健太さん……分かった。だが死ぬなよ。お前は兵器じゃない、俺たちの仲間だ」
「はいっ!」
健太が竹林から躍り出た。
驚異的な脚力で高圧フェンスを飛び越え、意図的に脳内デバイスのノイズを放出する。
ビビビビッ!
『ターゲット検知! 侵入者『FS-07(逃亡体)』を排除せよ!』
空中の警戒ドローン3機が一斉に健太へ旋回し、機関砲の銃口を向けた。
健太は超人的な反応速度で弾幕をかい潜り、敷地内を激しく駆け回る。
「今だ、誠!」アズが叫ぶ。
「行くぞ!」
誠とアズ、横田の3人はドローンの死角を突き、送信塔の地下制御室へと飛び込んだ。
地下室の奥には、脈動するように青く光る巨大なサーバーラックと、アンテナへ電力を送る巨大トランスが鎮座していた。
《誠、送信メインフレームを捉えたわ!》
脳内でASUKAの声が響く。
《ファンタズム・フィールドの暗号波形は極めて強力よ。外部からの破壊では、市内のインフラ網全体に不可逆なサージ電流(過電流)が流れて大停電を引き起こしてしまう……!》
(じゃあ、どうすればいい!?)
《私のネガティブエントロピー演算で、ファンタズムの送信プログラムそのものを『過剰学習』させて自己崩壊(熱暴走)させるわ! 誠、私の量子ノードをメインサーバーの光コネクタへ直結して!》
「了解だ!」
誠はサーバーへ走り寄り、手製の量子ノードを光コネクタへ力任せに突き刺した。
――バチチチチチチッ!!
地下室全体に、青白い量子光線が暴風となって吹き荒れる。
『警告:中京セントラル・ファンタズムプロトコル異常。演算負荷極大――』
送信サーバーの冷却ファンが悲鳴のような高音を発し、基板から黒い煙が立ち上り始めた。
「うおおおっ!! ASUKA、叩き込めぇぇぇッ!!」
誠の脳幹とサーバーが直結し、ネガティブエントロピーの量子波が広域電波の暗号構造を内部から完膚なきまでに破砕していく。
――ドカンッ!!
メイントランスが爆発し、送信塔の頂上にあるパラボラアンテナから放たれていた不気味な青い光が、ぷつりと断ち切られた。
市内の全域を覆っていた「ファンタズム・フィールド」が消滅した瞬間だった。
外へ駆け出すと、警戒ドローンを全て撃墜し、肩で息をする健太が待っていた。
「朝倉さん……成功したんですね……!?」
「ああ! 健太さんの稼いでくれた時間のおかげだ!」
誠、健太、アズ、横田の4人は固く手を握り合った。
哀しき改造人間としての運命を背負った健太が、自らの意志で仲間を守り抜き、勝利を掴み取ったのだ。
しかし――破砕されたサーバーのモニターに、最後のノイズとともにメッセージが浮かび上がった。
『……広域電波の破砕を確認。……本国『人間畑』より、第二陣・侵略旅団の派遣を承認……』
誠たちの前に、さらなる巨悪の影が迫っていた。
第二章 第2話(通算第12話)をお読みいただき、本当にありがとうございます!
前書きの「改造人間の哀しみと熱い決意」から地続きで、佐藤健太が自らのサイバネティクス身体を駆使して仲間を守る熱い大活躍を描きました!
ASUKAの量子演算によって広域電子制御兵器「ファンタズム・フィールド」を粉砕した誠たちですが、中京集団の本国「人間畑」から次なる本格的な侵略旅団が動き出します。
次回・第13話では、敵の本拠地「人間畑」の全貌と、捕らわれたナヴァル人や日本人の家族たちを全員奪還するための「本国電撃作戦」の立案が描かれます!
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