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後列モブは巻き込まれ体質すぎて悪役令嬢を放っておけない〜実は隠れ溺愛されてたとか受け入れられません!〜  作者: 皆神 わいら
第1章 後列モブはゆるくぬるく生きたい

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第14話 ツッコミはやりすぎると体に悪い

あ〜すべすべお手々

あったかいし、ふわふわ

ぎゅっと掴みたいけどちょっとだけ力を入れてるみたいな感じ

緊張してるのかな〜

ふふふ〜


ヴァレッタ様に掴まれるまま人肌の感触を堪能している私は、導かれるままに校内をずんずん歩かされていた。

うるうるお目目で懇願され、断るに断りきれず流されるままに歩いてきたけれど、この方向、な〜んか嫌な予感がするんですけど〜


父さん、コッチです!

ヤバイ気配です!


コンコン

軽く扉を叩くと、相手の返答をまたずに入室するヴァレッタ様。

あれ?ここって、生徒会室……ってことは。


「お待たせいたしました」

「ああ。よくきてくれた。ふたりとも、そこへ掛けてくれ」


やけにいい声が聞こえてきた。

窓を背にした大きなデスク。

盤面に重ねられた書類の束はいくつかの山に分けられている。


手元の書類から目線を上げると、程よく切り揃えられた銀髪がサラリと揺れる。

深い青のトパーズ色した瞳が私を捉えた。


やっぱりー!殿下ー!

お近づきになりたくないナンバーワンの人物に強制連行でエンカウントって、後列モブにはきびしー!


しくしくと嘘泣きをしながらヴァレッタ様の隣のソファに腰を掛けると、学園メイドさんがどこからかやってきて、紅茶とお菓子を出して退出していった。

窓辺から応接ソファに移動してきた殿下は、ゆったりと長い足を組み、両手を膝にかけた。


(うぐう、こっち見てる〜)


ここは一旦お茶でも飲んで落ち着こう、と手を伸ばしたところで、ご挨拶がまだだったことに思い至る。


「ハッ あ、あのっ……王国の太陽たる殿下にご挨拶もうしあげましゅ……」


か、噛んだー!

横からクスッと聞こえる。聞こえてるよ!ヴァレッタ様〜


「よい、気を使うな。言葉の崩れも構わぬ」


いいんですかー!?

えー?殿下もしかして、めっちゃいい人ー?

と、心で大感動し、思わず崇めそうになる。


「殿下、こちらが先日お話しした、私の大切な友人、エルナ・マリエンベルク嬢ですわ」

「マリエンベルク家の一女、エルナと申します……」

「クリストフ・フォン.グランツフェルトだ。ヴァレッタから話は聞いている。秘密を共有している仲だとか」

「ゔぁ、ヴァレッタ様?」

「大丈夫よ、エルナ様。殿下には月に一回、婚約者交流の折にいつも近況をすべてご報告しているの」


それって、部下とかがやることではー?

婚約者交流してたんじゃないのー?


「実は先日、思い切って婚約解消を願い出てみたの」


アグレッシブー!

その行動力、なんでいままで封印してたんですか!


「ご快諾いただけたのよ!」


快諾したんかーい!

もうツッコミが追いつかない。

突っ込みすぎてぐったりしてきた。


「しかし、時期が悪い。加えて、王命で結ばれた婚約を私が勝手に解消するには、それなりの代案を持って行かねばならない」

「でも、実は王様からも内々にはご了承いただいているの」


王様まで了承済みとは、話が進みすぎている。

私が平和な日々を堪能している間に、あなた何してたんですか。


「先に解決せねばならない問題があるのだ。そなたにはその協力を頼みたい」

「うへ?」

「エルナ様にしか頼めないの」

「うえ〜?」


一旦、一旦お茶を飲ませてくれ〜

あ、おいし。

もういいや、お菓子もひとくち。


「建国祭が近いのは知っているな。王都の建国劇は王家主催だ。婚約者は出演が義務となる」

「はあ」


(このまえヴァレッタ様が言っていた通りだな……)


「通年であれば問題なかったのだがな、今年は少し話が変わった」

殿下の表情は変わらないけど、ヴァレッタ様は困ったように首を傾げる。


「建国劇は国民の義務だが、実は毎年その運営に苦心している」

「王都の建国劇は貴族で上演することになっているでしょう。なかなか出たがらない方が多くって」

「そうなんですか?うちの領はみんな出たがってひっちゃかめっちゃかになるくらいなのに」


パクリ、とふたつめにお菓子にかじりつく。


「各領地ではある程度自由を許可しているからな。しかし、王都では伝来の建国記録に沿って正しく上演するものとされてきたのだ、これまでは」


(これまでは?)


「実は公表はしていないが、毎年演者を募るのにも苦労している上に、最近は年々来場者も減ってきている。それぞれの領地で自由な建国劇を許しているのも、王都での正式な建国劇があってこそなのだ。しかし、これを知らぬ者が減ると元も子もない」


(それ、後列モブが知っていい情報じゃないですよねー!?)


どんどん巻き込まれてる気配を感じる。

いや、今更なんだけど。

だからって、危機感は忘れちゃいけないと思うんだ!人として(?)


「それで、まずは王都の建国劇に来る人を増やしましょうってことになったらしくて、そのためのテコ入れがあったみたいなの」

「……て、テコ入れ、とは?」

「建国劇のロマンス化だ」


「はあ?」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

次のお話もぜひ、お楽しみに♪

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