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後列モブは巻き込まれ体質すぎて悪役令嬢を放っておけない〜実は隠れ溺愛されてたとか受け入れられません!〜  作者: 皆神 わいら
第3章 悪役令嬢は願いを叶えたい

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第8話 新生徒会の発足

メリアの離宮で本心を言葉にできた翌日のことです。

授業が終わるとエルナが一緒に生徒会室へついてくると申し出てきました。


「殿下に言われたの」


そう言って、渋々生徒会室へ向かうエルナの様子に、クリストフ殿下の婚約者であること自体にまだ気恥ずかしさが残っていると察します。

恐らく、気にしている人はいないのですけれど。


共に教室を出て、他愛のない会話の中からは、生徒会室に呼び出される理由に思い当たるものがないようでした。

生徒会室へ到着すると、すでに他の生徒会の面々が揃っていました。


「お待たせしてしまい申し訳ありません」

「いいや、我々もつい今し方ついたところです。飲み物を用意してもらっているので、掛けてお待ちください」

「ありがとうございます」


クラウス様と言葉を交わしていたトビアス様が、声をかけてくださいました。

エルナとともに応接セットへ腰掛けようと目線をあわせます。

すると、相変わらず手配の早いクリストフ殿下が、私の後ろについてきたエルナをみつけるや、自然にエスコートをして自分の横に座らせてしまいました。

このお方は……。心を向けた方にはこのような行動をされるお人なんですね。

知りませんでした。

されるがままという雰囲気のエルナは、なんとも微妙な表情。

まだ慣れないようですね。


飲み物が行き渡ったところで、早速トビアス様が口を開きました。


「まずはアンリ王子殿下から、皆様へお伝えしたいことがあるそうです」


そう言って、アンリ王子を促すと、落ち着いた雰囲気のままカップをソーサーに戻しテーブルへ置かれました。


「実は兄から連絡が来てね。急な話で申し訳ないのだが、1週間後に帰国することが決まった。学園祭という慌ただしい時期に受け入れてくれたこと、心から感謝している。有意義な経験をさせてもらった。残りわずかではあるが、最後までよろしく頼む」


なんということでしょう。

残り1週間、つまりあと数日でアンリ王子殿下は帰国される。

ということは、つまりーー


驚きや質問など、各々がアンリ王子に声を掛ける中、視線だけをこちらにやり目元だけで笑みを浮かべられました。


(ああ、やはりそうなのですね)


あれからアンリ王子との時間を幾度となくとってはいても、返答を要求されることはありませんでしたが。


(それもここまで、ということなのでしょう)


昨日の出来事で気持ちは固まったものの、手元に力が入ります。


「アンリ王子殿下が帰国されるということは、生徒会もメンバーが少なくなっちゃうんじゃない?」


いつものように軽い調子で疑問を述べるカール様に、トビアス様が頷いて答えました。


「その通り。しかもクリストフ殿下も私も、そして君も最終学年だ。次の季節には卒業となる」

「そこで、生徒会に新メンバーを入れる」


トビアス様がご説明中でしたのに、大事なところはクリストフ殿下がもっていかれました。

なにやら、やれやれといった様子でトビアス様がその次を続けます。


「何人かはこちらで声をかけています。1年後の新入学には殿下の弟君が入学されるので、彼の側近の一人とその婚約者を加える予定です。1年間王族不在の生徒会は、クラウスが生徒会長を務めることになるでしょう」

「承りました」


恐らく事前に話は通っていたのでしょう。

滞りなく連絡は進みます。


「クラウスは自分が動きやすいと考える人材をさらに引き入れるように」


そこでディートリッヒ様が手をあげます。


「殿下、私の婚約者を誘ってもいいですか?」

「かまわないが、何か理由があるのか?」

「実は彼女は女騎士を目指していているんです。同性の騎士がそばにいれば、何かと安全ではないかと、彼女から言われておりまして」


あら。どうやら婚約者様自らの申し出のようですね。


「なるほど、それはいいな。明日にでも連れてきてくれ」

「ハッ、承知いたしました」


これでクリストフ殿下の心配も少しは減るのかしら。

すると、エルナが不思議そうな声を漏らします。


「同性の騎士って、どなたかを警護するということですか?」


その言葉に、生徒会室中から視線が集まりました。

あら、もしかしてここに呼ばれた意味をわかっていらっしゃらない?


「警護対象は君だよ、エルナ」

「ふへ?」

「今期の生徒会はただでさえ人数を絞っていて手薄です。ので、エルナ様には生徒会メンバーに復帰していただくようにと進言したのですが」

「き、聞いてない」

「生徒会に来てくれ、と伝えただろう?」

「あれ?生徒会室に来てくれ、だったような」

「そうだったかな?なんにせよ、復帰ありがとう」

「んがああああ」


もう、エルナったら。せっかくの妃教育が置いてけぼりですわよ。

私としては、これからも一緒に活動できるようで嬉しさしかありません。


「頑張りましょうね、エルナ」


観念したように小さくなるエルナですが、自然体の未来の王妃様はクリストフ殿下の側近に受け入れられているようです。


「教育の成果を存分に発揮してくださいね」などとトビアス様からエールを送られています。

エールなのかしら?


「さて、話を戻します。アンリ王子殿下の帰国に合わせて、来週王城にて送別の宴を開催することとなりました。山場の学園祭も終わったことですし、これを機に新メンバーに引き継ぎをしつつ、我々もパーティの運営側として協力することになりますので、よろしくお願いします」


そう話した通り、翌日には新メンバーが集合し、エルナをはじめさらに4人が生徒会に加わることになりました。


互いの顔合わせと自己紹介をしようとした時、私は思わず驚いて声を上げてしまいました。

その中に、まさかの人物がいたからです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

次のお話もぜひ、お楽しみに♪

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