表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
座敷牢の花嫁  作者: 豆狸
蛇ルート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/31

1・黒い影

 あなたは黒い影のことを青年に告げなかった。


「食事はちゃんと三食届けます。毎晩(タライ)にお湯を入れて持ってきますので、身体はそちらで洗ってください。お手洗いは衝立(ついたて)の向こうです。絶食なんてしないでくださいね。もっとも僕達の婚礼は三日後の夜です。あなたが体調を崩す前にすべては終わりますので、病気になって外へ出ようなんて愚かなことは考えないでください。……なにか質問はありますか?」


 青年に聞かれて、あなたは答えた。


「……私の名前は?」


 青年が微笑む。


「さあ? 残念ですが僕も存じ上げません。お聞きする前にこういうことになってしまったので。ほかに質問はありませんか?」


 どういうことなのだろう。あなたはべつの質問をしてみることにした。


「では、あなたの名前は?」


 少し間があって、青年は悲しげな表情で答えた。


「一郎です。……今のところは」


 そこで、どこからともなく柱時計の鳴る音が響いてきた。


「申し訳ありません。母の薬の時間です」


 彼は出て行った。

 扉が閉まり、鍵をかける重い金属音が聞こえてくる。

 これからどうしたら良いのだろうか、あなたは思いながら立ち上がり、座敷牢の奥の壁にある窓を開けた。


 内開きの窓の外にも鉄格子がある。

 どうやらここは山の中らしい。

 葉の落ちた寂しい木々に囲まれていた。人の声や車の走る音は聞こえてこない。冬の冷たい風が吹きつけてくる。


 あなたは――


寒さを心地良く思った。→2へ

寒いので窓を閉めた。→3へ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ