嫌な予感
そしてわたくしは家の設備の説明を皆に一通りしていく。
と言っても母屋では無く離れ建物であり来客用の建物なのでそこにある物は基本的に好きに使ってもらって良い物ばかりなので最悪盗まれたとしてもランゲージ家としては痛くも痒くもない。
ただ盗んだ側には盗んだ事により獲れる一時凌ぎ程度のお金が得れるか、万が一バレた場合ランゲージ家のその人に対する印象は最悪なものになるというデメリットがあるだけだ。
つまるところ好きにつかても良いいという旨を説明を終えるとマオは「コレ死人が出るペンションにしか見えないのだが。高校生探偵とかが登場するイメージしか沸かない」とぶつくさと言っているのだが、何の事を言っているのかいまいち分からない。
マオはこの様に時たま自分の世界に入りわたくしには分からない様な事をぶつくさと言っている(自分の世界に入り込んでいるマオもカッコいい)のでいつかわたくしもその独り言が分かり、独り言では無くわたくしとの会話へと昇華させたいと思っていたりするのだがいかせん独り言を言う時のマオは聞いた事もない未知の言語を多用するため前後の文脈でそれが何かを推理するしか無いのだが未だに一つとて解読できていないのが歯痒く思ってしまう。
そんな事を思いながら皆と集まりゆっくりと食事が取れる最後の日の晩餐を堪能しつつワインも空けたりして皆と会話に花を咲かせる。
ある者達は魔王討伐が終わると現役を引退して早い隠居生活(約一名年相応、なんなら遅過ぎるくらいの者もいるのだが)を始めると言い、マオは「セミリタイアとか裏山」と言う
ある者はコレで生きて帰れれば冒険者として箔がつくと意気込んでいおり、マオは「そして初めて転生者がギルドに訪れた時に喧嘩吹っ掛けてボコされそう」と言う。
ある者はこの討伐依頼が終わったら田舎に帰り婚約者と結婚すると言い、マオは「完全に死亡フラグじゃんそれ」と言う。
正直言って通訳が欲しいと思ってしまうのだが、一つ一つ分からない事をマオに聞いて行き地道に覚えて行くしか無いのかもしれない。
そんなこんなで酒も入り皆それぞれ良い感じに酔い始めた時、マオが一人外へ出て行くのが見えた為わたくしもマオを追いかけて外へと出る。
「どうしたんですの?」
「あぁ、ちょっと夜風に当たりたくなってな」
そう言うマオはどこか悲しそうな表情をしていたのが、わたくしにとってはとても印象的で、それと同時に何故か嫌な予感を感じとるのであった。




