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座敷牢の花嫁  作者: 豆狸
蜘蛛ルート

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13/31

12・合コン

 一郎はネットを利用して、株式でかなり稼いでいた。

 千年以上生きているあなたの旦那様と違い、考え方が柔軟で新しいものを受け入れることに抵抗がなかったのだろう。

 あなたと旦那様が口添えしたのと、一郎自身が資産を退魔師協会に全額寄付したことで、彼は数年で罪を償うことができた。どんな業界も金次第なのである。


 そして、今日は彼を招いてあなた主催の合コンがおこなわれている。

 この数年の間に生まれた子どもを友達に預けて、あなたと旦那様は幹事として合コンを盛り上げていた。

 旦那様があなたを助け出しに来たときに感情が芽生えた一郎は、今日は最初から鼻の下を伸ばした状態だった。合コン相手がお気に召したらしい。


 ――やがて、一郎はひとりの女性と姿を消した。


「旦那様」

「……ああ」

「一郎さんと一緒に出て行ったの、蜘蛛妖怪の女性ですよね?」

「うむ。……我の妹の孫だ」

「犯罪妖怪ではないし、妖怪の退魔師として真面目に働いてらっしゃる方だけど……一郎さんって人間の花嫁を求めて人間界に来たんですよね?」

「人間の花嫁というより……たぶん同族(蜘蛛妖怪)との結婚が嫌だったのだと思うぞ」

「ですよね……」


 退魔師として犯罪妖怪と渡り合ってきて、蜘蛛妖怪の旦那様を持つあなたは知っていた。

 蜘蛛妖怪の特殊な結婚形態を。

 その特殊な結婚形態は生まれながらの生態であり守るべき文化であると見做されていて、結婚後の女性蜘蛛妖怪が罪に問われることはない。


「まあ妹の孫の父親は人間だから、半分人間と言えぬこともないからな」

「そうですね。ほかの方もお相手が見つかったみたいだし、子どもも心配だから、そろそろお開きにしましょうか」

「そうだな!」


 その後、あなたと旦那様は家に帰って子どもの寝顔を見ながら、互いに似てると言い合って幸せな夜を過ごした。

 一郎とは、それから会っていない。

 旦那様の妹の孫は一郎の血を引く多くの子どもに恵まれて、シンママ退魔師として頑張っている。


【合コンの果てにエンド】

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