動き出す物語。ぐるうぷ学習に隠された真実 〜後編〜
「わたくしは、マクナくんに一目惚れしました」
先輩は、真剣な表情で、話を続ける。
「マクナくんが入学するまでの三年間、いや、高校時代から、わたくしは真面目な令嬢でした。でも、」
「でも?」
「マクナくんに一目惚れしてからというもの、今までにない経験で、とっても悩みましたわ」
「……」
「変わるのが怖い、嫌われたらどうしよう、とか思って、毎日眠れませんでした。そんな迷いの時期に、このイベントが来てしまったのです」
「特別ぐるうぷ学習……」
「本来のわたくしなら、同学年の優秀な生徒と組んで、難なく突破していたでしょう、でも、」
先輩はにっこり笑って、
「マクナくんの誘惑には、勝てませんでしたわ」
「そう……」
「マクナくんと、一緒になりたい。大学最後のぐるうぷ学習は、マクナくんと組みたい。そう言った思いが、首席予定のわたくしを窮地に晒しました。そして、二人で北海道でのんびり過ごしたい、とも思ってしまい、身勝手とは知っていましたが……」
羽咲様は後悔するように、
「マクナくんもろとも、北海道に連れて行くために、レポートに本気を出しませんでしたわ……」
先輩はひどく後悔していそうだ。そして、私の乱入も理由のひとつかもしれない。
私がいると、マクナくんが取られちゃうかも、と不安に思ったのかもしれない。
「わたくしは、もう、恋人失格なのですわ。マクナくんのことを考えず、自分の恋心を優先してしまって……」
先輩は、泣き出しそうだ。
昔はそんなじゃなかったのに。楽しかった高校時代から、ずっと優等生だと浮かれていた自分。
だから、わたくしは未熟なまま、ひとの気持ちを知っているつもりで、知れないまま、四年生になってしまったと、後悔する羽咲。
「でも」
ユキナは口を挟まずにはいられなかった。
「私には、マクナくんは、先輩を愛しているように見えます」
「⁉︎ へっ⁉︎」
「別に、マクナくんは決して北海道に行くのが嫌とは限らないんじゃないでしょうか」
「……で、でも」
「もしかしたら、先輩とふたりきりになりたいのかも知れませんよ? 北海道で。まあ、本当かどうかはマクナくんしかわかりません」
「…… そうでしたわ」
先輩とユキナは、見つめ合い。
聞いてみるしか、ありませんね。
そうして、運命の明日が始まる。
ありがとうございました! ちょっと重い展開ですみません!




