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【完結】捨てる神あれば拾う神あり~踏み台令息は失恋を得て成長する~  作者: 夢子


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★登場人物紹介

人物紹介です。いつものように後書きにおまけがありますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。

○シャーロット・ソラリス

主人公

17歳~18歳

貴族学園の三年生、Aクラス

ソラリス公爵家の令嬢

王太子の婚約者

母は他国の元王女

可愛いものが好き

赤薔薇のような華のある容姿

黒髪に赤い瞳

成績優秀で真面目で模範的な生徒であり、多くの生徒たちの憧れの令嬢でもある


○エリック・ジェミナイ

主人公

15歳~16歳

貴族学園の一年生、Aクラス

ジェミナイ商会の跡取り、男爵子息

クリーム色の髪、黒い瞳、母本性をくすぐるような可愛い系の容姿

弟が二人いる

子犬っぽい(作者イメージ、チワワ)

マリーとは幼馴染

何事にも一直線に向かうタイプ

特に恋愛になると周りが見えなくなる


○マリー(マリアンヌ・アレース)

自称ヒロイン

15歳~16歳

貴族学園一年生、Dクラス

男爵家庶子

ジークハルトの恋人

エリックの幼馴染

ピンクの髪、薄緑の瞳

マーガレットの花のような可愛らしい容姿

男性に甘えることが得意

前世の記憶がある(転生者)


○ジークハルト・ユービテル

ユービテル国の第一王子

17歳~18歳

貴族学園の三年生、ギリギリAクラス

メインの攻略対象者

金髪、緑色の瞳

作者イメージ、シェパード(※お犬様に申し訳ありませんが見た目の話です)

自己中心的な性格、何でも自分の想像通りに解釈してしまう

見た目以外は平凡

シャーロットへの想いを拗らせている

弟が二人いる


〇ジェイド・ソラリス

ソラリス公爵家の養子

15歳~16歳

貴族学園一年生、Aクラス

優秀な成績で学園に入学したが、マリーに恋心を抱いてから落ち始めている

キャラメル色の髪、深い茶色の目

婚約者はカトリーヌ

子犬っぽい見た目で、攻略対象者としては弟枠

作者イメージ、チワワ(※同上)

元子爵家四男坊

初恋はシャーロット


〇パトリック・クロノス

侯爵家跡取り

17歳~18歳

貴族学園の三年生、Aクラス

婚約者はエリザベス

ジークハルトの一番の側近で幼馴染

ホワイトブロンドに青い目

作者イメージ、イタリアングレーハウンド(※同上)

弟と妹あり

クール系攻略対象者


○アルフレッド・バッカス

宰相の息子

16歳~17歳

貴族学園の二年生、Aクラス

婚約者はクリスティーネ

赤い髪に琥珀色の瞳

作者イメージ、ボーダーコリー(※同上)

年の離れた弟あり

ナルシスト系攻略対象者


〇アンドリュー・ヴェスタ

騎士団長の息子

16歳~17歳

貴族学園の二年生、Bクラス

婚約者はゾフィア

青い髪に水色の瞳

作者イメージ、アラスカンマラミュート(※同上)

体が大きく騎士になる夢を持っている 

熱血系攻略対象者


○エリザベス・デレーラ

17歳~18歳

貴族学園の三年生、Aクラス

筆頭侯爵家令嬢

きつめな美人

百合の花のような凛とした女性

クロノス家の家族とは仲がいい

パトリックの弟メルソンと婚約する


〇クリスティーネ・カルネス

伯爵令嬢

16歳~17歳

貴族学園の二年生、Aクラス

少しタレ目気味で華奢

大人しそうに見えるが中身は少年のよう

カスミソウのような小さく可愛らしい女性

婚約者であるアルフレッドが嫌い

兄の友人ユリアーノと婚約する


〇ゾフィア・キャンドル

子爵令嬢

16歳~17歳

貴族学園の二年生、Aクラス

祖父が騎士団長だった

キリッとした表情を持つカッコイイ系女子

あやめの花のような佇まいが美しい女性

アンドリューへの初恋に気付いたが吹っ切れた

兄弟子であるジル兄様、ジルハードと婚約する


〇カトリーヌ・マウロ

伯爵令嬢

15歳~16歳

貴族学園一年生、Aクラス

ふわふわとした髪と子犬のような可愛らしい容姿

マーガレットの花ような芯の強い女性

男性が苦手

シャーロットが初恋

ジェイドの婚約者だったが将来的にはシャーロットの侍女になる

エリックのよき友であり、ライバル


○ジャックソン・ソラリス

シャーロットの父

ソラリス公爵

厳格な父


○オリビア・ソラリス

シャーロットの母

元他国の王女

黒髪でシャーロットとよく似ている


○アンナ

シャーロットの侍女

無表情がデフォルト

子犬のようだなとエリックを観察している


○リクト

シャーロットの護衛

無表情がデフォルト

かなりの実力者だが元は平民


〇ラインハルト・ユービテル

ユービテル国の第二王子

優秀だと有名

シャーロットを尊敬している

ジークハルトの三歳下


〇レオンハルト・ユービテル

ユービテル国の第三王子

優秀だと有名

シャーロットを尊敬している

ジークハルトの六歳下


〇メルソン・クロノス

パトリック弟

パトリックの三歳下

エリザベスに恋心を持っていた


〇ルルリナ・クロノス

パトリック妹

パトリックの五歳下

馬鹿な長兄が嫌い


〇レオドール・カルネス

クリスティーネの兄

お転婆な妹を可愛がっている


〇ユリアーノ

レオドールの親友

クリスティーネに恋心を抱いている


〇ジルハード

第三騎士団長

ゾフィアとアンドリューの兄的存在

25歳ぐらい


〇アーロン・クランド

事件の証人生徒

黒髪を見た気がすると言った青年


〇ルオデルト・ユービテル

ユービテルの国王

ジークハルトの父


〇リリーローズ・ユービテル

ユービテルの王妃

ジークハルトの母


〇エリオット・ジェミナイ

エリック父

ジェミナイ商会会頭

恋に夢中になりやすいエリックを心配している


○フェイ・ジェミナイ

エリックの弟

ちょっと生意気


○ピート・ジェミナイ

エリックの弟

甘え上手


〇マリア・ジェミナイ

エリックの母

夫に似たエリックのことを心配している


【ソラリス公爵家のお嬢様】


「シャーロット様、本日付けで配属された専属の護衛と侍女を紹介させていただきます、護衛のリクトと侍女のアンナでございます」


「リクトです」

「アンナと申します」


「二人とも初めまして、シャーロットよ、今日から宜しくね」


「「はい」」


ソラリス公爵家のお嬢様であるシャーロットはとても有名なご令嬢。

まだ幼いながらも優秀で、人目を惹く容姿の持ち主。


他国の元王女であるオリビアに良く似たその顔は子供ながらにすでに整っていて美しく、この国には珍しい黒髪を持っているため、それだけでも十分な魅力を持っていた。


だがシャーロットはそこで満足することは無く真面目で堅実、自身を磨き上げることに対し手を抜かない。そのせいもあり、幼いながらも次期国王である第一王子の婚約者に決まり、大きな注目を浴びるご令嬢でもあった。


「来週から王城での妃教育が始まるため、二人には常に同行してもらう形になります。お手数をお掛けしますけれど、どうぞ宜しくね」


「はい、シャーロット様、必ずお守りいたします」

「シャーロット様が過ごしやすいよう、出来る限りの配慮をさせていただきます」


「ええ、頼んだわね」


ニコリと微笑むシャーロットは年齢通りの可愛らしさを持っている。

けれどひとたび王城へ向かうとなるとがらりと表情が変わり、大人びた雰囲気となる。


もうすでに自身が未来の王妃となり、この国を率いていく自覚があるからだろう。

隙の無い佇まいはシャーロットの努力の結果。


アンナもリクトも自分の主を尊敬するのに時間はかからなかった。


「おい、シャーロット、勉強を抜け出して庭で遊ばないか、今日はアルフレッドが騎士団のところに来てるんだ、見に行こう」


「ジークハルト様、遊びたいのであれば授業の後にいたしましょう。それにアルフレッドは遊びに来ている訳ではないのです。騎士団の訓練場に行けば騎士団の邪魔になるだけではなく、アルフレッドの邪魔にもなってしまいますわ」


「ちぇー、シャーロットは本当につまらないなー、いい、パトリックを誘っていく、お前はもう誘わないからな!」


「ジークハルト様、いけません」


シャーロットが止めるのも聞かず、ジークハルトは駆け出して行った。

残されたシャーロットは教師に謝罪し、ジークハルトの愚行を詫びた。


その上、ジークハルト用に今日習った授業について解説付きでノートを書き上げ、次回の授業についていけるよう準備してあげていた。


シャーロット様がそこまでする必要はないのでは……?


心の中でそう思ったアンナとリクトの心の声は顔に出ていたようで、「ジークハルト様のことを陛下に頼まれているし、立派な王様になって欲しいからよ」と答えられてしまった。


従者として主に気を使われるとは情けなく、この時から二人はどんなにジークハルトへの怒りが募っても無表情を心がけ、決してシャーロットには無理をさせないようにした。



「最近はジェイド様もジークハルト様についていくようになってしまったな……」

「はい、ジェイド様はシャーロット様に甘え過ぎですね、養子の立場を分かっていないようです」


忙しいシャーロットにとって弟のジェイドとの戯れは、心の癒しであった。

本を読んであげ、勉強を見てあげて、一緒に庭を散歩して。

いい子良い子と褒めるとニコッと笑い「姉さま大好き」と言われれば、シャーロットは嬉しそうで、妃教育の疲れも吹き飛んでいる様子だった。


けれどジェイドが成長し、ジークハルトの友人枠として王城へと通うようになると、ジェイドの様子が様変わりする。

シャーロットのことを毛嫌いするようになり、口煩い姉だとそんなことを口走るようになった。


「きっと反抗期なのよ、しばらくすれば落ち着くわ」


シャーロットのその願いは残念ながら叶わず、ジェイドはジークハルトの真似をするようになり、いつしかマリーという少女に恋心を抱くようになってしまった。


「ジェイド、貴方にはカトリーヌという婚約者がいるのよ、平民の少女にばかり構うのは間違っているわ」

「姉上、汚らしい想像は止めて下さい、マリーとは友人、姉上が思っているような関係ではありません、そういうところがジークハルト様に嫌われると、なんで分からないんですか?」

「ジェイド……」

「僕はもう子供ではないんです、放っておいてください」


悲し気なシャーロットを見て、アンナもリクトも我慢の限界を迎えた。

公爵に現状を伝え、問題の少女を排除してもらおう。


そう思ったのだがシャーロットに止められる。

今はまだ我慢できるし、その時ではないというのだ。


「私には考えがあるのよ、どうせ排除するのならばこの国に必要のない愚か者は一斉に処分しなければ意味がないでしょう?」


ジェイドだけを切り捨てても意味がない。

ジークハルトだけを切り捨てても意味がない。

側近含め、愚か者全員を国の中枢に置けない状態にしなければ意味がない。


大人に成長したシャーロットは公爵に似た冷酷な部分も持ち合わせるようになっていた。


そんなある日、シャーロットにある出会いがあった。

それはマリーという名の少女の恋人と噂される少年、エリック・ジェミナイだった。


「シャーロット様」


「エリック、来てくれたのね」


「はい、シャーロット様に呼ばれたらどこに至って飛んできます」


やっと青年と呼べるような容姿のエリックは、子犬のようで可愛らしく、大きな目がきょろきょろと動いてシャーロットの母性本能をくすぐったらしい。


その上シャーロットの意見に従順で、シャーロットの努力をきちんと理解し、シャーロットに対し淡い恋心も抱いているようで、シャーロットがそれを喜んでいることも分かる。


エリックと出会ったから、シャーロットは以前のように笑うようになり、笑顔も増えた。

それにジークハルトと絶対に別れる、そんな希望も持ったようだった。


「ジェイドがあのままなら、私がソラリス家に残るしかないわね……」


王家には嫁がないという覚悟も決めたようで、国の犠牲になる結婚を止め、自分の幸せな未来を望んでくれるようになっていた。


「エリック様のお陰でしょうか……」

「そうだな、認めるしかないだろうな」


正式な婚約者ではないけれど、夜会に出るパートナーが常にエリック・ジェミナイであれば、シャーロットの想いがどこにあるかは世間にも伝わる。


それに二人の様子を見れば、間に割り込むなど無理だと分かるはず。


なによりシャーロットがエリックへ向ける視線はどこまでも温かいもので、誰が見ても愛情の深さが分かるものだった。


「でもエリック様だけがシャーロット様のお気持ちに気付いていないのですよね……」

「会うたびにアプローチを見せられる我々の気持ちにもあの方は気づいていないようだ……」


エリックのシャーロットへのアプローチは見ているこっちが照れてしまうほど正直な言葉。

綺麗だけでとどまらず、女神だと、誰の前であってもシャーロットを褒めることをやめない。


それが本心からの言葉であり、お世辞ではないのだから誰も止めることは出来ない。

第一エリックの言葉を借りるのならば、シャーロットが文句のつけようがない、魅力的な女性であることは確かなのだから、正直に言っても問題はないだろう。


「シャーロット様の為にも、エリック様には我々になれていただきましょう」

「ああ、今度笑顔で出迎えてみよう」


アンナとリクトが満面の笑みを浮かべエリックを歓迎する様子を見せた日、エリックには何故か今まで以上に怯えられてしまった。


「必ずシャーロット様に相応しい男になって見せますから!」


アンナとリクトヘ向けそう宣言するエリックを見て、シャーロットは楽しそうに笑っていて。


アンナとリクトも何故か嬉しい気持ちになったのだった。


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