プチ野球短編 前編! 〜始球式は羽咲様の父親!?〜
野球短編第2弾は、野球の名所、松山にて!
「松山ですわー」
「ふう、やっとついたあ!」
揃って伸びをする社長令嬢たち。
「ここ、松山は、何の町か知ってらっしゃる?」
「知ってるかな? マクナくん?」
なんだろう……
「温泉?」
「まあそれもあるけど…… やっぱりですわ」
「やっぱりだよね」
「「やっぱり!、野球でしょう!」」
野球だったか。そういえば、ユキナは中学時代、「松山への野球旅行」で頻繁に休んでクラスの話題になっていた気がする。
もちろん俺は話題に参加していないが。
「さあ、スタジアムに向かうよっ!」
松山駅から一駅。市坪駅に来た社長令嬢一行は、大きなスタジアム前に来ていた。
遅いな…… 二人はグッズを買いに行ったっきり、なかなか帰ってこない。
「お待たせー!」
「お待たせですわー!」
緑のユニフォーム姿のお嬢様方が、俺の方を見ていた。
「さあ、決戦の地へ向かいますわよ!」
さあて、今日も勝つといいが。
ユキナの推しのチームは、関東圏を拠点にするチームだ。
ユキナによると、もう好きすぎ子供のころは眠れないことも多々あったとか。
俺も、眠れないほどではないが、結構応援してる球団だ。
「さあ、始まりますわよー」
「今日は平日なのにデーゲームなんですね」
「ええ、何ででしょうね?」
「そういえば、何でだろう?」
すると、始球式が始まった。
「本日のピッチャーは、株式会社、神栖川グループの代表取締役! 神栖側翔太さんです!」
「はあああああ! わたくしのお父様ですわああああああ!」
「えっ! お父さん始球式するのっ⁉︎」
羽咲様は、慌ててスマホの着信履歴を見る。
そこには……
「お父さん、頑張っちゃうぜ」
「……」
沈黙した羽咲様だったが、お父さんはワインドアップの豪快フォームから、
「投げたっ! ひゃ、百三十キロ!」
「えええええええ! 先輩のお父さん! 野球経験者⁉︎」
「いえ、先月わたくしが野球が好きなのがバレて、それっきりみっちりトレーニングしてるだけで……」
「でも、わずかひと月で百三十キロ…… お父さんすごいね」
「ええ、ちょっと…… かっこいいですわ」
羽咲様は、困りながらも、嬉しそうだった。
「さあ始まります! 神栖川グループプライズの、松山開催の試合! プレーボールです!」
「カンムリ試合かあ、うちの財閥も負けてられないね……」
何やら不穏なことを言い出すもう一人の社長令嬢。
「というか…… マクナくんは、羽咲先輩と結婚するとき、あのお父さんに挨拶するのかあ」
ユキナは密かに思うのであった。
「さあ、準備は整いましたわ!」
「うん! 準備万端だね!」
さて、何の準備が完了したのだろうか……
ありがとうございます!後編をお楽しみに!




