11「勇樹の家での日常」
夜明けを迎え、今日も新しい朝がやって来た。
曇りや雲一つ無い、青空、気温も良好、小鳥の囀りも聞こえる、良い天気だ。
ここは、少年、剣崎勇樹が一人で住んでいるアパートである。
住む為に必要なお金や手続きは、全てヘンリー国王陛下の命令で、少年、勇樹の代わりに行うようにされている。
毎月のお小遣いや生活費も、国や王宮から支給されており、最低限の衣服や食料も配給されている。
ヘンリー国王陛下直々からも、支給や配給などの世話をする事もあり、自身の家で使わなくなった物や食べ物を仕送りしたり、直接届けたりしている。
「ふわぁぁ、あぁぁぁ!(大きなあくびと伸びをする声)」
剣崎勇樹が住む部屋で、朝を迎えたので、彼は起床した。
ベッドから起きて、パジャマ用の帽子を脱いで、ベッドに放り投げる。
洗面所で顔を洗って、歯を磨く――少し眠そうだ。
「うーん?…」
暦のカレンダーを確認すると、9月10日に丸印が付けてあるのが見える。
こう書かれている『朝の午前9時から説明会』と。
「にひひひ!」
すると、嬉しそうに微笑む。
部屋にある、柱時計で時間を確認してから。
朝食を自分で用意して、食べる。
「いただきます!」
両手を合わせて、合掌の構えをしてから、食べ始めた。
今日の朝御飯のメニューは、パンとスープとサラダとお肉と卵焼き。
パンは、自分で買う場合もあるが、ほとんどパン屋のオジさん『プロローグから参照』から、無料でもらえるので、家にストックがある――無くなれば、パン屋のオジさんから、好きなパンを山ほどもらえるのだ。
肉とタマゴは、肉屋のオジさんから、無料でもらえる。
タマゴが買えなくても、肉屋のオジさんを介せば入手可能。
肉屋のオジさんもパン屋のオジさん同様に、勇樹には、とても優しいのだ。
スープと卵焼きとサラダは、肉屋の女将さんからの手作りで、前日に肉屋の家で、食べたりもらう事もある。
たまに、作りに来てくれたり、食べに行く事もある程。
誕生日などの、特別な日には、ケーキを毎回用意して祝ってくれる事もある。
女将さんは、勇樹を我が子同然に可愛がってくれるのだ。
勇樹も料理の手作りも出来る。
自分の事は、自分でしないといけない立場でもあるので、最低限の料理の知識はある。
肉屋の女将さんからも、教えてもらっていて――料理の腕前は、子供にしてプロ顔負けである。
肉料理は、勇樹の手作りである。
「モグモグムシャムシャ、やっぱり飯は旨いな!――特に、肉屋の女将さんの手料理は、相変わらず旨い!」
デザートに、肉屋の女将さんお手製の手作りプリンを食べる。
「今日は、特別な日だからな!――朝から食べちゃお!――うん、旨い!――ぷはー、ごちそうさまでした!」
締めのホットミルクを飲み干して、再び、両手を合わせて、合掌の構えで食べ終わる。
使った食器を、洗って、拭いて、片付ける。
「うーん…」
朝食を済ませ、パジャマをから、英雄用のジャケット(新品)に着替えて、大きな鏡の前で、身だしなみをチェックしている。
英雄用のジャケットとは、英雄アカデミーに通っている生徒全員に、無料で配給される物。
それを着て、英雄アカデミーを卒業した卒業生は、その英雄用のジャケットを着て、任務などに向かうのだ。
もちろん、自分が好きなデザインの英雄用のジャケットもあり、オーダーメイドで作ってもらう事も可能。
古い方の英雄用のジャケットは、黒竜出現の際『05「解き放つ黒き竜」参照』に、着ていた英雄用のジャケットが破けてしまったので、新しく新調したのだ。
「ん?…」
身だしなみを整えてチェックしている時に、机の上に、置いてある英雄の紋章付きのバッチ『02「見参!剣崎勇樹」を参照』を見て。
そのバッチを手で掴んで、持ち上げて眺める。
「フフ、フフン!」
ご満悦な、少年、勇樹だった。




