第五章 危機
GGS治験の大ピンチです。ミユキは一案を実行しますが・・・
「これが応募の少ない原因なのかな。」
末永がため息をつきながら言った。
薫は、怒りに震えていた。なぜこんな投稿が出ているのか。
「とりあえず、理事長に報告しましょう。」
末永はそう言って理事長室に向かった。薫も後を追った。
ミユキも投稿されたものを見て驚いていた。全く根拠のないものばかりだった。
「どうしましょうか?法的に訴えますか?」
末永はミユキに聞いた。
「裁判は長引くし、それでうわさが撤回できるかどうかもわからない。」
ミユキはしばらく考えて、
「私がGGSを使う動画を流して安全性を証明します。」
二人は驚いたが、
「提供する側としては、いずれは自分たちも使わないといけないでしょう。時期が早まるだけです。私が躊躇するなら噂は本当だと言ってしまうことになります。」
そう言って、二人を一蹴した。
翌日、ミユキがGGSを使う動画が拡散された。テレビニュースでも放送された。しかし、結果は最悪だった。
「ゆうぐれなあす財団はCG動画で国民をだまして金儲けを企んでいる」
「実際には使っていなくてもCGを使えばなんでもできる」
そういう投稿が増えてきた。
薫は、いたたまれなくなり藤田にメールをした。「今晩会ってほしい。いつものあの店で」
藤田はメールを受け取ると、ただならぬ様子だと察知して、すぐに了解のメールを返信した。
約束した時間に藤田が件の焼鳥屋に着くとすでに薫は座っていた。
「またせちゃったね。」
藤田がそういっても、薫は返事をしなかった。
「とりあえず、生中二つと、焼き鳥盛り合わせをもらおうか。」
藤田が気を利かせて注文して、薫に何があったか聞こうとした。薫は何も言わずにスマホを差し出した。そこには誹謗中傷の書かれた匿名掲示板の画面があった。
「これはひどい・・・」
ビールが来て、一気に飲み干すと少しは落ち着いたのか、薫はぽつりぽつりと今までのことを話した。
「もう私どうしていいのかわからなくて。」
二杯目のビールを飲み干すとうつむいて泣き出してしまった。
「こんなのは、すぐに鎮静化するさ。」
藤田も根拠のない励ましを言うのが精いっぱいだった。
その後も薫は泣きながらビールを立て続けに飲んで、つぶれてしまった。
藤田はどうすることもできなくなったので、タクシーを呼んで薫の家まで行った。
薫をいったんたたき起こして鍵だけは開けさせ、そのままベッドに寝かせた。
薫は気持ちよさそうに寝ている。
「無防備な奴だな、こいつは。」
藤田はそう言って、薫の寝顔を眺めていた。
「さすがに着替えは無理だ。」
そう言って布団をかけようとしたら、薫の目に涙が出てきたことに気づいた。
「こいつをこんなに悲しませるやつを許すわけにはいかない。」
そう言って、薫の額に軽くキスをして薫の家を後にした。
薫の力ではどうしようもできないです。
しかし、藤田の怒りに火が付きました。藤田はよい対策方法を持ってるのでしょうか。




