暴れたりはせず大人しくしてくれている
それでも、わたくしとマオならばと想像を膨らませるのだが、それと同時に他種族との恋に落ちた者達が人里を離れるという手段を多く取る理由も見えてくる。
勿論自分たちが周辺住民達から冷たくみられてしまうという事は少なからずあるのだろうけれども、それよりも自分達の子供がその様な目で見られるのが何よりも耐えられないと思ってしまったからである。
だからこそ今現在こういったっ問題を抱えて駆け落ちや、逃げ出したりした者達で集まっている隠れ里が多く存在するのであろう。
そこでならば人里よりかは遙かに子供たちは生きやすい社会であると思えるし、わたくし自身そう思ってしまう。
「おい、ご主人様。いつまで呆けているんだ?」
「へ?」
「いや、「へ?」じゃなくて、そろそろ拘束を解いやったらどうだ?」
そんな妄想をしながらあれやこれやと浸っていると急にマオの声で現実に引き戻され、目の前に転がる無法者達の拘束を解いてやれと言うではないか。
正直な話マオを魔族であると知った瞬間襲い掛かる者達である為捨て置けと言っていやりたい所ではある者の襲われた張本人であるマオが拘束を解いてやれと言うのであれば渋々ではあるものの解いてやる事にする。
そしてわたくしが拘束している魔術を解術してやると、先ほどまで拘束されていた者達は各々痛めた箇所を揉み解し始めるのが見えた。
そして、それと同時に皆わたくしとマオに少なからず恐怖心を抱いている様に見えるのだが、わたくしが妄想に忙しい時にマオが空に向かって高段位の魔術を行使しており、まるで空が割れるのではないかという様な想像を絶する威力を見てしまった様である。
わたくしも初めてマオの高段位魔術を見た時は、それはもう驚かされましたからね。
そう思うとほんの少しだけマオの事が誇らしげに思い、自分がやったのではないと分かっていても胸を少しだけ張ってしまう。
「これでお主達では魔王という化け物じみた強さ相手には手も足も出ない事が分かってもらえた事であろう。そして相手もこちら同様に光の魔術使いがいる様に先ほど同様に連携されてしまっては先ほど拘束された者達はなすすべなく殺られていたであろうな。何故魔王退治には勇者でなければならないのか、これで分かったであろう。」
そして皇帝陛下がこの場を収める為にわざわざ率先してくれるのは正直有難い限りである。
そのお陰で脳筋肉とはしたない格好の女性も流石に皇帝陛下の言葉を遮ってまで暴れたりはせず大人しくしてくれている。




