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Re:BRAVE・ZERO  作者: 竜崎
少年期・英雄アカデミー編
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06「孤独と痛みを知る者」

 (なぞ)集団(しゅうだん)に連れ去られた少年、剣崎勇樹(けんざきゆうき)捜索(そうさく)する為、ヘンリー国王は、捜索部隊(そうさくぶたい)編成(へんせい)した。

 しかし、街の近くに黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが出現(しゅつげん)した事によって、事態(じたい)急変(きゅうへん)

 急遽(きゅうきょ)予定(よてい)変更(へんこう)して、黒竜(こくりゅう)を迎え()つ為に、黒竜(こくりゅう)出現(しゅつげん)したとされる現場(げんば)へと向かう。


「はあはあ、(どこに行ったんだ勇樹(ゆうき)?)」

(あせ)るなよ、ランスロット先生!」


 黒竜(こくりゅう)出現(しゅつげん)した場所(げんば)に向かいながら二人で、行方不明(ゆくえふめい)になった少年、勇樹(ゆうき)を探す、ランスロット先生とニール先生。

 (あせ)りを感じつつも、可能(かのう)(かぎ)り急いで、現場(げんば)へと向かう。


「くっ…」


 ランスロットは、ヘンリー国王からの言葉(ことば)を思い出していた。


 ~ランスロットの回想(かいそう)


「ランスロットよ、勇樹(ゆうき)は親の愛情(あいじょう)を知らず、国の者からは、あの()()の事で(けむ)たがられる!――だから、人の気を引く為にいたずらをするしか無かったのじゃ!――どんな形であれ、自分の存在価値(そんざいかち)を認めて欲しかったんじゃよ?――強がってはいるが、辛いのは勇樹(ゆうき)の方じゃ!」


「急ぎましょう、ニール先生!」

「ええ!」


 ~王宮(おうきゅう)ヴィクトリアキャッスルの王の間にて~


「(あの顔に傷のある男が、勇樹(ゆうき)に、自分自身が、あの黒竜(こくりゅう)だと伝わってしまったか――ランスロットやニールに託すしかないか?)」


 水晶玉(すいしょうだま)で、外の様子(ようす)を見る、ヘンリー国王。


 ~街の近くの廃墟(はいきょ)にて~


「「「「「ガオォォォン!!」」」」」


 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが、街に向かって進行(しんこう)していた。

 そこへ、謎の女が現れた。

 真紅(しんく)(ひとみ)と、(つや)やかな赤い(かみ)(なび)かせ、白い肌を月夜(つきよ)に照らす。

 不敵(ふてき)な笑みを浮かべながら、遠く(はな)れた場所(ばしょ)から黒竜(こくりゅう)(なが)めている。


「あら?――予定(よてい)より早いわね?――あの男、仕事(しごと)は出来るようね?――でも、食べられちゃったみたいね?――可哀想(かわいそう)に」


 そこへ、黒竜(こくりゅう)を止める為に、いち早く現場(げんば)に辿り着いた、二人の男。

 ランスロット先生とニール先生。


間違(まちが)いない、あれは、黒竜(こくりゅう)だ!――間に合わなかったのか…くそ!」

「ランスロット先生!――諦めるな!」


 ニール先生が、ランスロット先生の(ほほ)を叩く。


「ニール先生?」

「ランスロット先生が、勇樹(ゆうき)君を助けるんだろ?――お前が助けずに誰が助けるんだ!!」


 ニール先生の言葉(ことば)に、はっ、と我に帰り。

 今度は、自分で自分自身の(ほほ)を叩く。


「(そうだよな、俺がアイツを助けてやるんだ!)」


 決意(けつい)()ちた目と顔になる。

 黒竜(こくりゅう)に近付こうとする。

 しかし、それを妨害(ぼうがい)するかのように、魔物(まもの)が、まるでタイミングを合わせたかのように出現(しゅつげん)した。


余計(よけい)な事をしないで欲しいわね?――せっかく目覚(めざ)めた、黒竜(こくりゅう)は、そのまま(あば)れさせたいもの」


 謎の女が、魔物(まもの)を引き連れて、二人の前方(ぜんぽう)に立ち(ふさ)がる。


「くっ…何者(なにもの)だ?」

「ランスロット先生!――行って下さい!――ここは、俺が引き受けます!」

「しかし!――ニール先生お一人では?」

「俺なら、一人で大丈夫です!早く勇樹(ゆうき)君を迎えに行ってあげて下さい!」


 ニール先生が、攻撃魔法(こうげきまほう)で、前方(ぜんぽう)出現(しゅつげん)した魔物(まもの)()れを攻撃(こうげき)して、(みち)を切り開く。


「今のうちです!――ランスロット先生!――勇樹(ゆうき)君を!」

「ニール先生!――ありがとうございます!」


 ニール先生の攻撃魔法(こうげきまほう)の援護も受けながら、黒竜(こくりゅう)の元に向かう、ランスロット先生。

 謎の女が立ち(ふさ)がろうと、前に出ようとするが、ニール先生が、その謎の女の前に出る。


「行かせるとおもってんの?」

「お前の相手は、俺だ!――(頼んだぞ?ランスロット先生!)」

「いいわよ?――可愛がってあげるわ!」


 ~黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが出現(しゅつげん)した場所(ばしょ)


「はあはあ…、(くっ…勇樹(ゆうき)!やっと辿り着いたぞ!)」

《なんだ、人間!――我に用があるのかな?》


 ランスロット先生が、たった一人で、黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンの前に辿り着く。

 黒竜(こくりゅう)は、不敵(ふてき)な笑みを浮かべながら、ランスロット先生を見下ろしている。


「すー、勇樹(ゆうき)!――その黒竜(こくりゅう)の中にいるんだろ?――早く出てこい?――そんなところに居ないで、一緒に帰るぞ!!」


 一度、息を吸ってから、黒竜(こくりゅう)に向かって、少年、勇樹(ゆうき)に向かって、大声で呼ぶ。


《フフフ、無駄(むだ)よ?――我が目覚(めざ)めた以上は、()の者の意識(いしき)は、無い!》

「うるさい!――勇樹(ゆうき)!――ごめんな、先生は、お前の事を、何も分かっていなかったんだ!――俺は、お前に強くなって欲しかったんだよ?――勇樹(ゆうき)!――お前の夢は、英雄(えいゆう)に、勇者(ゆうしゃ)になる事だろう!!――そんなヤツに負けていいのか?――お前は、もっと強い男の筈だろ!!」


 大声を張り上げて、声が届くかも分からない、少年、勇樹(ゆうき)に向かって、強い意思(いし)で自分の正直(しょうじき)な気持ちを伝える。


無駄(むだ)と言うのが、分か…》

《先生、ランスロット先生!》

《何!?――バカな?》


 声が届いたのか、黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンの念話(ねんわ)を、(さえぎ)るように、少年、勇樹(ゆうき)の気持ちなのか、言葉(ことば)なのか、が念話(ねんわ)を通して、ランスロット先生に届く。


勇樹(ゆうき)!?――聞こえるか?――」

《先生、ごめんなさい、俺、弱いのに調子(ちょうし)に乗っちゃったから》

「いいんだ…そんな事は、お前が無事(ぶじ)ならそれでいい」

《先生…》

《この!――調子(ちょうし)に乗るな!――》


 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが、少年、勇樹(ゆうき)言葉(ことば)に割り込むように、再び妨害(ぼうがい)して現れる。

 その時、黒竜(こくりゅう)(あば)れた拍子(ひょうし)に、ランスロット先生に、黒竜(こくりゅう)尻尾(しっぽ)命中(めいちゅう)してしまった。


「ぐ、……」

《先生!?――》

「だ、大丈夫だ、勇樹(ゆうき)…かはっ!」


 その黒竜(こくりゅう)尻尾(しっぽ)にしがみ付く。

 が、攻撃(こうげき)を受けた(さい)にダメージを負う。


《な、何で?――俺にそこまで?》

「お、同じだからさ…」


 ランスロットの子供時代(こどもじだい)を思い出しながら。

 ランスロット視点(してん)で語り始める。


両親(りょうしん)が死んでから、誰も俺の事を(ほめ)めたり、(みと)めてくれる人が居なくなっちまった…」

「出来が悪かった俺は、よくバカをやった!――人の気を引き付けたかったから、優秀(ゆうしゅう)な方で人の気を引け無かったから…ずっとバカやってたんだ…」


「苦しかった…グス(泣きながら)…そうだよな、勇樹(ゆうき)、寂しかったんだよな?――苦しかったんだよな?――ごめんな勇樹(ゆうき)…俺がもっとしっかりしてりゃ、こんな思いをさせずに済んだのに…」


《フフフ…笑わせるわ!――お前がいくら語り掛けようとも無駄(むだ)だ!――コヤツも我と同じ化物(ばけもの)なのだ!》

《……》


 黒竜(こくりゅう)の中から、ランスロット先生の話に耳を(かまむ)ける、少年、勇樹(ゆうき)


「ああそうだな」

《ッ!?――(やっぱり、そうなんだ、ランスロット先生も、本当は俺の事、(みと)めてねぇんだ!)》


化物(ばけもの)ならな?――けど、勇樹(ゆうき)は違う!――アイツは、この俺が認めた優秀(ゆうしゅう)英雄(えいゆう)だ!――努力家(どりょくか)で、一途(いちず)で、そのくせ不器用(ぶきよう)で…、誰からも(みと)めてもらえなくて――アイツは人の苦しみを知っている!――アイツは化物なんかじゃ無い!――この英雄都市(えいゆうとし)剣崎勇樹(けんざきゆうき)だ!」

《…くっ…(泣きながら)》


《お遊びは終わりだ!》


 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが、ランスロット先生を殺そうと、爪で切り裂こうと攻撃(こうげき)をする。


「これまでか…」

《うわぁぁぁ!――ランスロット先生に手を出すな!!》

《何!?――バカな?――うおぉぉぉ!!》


 それをさせまいと、少年、勇樹(ゆうき)渾身(こんしん)の力を()(しぼ)り、黒竜(こくりゅう)の力を抑え込み。

 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが、(ちぢ)んで行く。

 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンの姿が元に戻って、少年、勇樹(ゆうき)の姿に戻る。


「にひっ!――ランスロット先生?――大丈夫か?」

「ああ、(――まったく人騒(ひとさわ)がせなヤツだな?)」


 黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンの力を抑え込み、元の姿に戻った、少年、勇樹(ゆうき)が、ニコっと微笑(ほほえ)む。

 負傷(ふしょう)した、ランスロット先生の元へと、()()って、声を掛ける。


勇樹(ゆうき)、ちょっとこっちに来い!――お前に渡したい物がある」

「ん?」


 ~黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが出現(しゅつげん)した場所(ばしょ)から近くの廃墟(はいきょ)にて~


「どうやら、終わっちゃったみたいね?――勝負(しょうぶ)は、またの機会(きかい)に取って()きましょうか?――お互いに、これ以上の戦いは無意味(むいみ)だわ?」

「そうだな」


 謎の女が、出現させた魔物(まもの)を盾に使って爆発させて、逃亡する。

 ニール先生が、座り込む。


「帰ってくれて良かったぜ?――こっちもギリギリだったからな?――ランスロット先生は、上手くやったみたいだな?」


 ~英雄都市(えいゆうとし)ヴィクトリアマジェスティ~


勇樹(ゆうき)は、見つからなかったか?」

「それより黒竜(こくりゅう)は?」


 英雄都市(えいゆうとし)入口付近(いりぐちふきん)で、(さわ)ぎ始める、騎士団(しきだん)近衛兵(このえへい)冒険者(ぼうけんしゃ)たち。

 そこへ、ヘンリー国王が来て。


「もう心配する事は無い!――もうじき帰って来るじゃろう」


 ~黒竜(こくりゅう)ブラックドラゴンが出現(しゅつげん)した場所(ばしょ)


「先生?――まだ?」

「よし、もう目を開けていいぞ!」


 少年、勇樹(ゆうき)が、目を開けると、自分自身の胸の服に、バッチが付けてあった。

 それは、英雄(えいゆう)アカデミーの卒業(そつぎょう)(あかし)として、もらう事が出来る物だ。


卒業(そつぎょう)、おめでとう」

「……」

「よし、卒業祝(そつぎょういわ)いだ!(めし)(おご)ってやるぞ?」

「ランスロット先生ー!!」

「があぁぁ、痛ぇよ」


 少年、勇樹(ゆうき)が、嬉しさのあまりに、ランスロット先生に抱き付く。

 ランスロット先生は、黒竜(こくりゅう)との戦いによるダメージが残っていて、痛みを訴えるが、その顔は穏やかで、嬉しそうだ。


「(勇樹(ゆうき)英雄(えいゆう)にとって大変(たいへん)なのは、これからだって、説教(せっきょう)してやるつもりだったが――それは、(めし)を食う時まで我慢(がまん)しといてやるか?)」

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