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学園の鈍行令嬢たちは、新幹線を認めない!  作者: 利根きぬ
さすがの社長令嬢様!!
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22/37

まじでどうやって行くの。ここ福岡から北の大地へ。

お嬢様あ…… どんだけお金持ち………

「博多ですわー」

「博多だねえ」

 下関から普通列車を乗り継ぎ数時間。

 俺たちはついに九州地方、博多まで来ていた。

 

 午前中はいろいろあった。

 

 俺は、ユキナが好きだった。諏訪結姫奈のことが好きだった。

 いつから、ははっきり分からない。ただ、中学の頃から、好きだった。

 

 しかし、俺は一切なにもしない。

 

 理由は簡単だ。社長令嬢が俺を好きになるわけない。

 ただそれだけだ。

 それに、最近もう一つ理由が増えた。それは。

 

「羽咲様、との楽しき旅行……」

 

 時に振り回されるし、時に座ってるのがキツくなる。逃げ出したりもした。 それでも、俺はこの旅行は好きだ。

 

 やっぱり、明るくて、優しい大切な仲間たちと旅行するのは、楽しいから。

 

 だから、俺からの好意は、成り立つことはないのだ。

 でも…… 最強朴念仁の俺でも、なんか近ごろ違和感を覚えてきている。

 

 みんな経験するのだろうか。この思いは。

「ひょっとして、あの子は俺のこと……」

 

「ラーメンですわー」

 ……やばい、三杯奢ろうイベントのトラウマがっ……

「どしたの? マクナくん?」

 ユキナが不思議そうに覗き込む。

 ショートカットが揺れて、大きな瞳で見つめる姿は、とても可愛らしい。

 そうか、ユキナは先輩の、浜松駅での号泣事件も知らないのか。

 あの時は「ちーとつーる」を使っていたユキナ。

 

 ん?「チートといえば……」

「「何ですのっ!!」」

 やばい。社長令嬢二人が気づいた。

「いや、違うんだ。そこのイタリアンのチーズが……」

「へえ、随分と速そうなチーズだね」

「へえ、ずいぶんと高額なチーズですわ」

「いやだから、新幹線じゃないって」

 

「え、誰が新幹線なんて言いまして? もしかしてマクナくん、まさか……」

「あー、これは重罪だねえ」

「鈍行の刑が必要ですわあ」

 許してください。

 

「そっ! それより! 調査! 嬉野温泉で調査をして、先輩たちと良い成績を取りたいが故に、新幹線をっ!」

「へえ、マクナくんが大層自分で素晴らしくまとめてくれてないの?」

 うう、そんなこと言った気がする。

 俺がちゃんと旅行をまとめてるから大丈夫って。

「だから、いくら嬉野温泉が素晴らしくても、マクナくんは別件で有罪ですわ」

「有罪だね」

 そうして、俺は二人が福岡観光をする間、嬉野豆腐のお使いを頼まれたのであった。

 ん? ちょっと待て、今何日目だ?

 一日目は、東京から移動して、有馬に泊まった。

 二日目は、甲子園見て、もう一回有馬。

 三日目は、松山で野球見て、今治宿泊。

 四日目は、海を渡って廿日市の宮島。

 で、五日目の岩国とか博多とか、今日に至るのか。

 ああ、明後日でこの鈍行も一旦終わりか。

 

「ああ、どうしよっかなあ」

「ん? どうしまして?」

「いえ、最終日どこ行こうかなって思いまして」

「ああ、北海道ですわ」

 そうか、北海道か。

 

 え、どうやって行くの?

 

「え、どうやって行くんですか?」

「マクナくん、それは言えませんわ」

「ええ……」

 まじでどうやって行くんだろう。鈍行で間に合うわけないのに。

 第一、八日目朝には、アマミ先生にレポートを提出しなければならない。

 

 もう一度言おう。

 まじでどうやって行くの。

羽咲様「ありがとうですわ!」

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