優越感も無きにしもあらず
今現在竜化したマオに乗せられて私達は王国へと空の旅を楽しんでいる。
因みにマオにより外気温が二十六度、更に無風状態とかなり過ごしやすい環境を維持してくれているのだがそれはそれで空の旅の醍醐味が無いと言う男性陣グループと、セットした髪が崩れてしまうという女性陣と過ごしやすい方が良いという老人との二グループによる対立が出来ておりマオは女性陣の意見を尊重してくれたみたいである。
因みにわたくしも空の旅の醍醐味を味わいたいと思わない訳ではないのだが、折角セットした巻き髪が崩れてしまう方が嫌だと思ってしまう。
マオの前では常に美しいわたくしでいたいですもの。
それに、実はわたくしのレベル上げと聖女というジョブ取得の為に帝国中を竜化したマオで飛び回っており、その時に一度全てを解除して頂いたのだが突風と外気温の寒さとで死ぬかという思いを一度味わっているのは秘密である。
どうせ空の旅を味わうのならばそこそこの高さで寒くない温度の中、そこそこの速さで心地よい風を感じながら味わいたいのだ。
今でなくても良いだろう。
それにしても竜化したマオもやはり魔族型とは違ったカッコ良さと、チビドラゴンの時には無い可愛らしさがあり、この姿はこの姿でわたくしは好きだったりする。
なんならマオだから好きなだけなのかもしれないのだが、それならそれでマオの良さを知っているのは私だけという優越感も無きにしもあらずと言った感じである。
即ち、マオの良さを皆が知っていようと知らなかろうとどちらにしてもわたくしにとっては美味しいという訳である。
皆が知っていたら鼻高々ですしね。
それにしても、とわたくしは下を見ながら思う。
マオの背中か見る地上は王国側から帝国へと向かう難民達が多数見えるのが、王国にも魔王が現れた事をわたくし達に伝えてくれている様に見えた。
そんなこんなで気が付いたら目的地の上空であるランゲージ家がある場所まで早くも到着したみたいでマオは旋回しながらゆっくりと高度を落とし、そして着地する。
それにしてもやはり空を飛んで移動するととんでも無く早く目的地へと到着する事に未だ驚かされる。
何回か経験しているわたくしですらこれなのだ。
初めて経験するもの達は皆驚きと興奮で舞い上がっているのが見える。
「それでは皆様、ランゲージ家へようこそ。一応ランゲージ家長女であるわたくしが各部屋をご案内致しますわ」
因みにランゲージ家の血を持つ者が近くに居ないと敷地内に入れない術式を施している為家を長い間空けていても安全である。
この場合はわたくし自身が家の鍵という訳ですわね。




