人は見かけによらない
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翌日、わたくし達はまだ眠っている皆様へ眠りの魔術を再度かけなおす。
そもそも一旦ランゲージ家を訪れたのも、翌日には討伐に向かうと言うのにアルコール類を提供したのも全ては彼ら彼女らをここへ置いていくためである。
ここの敷地内であればわたくしというカギが無い限りは魔獣であろうともある一定数以上の魔力を持つものは侵入できない為、侵入できるのは小動物や昆虫等であり、まず安全だろう。
この魔王討伐であるのだがわたくしが蒔いた種であると薄々感づいていた為、せっかく招集してくれたのは有難いと思うのだが、万が一わたくしのせいで命を落としたとかなれば、わたくしは耐えられそうにない為今回この様な騙す様な作戦を取った。
「もう行くのかの?」
そして、いまから招集した者たちを置いて魔王討伐へ向かおうとしたその時、宮廷魔術師であるローレンに声をかけられる。
どうやらわたくしたちの作戦はローレンに全てバレており、しっかりと対策を施されていたみたいである。
行動や言動には目に余るものが多いのだが、腐っても宮廷魔術師としての実力だけはあるという事であろう。
実力以外はただの女の趣味が悪いスケベ爺なのだから人は見かけによらないものである。
「そうですわね。わたくしせいでこうなってしまったのであればわたくしがこの問題を解決するのが筋ですわ。関係の無い者達まで巻き込んで問題を解決すると言うのは少しだけ抵抗がございましたもので。言うなればこれはわたくしの我儘ですわ。しかし、わたくし達の作戦を知っていながら罠に嵌められ殺されるのではとは思わなかったのですの?」
そして恐らくローレンがこの作戦を知ったのは帝国にいた時であろう。
にもかかわらずわたくし達についてきて、そして大人しく睡眠の魔術にかかったふりをしていた。
皆に事前に説明する事も、昨日の晩起こす事も、流石に魔王討伐の前日にアルコール類を出すのはどうかと指摘する事も出来たのである。
その考えが少しだけ気になった為わたくしは本人であるローレンへ聞いてみる。
「答えは簡単じゃよ、お嬢ちゃん。まず君たちはやろうと思えば帝国についた瞬間に別の魔王が王国を手に入れた様に帝国もその圧倒的なまでの強さであらゆるものをまるで羽虫を叩くかの如くいとも簡単にできたのであろうにそれをせず、更には王国に現れた魔王の討伐をするというではないか。そしてもう一つはここにいれば楽ができ、何もせずとも魔王殺しの異名が得られると思ったからじゃよ」




