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学園の鈍行令嬢たちは、新幹線を認めない!  作者: 利根きぬ
さすがの社長令嬢様!!
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告白代行!

ユキナちゃん…… あと一息

「ありがとうございました!」

「失礼しました」

 

 先輩とアマミ先生に頭を下げて、講義室を出る。

 

 今日はもう大学に用はないので、俺は気になってたことを聞く。

 

「羽咲先輩って、俺のこと好きなんですか?」

 

「へっ! ああ、えーと、えーとねっ!」

 慌てる羽咲様。

 

「べっ、別にっ! ですわっ! 頼れる後輩ではありますけど!」

 

「そうですか」

 

 すると、

 

「おかえりー!」

 

「ゆっ、ユキナさんっ!」

 羽咲様が正門で待ってたユキナに駆け寄る。

 

「どうしてっ! こんな暑い中、待ってたのっ!」

 心配そうに聞く先輩。

 

「私は大丈夫だよ? だって、警備員さんが涼しい部屋に入れてくれたから」

 

「そう…… 警備員さんが、感謝ですわあ」

 

「うん! すっごく嬉しかった!」

 

「良かったな、ユキナ。優しい警備員さんに会えて」

 

 すると、例の警備員さんが部屋から顔を出して、

 

「おう、あんたら戻ってきたか、よかったよ」

 

「はい! 先ほどはありがとうございました!」

 ユキナが笑顔でお礼を言う。

 

 すると、警備員さんは、マクナの方を見て、

 

「ダメだぞ? 彼女さんを置いてけぼりにしちゃ。その子、ずっと泣いてたんだぞ?」

 

「えっ⁉︎ 泣いてたの? ユキナ⁉︎」

 

 ユキナは、うん、と頷いて、

 

「だって…… マクナくん、『好き』って言って、すぐ大学へダッシュしちゃんだもん……」

 

「ええと、それはだな……」

 

 

「だから、私、わたしっ! マクナくんと両思いなのに、付き合えないの? って、寂しくて、さびしくて……」

 

 

 ……すみませんでした。

 でも、あの時はレポート期限が迫ってたからな。ある意味仕方な……

 

「仕方ないわけありませんわ? マクナくん」

 

 なぜか、めっちゃ笑顔の羽咲様。

 ひええ、目が暗黒に染まっている……

 

「レポートとユキナさん、どちらが大事でして?」

 

「……」

 

「鈍行法違反ですわ。一週間の各駅停車の刑を求刑しますわ」

 

「まあまあ、羽咲せんぱい! そんな怒らなくても……」

 ユキナは、エキサイトした先輩をなだめて、

 

「レポートは間に合ったの?」

 マクナの方を見つめるユキナ。

 

「ええと、提出は一週間後だった」

 

「へっ⁉︎ そうだったのっ?」

 ポカン、と口を開けるユキナ。

 

「そうですわ。だから、また一週間旅行しようと思いますわ」

 

 へえ、と納得したユキナ。

 そして、どこか他人行儀に、

 

「わたしも…… ついていっていい?」

 

 心配そうに聞くユキナ。

 二人の答えは決まっている。

 

「もちろんですわ!」

「もちろんだよ」

 

「やったー! よろしくお願いしますっ!」

 

 飛び跳ねるユキナ。

 

「あ、でも、親御さん心配しないかな」

 

「大丈夫だよっ! ちょくちょく諏訪グループの系列店から、私の情報伝わってるし。両親も大歓迎だから!」

 

「そう、なら良かったですわ」

 安心した羽咲様。

 

 そういえば、二人とも、未来の経済を回す社長令嬢様だったな。

 

 まじで泣かせてはいけないな。

 

 

「で、マクナくんっ!」

 じーっと、指をいじって俺を見るユキナ。

 

「私と…… 付き合ってくれるの?」

 

「ああ、言ったじゃないか。親御さんが心配しないなら、一週間大歓迎だよ」

 

「マクナくん、いい加減にしろ、ですわあ」

 

「へっ⁉︎ な、なにかっ⁉︎」

 

 むう、と怒る羽咲様。でも、ユキナは、

 

「大丈夫だよ、先輩。マクナくんのそういうところも、全部好きだから。」

 

 ユキナは笑って、

 

「ちゃんと言わなきゃ、マクナくんには伝わらない。だから、はっきり言うよ」

 

 

 ユキナは、マクナにお辞儀をする。そして、

 


「わたしとっ! ずっと、ずーっと、一緒にいてくださいっ!」

 

「…… 大胆ですわ」

「ずっと……」

 

 沈黙が流れる。

 

「ごめんなさい、私、隣の席空けとく。とか言ったけど、やっぱり待てないよっ! マクナくんっ!」

 

「……」

 

 ずっとお辞儀をしているユキナ。

 不安でいっぱいなユキナ。

 泣きそうなほど緊張するユキナ。

 

 マクナは、羽咲様を見る。

 

 羽咲先輩…… 俺のこと、好きなんですか? もし、それが本当なら……

 

 すると、先輩はにっこり笑って。

 

「つべこべ考えずにっ! いい加減、いいかげん……!」

 

 全力で叫んだ。

 

「付き合って下さいっ!!!!!」

 

「「⁉︎」」

 

「ほら、代わりに言ってあげましたわ? これで交際成立ですわ?」

 

 誇らしげな、羽咲先輩。そこには、未練は感じ取れなかった。

 

 

「じゃあ…… ユキナさん…… 俺でよければ、そういうことで」

 

 

 ユキナは顔を上げて

「…… まあ、ちゃんと言って欲しかったけど。でも、ありがとう。こちらこそ、よろしくね! マクナくん!」

 

 でもなあ、俺なんか相手で、いつまで続くかね。

 

「嫌になったら別れて大丈夫だからな」

 

「もうっ!」

「…… さいてーですわ」

 

 またもや地雷を踏んづけた俺だった。

おめでとう、ユキナ!


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