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赤ちゃんから始める来世改善計画  作者: ぎあまん


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来世改善計画・国境編



 駆除を開始して一月ぐらいは経過しただろうか。


 下水道の養殖ゴブリンを駆除し続けた結果、ハンター軍曹、クサリン兵長、ホネッコ上等兵が全てLv99になった。

 どうやらレベルには上限があるらしい。


 と、思っていたらLv100になった。

 そして俺の『魔』も『魔100』になった。

 どうやら魔法生物・魔法造物のレベル上限は、創造者の『魔』に関係しているらしい。


【基礎魔導知識・極】を検索してみると、確かにそう書かれている。

 スキルで手に入った知識は、肌感覚で身に付けたというよりは頭の中に巨大な本を入れ込まれているような感じだ。

 自身の努力で身に付けたわけではないからかな?

 使っていくうちに馴染んでいくのだろうか?


 まぁ、その辺はなるようになるしかない。

 いずれ慣れることだろう。


 それより下僕三人衆はどれも立派になった。


 ハンター軍曹はアシダカグモのような姿で巨大化していたのだけど、そのうち金属製のタランチュラのような姿になり、大人の掌ぐらいのサイズに落ち着いた。


 クサリン兵長も巨大化し続けていたのだけど、その内サイズを自由に操れるようになり、待機状態だとやはり大人の掌サイズになった。

 しかも凝縮された結果なのか、色が金色になり、悪臭を止めることができるようになった。


 ホネッコ上等兵はサイズ調整機能を手に入れられなかった。

 身長は三メートルぐらい? 下水道の中ではちょっと屈まないといけない。

 骨だけで作られた異形の三面六臂の姿だ。

 実際には頭骨も腕骨もたくさんあるので、三面六臂どころではないのだけれど。

 まぁ、イメージとして、だ。


 下水道を巡回する時は、ハンター軍曹とクサリン兵長はホネッコ上等兵の肩に乗ってうろつくということになっている。


 とはいえ、ここまで成長する過程で下水道から養殖ゴブリンの姿はなくなった。

 ネズミや虫の姿もかなり減っている。

 地上の建物の中にはネズミや虫はまだまだいるのだろうけれど、それらを虱潰しにしていく気にはなれない。


 やることがなくなったらさすがにしてもいいかもしれないが、いまはある。


 下水道が無事になったなら、次は外だ。

 領都に入る前に養殖ゴブリンに襲われたことを忘れたわけではない。


 養殖ゴブリンの件が片付いたら、邪教を潰してもいい。


 やることがすぐに見つかるのはいいことだ。


 ハンター軍曹はいざという時の護衛においておくとして、クサリン兵長とホネッコ上等兵は領都の外に出した。

 養殖ゴブリンは外でも繁殖をしているはずだ。

 そいつらの駆除は善行になるはずだ。


 実際、下水道の駆除でポイントが溜まった。

 まだまだマイナススキルを消去するほどではないが、蓄積されたという事実が大事だ。

 方向性が間違っていないということを示しているからだ。


 下水道から養殖ゴブリンがいなくなったということは、帝国の野望によって領都が不幸になる未来を防いだということになるはずだ。


 なので外にいる養殖ゴブリンも駆除していくことにする。

 うまく遭遇できればいいのだけれど。





 帝国との国境にある森。

 傭兵の一人がまずそれを発見した。

 それは、骨で組み合わされた悪夢のようであった。


 国境から解き放った養殖ゴブリンが戻ってこないように見張るだけのために雇われた者たちが相手にしていい存在ではない。

 一目散に逃げた。


 後日、傭兵たちからの目撃報告が増えたことで帝国の魔法使いが派遣された。


「目撃証言が大仰に聞こえますが……おそらくは死霊魔法系の魔法造物でしょう」


 大袈裟なと呆れていた様子の魔法使いがやってきた三日後に、それを目にすることになる。


「な、な、な……」


 その悪夢的な姿に、魔法使いは言葉が出なくなっていた。

 だが、それでもなんとか使命感を振り絞って【鑑定】を使う。

 使うことができたのは、その邪悪な骨の集合体が護衛の傭兵や魔法使いを見ても襲いかかってこなかったからだった。


「なっ、そんな……」


 そして魔法使いはさらに絶望の声を発する。

【鑑定】ができなかった。

 それはつまり、自身よりもはるかに高位の魔法使いが創造した魔法造物であるということを示している。


 魔法使いたちは、自分たちが襲われないことを確信してさらに数日、その存在を追いかけた。


 それは養殖ゴブリンが作り上げた集落を見つけると襲いかかった。

 六本の腕に骨で作り上げた剣や槍、斧を握って振り回した。

 そうして、そこで判明したのだが、その存在は《《一体》》ではなく《《二体》》だった。

 骨の隙間から飛び出した金色のスライムが巨大化すると養殖ゴブリンを内部に取り込み、溶かしていく。

 骨の化け物も、自らの武器で殺した養殖ゴブリンをスライムの中に放り投げていく。

 そうして、肉と臓物から剥げ落ちた骨が、化け物へと追加されていく。

 養殖ゴブリンの集落が滅びるのに、数刻とかからなかった。


「『悪夢』だ」


 こうして、帝国ではその存在は『悪夢』と呼ばれるようになった。







成長:魔99→魔100

下僕成長:ハンター軍曹Lv30→100/クサリン兵長Lv50→100/ホネッコ上等兵Lv20→100

下僕獲得スキル:ハンター軍曹【潜伏】【巨大化】/クサリン兵長【腐臭】→【悪臭自在】【巨大化】

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