廃神ゲーマー♂の俺は、貴族令嬢♀になったらしい。
リハビリ代わりに投稿。
実はそのまま直で書いてたりする。
……最近かなり忙しくて、読みたい作品も大分進んでいたという……。
因みに作者は未だにブクマ機能がよく解っていない、機械オンチなので、また何処か誤字脱字してるかも。
追記:やっぱりしていた誤字を訂正……。
己に『違った』→己に『誓った』に訂正しました。
とあるゲーム攻略法の掲示板で、有名な男がいた。
クリアしたゲームは数知れず、ネットでは廃神さま等と言われていた俺――斉藤好晴は今日、ネットの掲示板にとあるゲームの攻略法を書いていた。
ゲームの名前は『ルーンナイト~永久に誓う愛の唄~』という乙女ゲーム。
別に俺の趣味ではなく、単に掲示板でのやり取りで攻略法を依頼されただけなのだが。
……そんなわけで全キャラをクリアし、今先程まで隠しキャラを攻略していたわけだが、どれを選択するかでエンドが変わるよ~、というのを書いたわけである。
取り敢えず、既に隠しキャラも終えたので、オールクリア出来たのだが、1つだけ良く分からないものがある。
画面に映る『next stage…』の言葉である。
ただ単に続きが発売されるのだろうか?
それとも、まだ終わって無いのだろうか?
そう思い、色々とガチャガチャやってみたが、何も起こらなかったのだった。
そんなわけで続きが発売されるか、とそれとなくこのゲームの開発会社勤務の友人に聞くも、『続き?ないない、それで終わりだって。』と返された。
不思議に思うが、まぁ何かの見間違いか何かだろうとベッドに潜るのだった。
翌日、俺は死体となって発見される訳だが。
◎
「……お嬢様、起きてください。朝でございます。……全く、お嬢様っ!起きてください、本日は学園の入学式でございます!」
ゆさゆさ、と揺さぶられ、徐々に意識が覚醒してくる。
私、システィナは朝に弱いのだ。
「……ぅぅ~、ぉはよぅ……、ミア。」
「おはようございます、システィナお嬢様。本日は入学式でございますよ?もう少ししっかりして下さいませ……。」
呆れた目で見てくる彼女は、私の専属メイド――ミア・アルナローゼ。
私が8歳の頃からお世話になっている、私のお姉ちゃんみたいな人。
因みに年は18歳である。
私は12歳だけど。
「お嬢様、湯浴みの準備は整っておりますし、朝食も出来ております。先にどちらをお選びしますか?」
「……お風呂で。」
「畏まりました。……髪の方は?」
「……切らなくていいです。見えますので。」
私は髪が長い。
無論、前髪もである。
そんなわけで今日も切る、切らない等と問答しているわけだが、正直に言おう。
私、システィナ・メイ・フランディースは、悪役なのだ。
ただでさえ公爵令嬢、その上悪役として迷惑行為をしてくるとあるゲームの有名なキャラ。
ゲームの名前は『ルーンナイト~永久に誓う愛の唄~』という、死ぬ前の『俺』がやっていた、攻略がとんでもなく難しいやつなのだ。
……まぁ主にその攻略を難しくする原因が私、システィナなのだ。
故に私は思った。
ゲームのシナリオ道理に進むなら死ぬか犯されるか追放か没落。
ならば邪魔なんて面倒な事をせず、目立つ事もしなければ良いじゃん、という訳で根暗キャラにと髪を伸ばしたのだった。
勿論、(特注品だったりする)瓶底のような眼鏡も購入したし、コレで面倒事に巻き込まれないだろうと確信した。
そんなわけで、多分他の令嬢より長いであろうお風呂を終えて、食堂に向かう。
……だって髪長いし(本当は切りたい)。
今日学園に入学すれば、もうそこから寮生活をする事になるため、学園にいる間はここには帰れない。
そう思うとちょっと寂しい。
……まぁ、夏休みなるものがあるから帰れるけれども。
「……それでは、父様、母様。言って参ります。」
「ああ、頑張れよ。」
「行ってらっしゃい。」
「お嬢様、馬車にお早く。」
別れの挨拶を終え、ミアと共に馬車へと乗り込んだ。
手を振る両親に振り返しながら、ミアに問い掛ける。
「ミア、どれくらいでつくかしら?」
「はい。約30分程かと。」
屋敷の門を出た所で馬車の窓を閉めながら、「そう。」と返す。
相変わらず私の髪を気にしているのか、そわそわ、そわそわとこちらをみるミア。
そんなミアを一瞥して一言。
「切らないからね?」
「う……。で、では髪止めを……。」
「いらない。」
「……お化粧。」
「必要ありません。」
「お嬢様ぁ~。」
確かに、私の見た目はとても良い。
ゲームで見たときも、これほどの美少女なのになんて性格が悪いんだ!と思った位だ。
それに今、俺は『斉藤好晴』ではなく、私が『システィナ・メイ・フランディース』なのだ。
ゲーム通りになってたまるか!と、己に誓った私は、こんな絶対に目立つ美少女顔なんて隠すのだった。
そんなわけで、私はミアといつもの如く恒例の問答をしながら、王都エルヴィスの門を潜ったのだった。
◎
「うわぁ……、なんて大きさ……。」
高い城壁からも見えていた王城だったが、町に入ってから分かる。
とんでもない多きさを誇る巨城。
そしてその隣に建つ王城よりやや小さな学園。
どちらもとんでもない程の規模を誇る建物が目の前に並んでいた。
「……いやいや、大きすぎるでしょ、これ。」
驚きを通り越して呆れが混じる。
こんな大きくして強度的にどうなんだ、とか、金幾らかかったのだろうとか、色々と浮かび上がる疑問を頭の片隅に追いやり、学園前の馬車降り場に到着する。
「……着きましたね。ミア、行きましょう。」
「はい、お嬢様。」
……始業式とか怠そう。
寝ても良いかなぁ……。
……人多いから気付かれなさそうだし。
主人公は基本アホです。
……魔物とかも出てくる予定。
まぁ多分かなり先だろうけど。
そんな訳で次回『私の初めての友達がヒロインな件(仮)』です。
(仮)だから題名変わるかも。
また次回、お楽しみに!