ただいまっ!アマミ先生!
アマミ先生!久しぶり!
「はい、一週間お疲れ様! で、どうだった?」
マクナと羽咲様を交互に見つめるアマミ先生。
「はい、非常に有意義な時間を過ごしましたわ」
「同じくです」
「ゆーいぎ、な時間ねえ」
アマミ先生は、ふうん、という口調で。
「で、マクナくんはちゃんと告白したの?」
「⁉︎」
なぜそれを……
「だって、正門前にうずくまってる子がいて、騒ぎになってたんだもん。心配で事情を聞いた警備員さんから聞いたんだ」
「その子はね、『私っ! わたしっ! マクナくんと付き合えましたあ!』 って、大層喜んでたそうだよ」
「マジですか……」
「マジだよー、もう職員室は大騒ぎ。あの真面目な朴念仁が、女の子に告白するなんてって」
なんか、微妙にズレてる気がする……
まだ、好きとは言ったが、付き合ってはいないような……
「でもね、私の予想は外れちゃったみたい」
ふふっ、と笑ったアマミ先生。
「別に良かったのよ? 羽咲ちゃん、もしくはあの子と、一日旅行延長してても」
「…… え?」
「ちゃんと一週間で帰って来ちゃって……、レポートは来週提出だよ? だってそうじゃない。調査後にまとめる時間が無いと」
たしかに……。
「たしかにですわっ! よくもマクナくん……」
まずい、俺の飛行機熱弁は、無駄だったのか……?
むすっと不機嫌になる羽咲様。
「わたくしは、もっとマクナくんとお泊まりしたかったですわ!」
「ちょっと! 誤解を招く発言はしないで下さい!」
「あらあら、マクナくん?」
「違いますからっ! そうですよねっ! 先輩!」
まあ、正直、ユキナちゃんともう少し一緒にいたかったが、あ、やばい。
「ああ、残念ですわあ。わたくし、すっかり負けヒロインになってしまいましたわあ」
先輩の目がこわい。
「ほーんと、マクナくんは正直すぎですわあ」
「すみませんでしたー!」
すると、アマミ先生が。
「えっ! えっ! 羽咲ちゃん、マクナくんのこと好きだったのっ⁉︎」
「⁉︎ ち、違いますわっ! 断じて年下になどっ、この首席のわたくしがっ!」
「あれー? どうしてそんなに慌ててるの? ふふっ?」
「違いますからあ……」
頬を真っ赤に染めた羽咲様。
「大丈夫だよ。どんな真面目なお嬢様でも、初恋くらいはあるさ」
「うう…… だから、違いますの」
ここでマクナが爆弾を落とす。
「ああ、俺先輩のこと好きですよ」
「「⁉︎」」
「ん? どうしました? そんな二人して震えて」
「信じられませんわ……」
「告白から一時間で浮気発覚……」
「「最低!」」
「ええ! どうしてですかっ! 俺は、先輩の鈍行一筋の信条に、憧れたんですよ⁉︎ カッコいいって……」
「あー、そういう『好き』ねー。なら良かった」
「良かったですわ…… でも、」
羽咲様は思いっきり叫ぶ。
「言い方を考えなさいっ! この鈍感男!」
「すみませんでしたー!」
本日二回目の謝罪をした俺であった。
何が悪いのか分からないが。
もしかしたら、分からないのが悪いのかもしれない。
「じゃあ、結局どうするの? もうレポート受理しちゃっていいの? まだ一週間あるよ」
「はっ、そう、そうですわっ!」
「そうだった、どうします? 先輩」
俺としては、どっちでも良かったが。
先輩の答えは決まってるだろう。
「じゃあ、やりますっ! 一週間、頑張りますっ!」
「よろしい! 正攻法で勝利を掴みなさいっ!」
アマミ先生はなぜか勇ましく。
「ウチの首席は、恋も課題も、全勝しなきゃ!」
高らかに送り出した。
で、先輩、俺のこと好きなの?
ありがとうございました!




