↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤ちゃんから始める来世改善計画  作者: ぎあまん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/12

来世改善計画・領都下水編



 アシダカグモ軍曹改め、ハンター軍曹Lv10は一週間後にはハンター軍曹Lv30になった。

 この世界ってレベルの概念があるのか?

 人を【鑑定】する限りは見つからないんだが、もしかしたら魔法生物とか魔法造物にはあるのかもしれない。

 そう思って【基礎魔導知識・極】を検索すると、うん、そう書かれていた。

 魔法生物・魔法造物の中には様々な条件によって成長する物が存在し、それがレベルで表記されることになるのだそうだ。


 ハンター軍曹は虫を喰らい、その殻を吸収するごとに強くなっていった。


 虫だけでなくネズミにも果敢に襲いかかっていくハンター軍曹の前に、ネズミたちは撤退を決意したようで、下水道へと消えていった。

 さて、後は残ったネズミの死体やフンなんかの処理だ。


 それとこれから先の下水での活動のために、新たな魔法造物を作る。


 下水なんて汚いもんだからな。

 特に領都の下水は雨水も生活排水もまとめて一本にして外に吐き出している。

 ある程度管理されていそうなら、清掃人の仕事を奪うことになるかもしれないので別の方法を考えることになるが、【幽体離脱】で下見をした限りでは、清掃人はいても対して仕事をしていなさそうだった。

 それに、ちょっとそれどころではない爆弾が育ちつつあった。


 まぁ、それの対処はすでに【幽体離脱】できる時にちょいちょいやっているんだけれど、能力は高くても習熟度が低い状態だし、派手なことをやって注目されても面倒なのでちまちまと活動するしかない。


 ともあれ、まずはアパートのネズミのフン片付け目的も兼ねて練習。

 作るのは【腐肉スライム】。

 腐ってドロドロになった腐汁をベースにスライムを作る魔法だ。

 だからきっととても臭いぞ!(※まだ実際には嗅いでいません)


 ネズミの死体で作った【腐肉スライム】を行き来させてアパートの天井裏に溜まったフンを回収する。

【腐肉スライム】が這った跡なんて汚いに決まっているんだけど、いままでなにもなかったのだし、これから頻繁に動かすこともないんだから放置してても問題なかろう。


 きっと。

 たぶん。


 残った粘液からカビとか生えるか?

 まぁ、時々覗いて様子を見よう。

 ハンター軍曹に巡回もさせるし。


 とにかく……【腐肉スライム】のテストは終わったので、下水道に突入させる。


 ここまで引き伸ばしたけれど、下水道は……ゴブリン天国になっていた。

 ネズミとゴキ天国ぐらいは予想していたけど、まさかのゴブリン天国だ。

 そのゴブリンは帝国産の養殖ゴブリンだった。


 飛行船でばら撒かれた養殖ゴブリンたちは外来種として大活躍し、領都の下水道にまで繁殖の手を伸ばしていたのだ。


【幽体離脱】で偵察してみたが俺が毎日うんざりするまで【腐傷】で倒していっても減った気がしないぐらいいる。

 アパートにネズミがあんなにいたのって、下水ではゴブリンの餌にされてしまうからだったんだな。

 こいつらネズミや虫どころか人間のクソまで食べてるからな。

 もちろん同類の死体だって遠慮なくいく。


 エグいったらない。


 とりあえずアパートで作った【腐肉スライム】をベースに、倒した養殖ゴブリンを吸収させていく。

 どんどんデカくなっていく【腐肉スライム】だが、ゴブリンと戦わせるとあっさり負けそうになる。

 触れた端から濁った体内に吸収していけるようになったのは、レベル50に達してようやくだった。


 というわけで【腐肉スライム】はクサリン兵長Lv50となった。


 積極的な攻撃力はないが、常に腹へりのゴブリンは兵長を見かけたら即座に襲い掛かりそのままスライムボディに取り込まれて【強酸粘液】で溶かされる始末。

 ある種のゴブリンホイホイだな。

 骨が溶かしにくいのか、けっこう残っているのでゴブリンの骨を使ってさらにもう一体追加する。


【死骨兵】という魔法だ。

 骨でできたゴーレムみたいなものだけど、【死骸蟲】【腐肉スライム】同様、成長要素がある。

 骨を取り込めば取り込むほど強くなるので、【腐肉スライム】が吸収に時間がかかる骨を【死骨兵】に与えることで成長させるという手順だ。

 ホネッコ上等兵と名付けた。


 これにハンター軍曹も加えて下水道に君臨する養殖ゴブリン軍団を殲滅するために活動させる。





 おかしい。

 下水道に放った養殖ゴブリンたちの数が減り始めている。

 帝国に通じた商会を利用して持ち込んだ養殖ゴブリンを下水道に放ち、来たるべき侵攻の際に地上に解き放って混乱させる予定だった。

 ゴブリンの繁殖力は凄まじく、それは養殖したものでも同様だ。

 国境沿いにばら撒いた養殖ゴブリンも順調に増え、エイゴラ周辺の治安は確実に悪化している。


 いざ侵攻の時は近づいているというのに、自分が担当した作戦がうまくいっていないなど……。


「くそっ、これではなんのために下水道整備の連中に金を払って放置状態にしているのか」


 養殖ゴブリンたちにとって、自分以外は食欲か性欲のどちらかの対象でしかない。

 帝国の間諜である男は原因を探るために、自身にとっても危険な下水道へと調査に向かった。


「なんだ、こいつは……」


 そして、見ることになる。

 暗く汚い下水道の内部を限界いっぱいにまでなって進む、汚れた灰色のスライムを。

 その中には無数のゴブリンの死体があり、骨へと溶ける途中であった。


 そして、その側には骨を絡め合わせた異形の存在がいる。

 腕から生やした無数の肋骨の突起部分を使ってゴブリンを串刺しにし、巨大スライムへと放っている。


 こいつらが増え続けていたはずの養殖ゴブリンたちを倒し、喰らっていたのか?


「クソ、こんな……」


 作戦に妨害が入った。

 そのことを報告しなければ……そう思った男は、うなじの辺りに針が刺さったような痛みを感じた。


「っ!」


 なにかと思って振り返るが誰もいない。

 だが、うなじに伸ばした手には明らかな違和感があった。

 なにかを……触っている。


「うあ……」


 次の瞬間、全身の力が抜けて足場から滑り落ちた。

 麻痺毒だと気付いた時にはもう遅い。

 下水の中に沈んだ男は、淀んだ視界の中で、下水の壁に張り付く巨大な蜘蛛の姿を見た。

 そしてそれは肺の中が汚水に満ちるまでの人生最期の光景となるのだった。

 






獲得下僕:クサリン兵長Lv50:【腐肉スライム】【腐臭】【吸収】【強酸粘液】/ホネッコ上等兵Lv20:【死骨兵】【骨合体】【骨武器化】【骨鎧化】

下僕成長:ハンター軍曹Lv10→30

よろしければ、励みになりますので評価・ブックマークでの応援をお願いします。

下の☆☆☆☆☆での評価が継続の力となります。


カクヨムで先行連載していますので、よろしければそちらの応援もお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。