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後列モブは巻き込まれ体質すぎて悪役令嬢を放っておけない〜実は隠れ溺愛されてたとか受け入れられません!〜  作者: 皆神 わいら
第1章 後列モブはゆるくぬるく生きたい

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28/30

第1話 気持ちを整理するので時間がほしい

お待たせしました!

新章スタートします〜

私はエルナ・マリエンベルク。

グランツフェルト王国の南端に位置するマリエンベルク領を治める伯爵家の長子として生を受けた。


王都から遠く離れたマリエンベルク領は主に漁業で成り立ち、小さな港もあるものの、おおらかで楽しいこと好きの領民が多いせいか商売はあまりうまくない。

要するに、田舎の貧乏領地だ。


いくら伯爵家のお嬢様といえど、貧乏貴族にはたいした力はない。

貴族の義務である学園に通うため、年頃の貴族子女が王都に集まるも、貧乏貴族の私は学園の寮に暮らし、長いものに巻かれ、王子殿下の婚約者である公爵令嬢の取り巻きの最後列にしがみつかませてもらっている……はずだった。


ある日、男爵令嬢との小競り合いの際に階段の踊り場から押し出された私は階段から落下。

幸運にも大きな怪我はしなかったものの、その衝撃で前世の記憶を思い出す。


実はこの世界は、私が前世で見たことのある転生物語の中だった。


ところが、エルナ・マリエンベルクなんて登場人物の記憶はない。

それもそのはず、公爵令嬢の取り巻きの中でも、名前と役割のある1列目でも、それなりに描かれる2列目でもない、「なんかいっぱいいるっぽい」と雑にグレーでもこもこ描かれる最後列の取り巻きモブ、つまり後列モブだからだ。


転生したら顔も名前もない後列モブだった。

がっかりした?

でも、いいんだ。


原作では描かれていなかったけど、今生きているこの現実では顔もあるし名前もある。

私はこの世界に生きている。


このまま公爵令嬢の取り巻きモブとして殿(しんがり)をあっためて、学園卒業後は田舎領地に戻ってゆる〜くぬる〜く生きていこうと思っていたのに……この公爵令嬢が、まさかの悪役令嬢!いずれざまあされて国外追放される運命だった!


つまり、このまま後列モブなんてやってたら、私までその煽りを受けるかもしれないのだ。

しかも階段から落ちた時に、悪役令嬢の婚約者である王子殿下に抱えられて保健室に連れて行かれたらしく、もう生きた心地がしない。


これまでの悪役令嬢の取り巻き令嬢たちは、原作ヒロインの男爵令嬢を目の敵にしていたけれど、次は私が標的にされるかもしれない!


こっそりひっそり、ほどよく楽しい田舎暮らしを満喫しようと思っていたのにとんでもないことになった!

と戦々恐々していたら、「こいつうまくやりおった」となぜか評価される始末。

どうやら、港もある領地か知らんけど、漁業なんかで成り立つ魚臭い貧乏令嬢なんかライバルにもなりえん、ということで見逃してもらえたらしい。


よかったー!


と、ホッとしたのは束の間だった。

その日のうちに悪役令嬢に呼び出されるも、実はその悪役令嬢も転生者だったのだ。

その後明かされたのは、王道ざまあ恋愛小説と思いきや、まさかの悪役令嬢の下剋上戦記だった事実。


戦争なんて起きたら、ぬるくゆるくなんて生きられん!

なんとか穏便に王国崩壊を阻止したいと思い、悪役令嬢の婚約解消と王国崩壊を回避したいね〜なんて話していたら、あれよあれよと王子殿下に引き合わされ、クーデター阻止計画に協力させられることになった。


なんでじゃ。


仕方がない。

ここは一旦大人しくクーデターの阻止に協力して、平和になった世界でゆる〜くぬる〜く暮らすことにしよう、と思っていたのだけど……そうは問屋がおろさなかった。


クーデターの首謀者、ブランシュフォード公爵家の企みを阻止するべく、建国劇での王子のロマンスを現実にしちゃおうムーブを阻止せんと、建国劇で暗躍することになるも、なぜか筋書きにない動きをし始める王子殿下と公爵令嬢。


建国宣言をするはずが、王子殿下がやったのは私へのプロポーズ。

どうせ芝居上のことだろうと、場に合わせて答えていたら、観劇していた王国民が本気にしちゃって、面倒なことになっている。


原作ヒロインちゃんだけでなく、王子殿下までもが転生者だったことが明らかになり、もう情報多すぎてわけわからん。


優秀な婚約者に見向きもしないで、ただただ甘いだけの男爵令嬢とのロマンスに落ちるはずだったチョロ王子殿下は影も形もなく、クーデターを阻止するは、婚約は穏便解消するは、王宮に部署新設して原作ヒロインちゃんのメンタルケアするはで、優秀すぎやしませんか?


その王子殿下が、あの芝居の続きをぬるっと続けようとするのが最近の私の悩みなのである。


まじ、ヤメテ……。


「エルナ、その書類済んだら、これを配ってきてくださる?」

悪役令嬢、もとい救国の悪役令嬢のはずだったヴァレッタ様にドッサリと書類束を渡される。

こんなはずじゃなかったと現実逃避していたのに、急に現実に引き戻された。


今、私は生徒会の仕事に巻き込まれている。

近く開催される学園祭のため、いつのまにやら生徒会事務局に所属することになってしまったのだ。


うぐぅ〜。

なんでえええ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


次のお話もぜひ、お楽しみに♪

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