糸静幕那
朴念仁、糸静マクナの本心とは。
第2章ラストの話です! 次回から旅行再開です!
マクナから放たれた一撃。
「ユキナって好きな人いるの?」
マクナはなんとなく聞いたのだが、ユキナには効果絶大だったようだ。
「…………」
ユキナはマクナを見つめ、固まってしまった。
いつもよりも数倍カッコよくて、優しそうなマクナくん。
「うん…… いるよ……」
思わず正直に答えてしまった。
するとマクナは、驚いた表情で、
「へえ! ユキナって、コイするんだ!」
珍しいものを見た、とばかりに嬉しそうなマクナ。
「ユキナさんって、みんなに優しかったイメージだから、そういうのとは無縁だと思ってたよ」
「あー、そ、そうね」
何とか返した私。というか、
「なんでそんなこと聞いたの?」
「そんなことって?」
「いやだからその…… わたしに…… 好きな人がいるかって……」
「ああ、いや、なんとなく気づいたんだ。髪の毛いじってるから、何か隠してるんじゃ無いかなって」
いや、もっと気づくポイントあっただろうが。
ハグまでしたんだぞ?
でもまあね、
「そう…… マクナくんは、そう思ったんだね。ふふ、正解だよっ私には好きな人がいます、」
少しずつでも、私の気持ちをわかってくれたのは、すごく嬉しい。
「ふふ、とっても幸せそうですよ? ユキナさん?」
「へ⁉︎ 私、そんなニヤけてないからっ!」
ここで、またもや爆弾が投下される。
「ところで、羽咲様は好きな方とかいるんですか?」
何だろう、さっきからマクナくん大胆だよ? 熱でもあるの?
「へ、わ、わたくしっ⁉︎ い、いませんわよっ!」
めっちゃ裏返った声で先輩はぶんぶん首を振った。
するとマクナくんは笑顔で、
「ですよね! 先輩、そういうのと縁なさそうですよね!」
あの裏返った声を本気で信じているのだろう。
「あ…… ええと、そのですわ……」
でも、マクナくんのあの喜びっぷり、もしかして。
マクナくん、本当は気づいていないだけで……
羽咲先輩のことが、好きなのかも。それが恋だと気づいて無いだけで。
一方のマクナは、聞いたことに特に意図はなかった。
ただ、ユキナがそうなら、先輩もそうなのかなって疑問に思っただけだった。
そして、マクナは心の中で想う。
「また嘘ついちゃった…… いい加減素直になりたいな、俺も」
そろそろはっきりさせないとな。
ずっと前から、糸静幕那は、諏訪結姫奈を愛していると。
でも、素直になりたいだけで、素直にはならない。口に出すことはない。このことは墓場まで持っていくつもりだ。
「いつまでも一緒にいたいんだがな。それは俺の願望でしかないからな」
そう自分に言い聞かせた俺だった。
「いつまでも、鈍行に乗っていたい」
さあて、次はどこへ……?
第3章へ




