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(仮)如何にしてマコトの呪いを解くか、それが問題である。(2026.05)  作者: MAYAKO


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第五話 死と乙女     

今晩は。

投稿です。

暑い日が続きます。


「シャクシャク」


 美味しそうな音を立て、リンゴを食べる黒い竜。


(ああ、私のお昼ご飯)


「女、なぜ死を望む?」


「未来がないからです」


「はっ、くだらんな!我らに未来なぞない」


「え?」


「あるのは今だけだ」


「!」


「我ら魔物は意味無く次々に狩られる。この醜い見た目か?それとも魔力の高さゆえか?残虐性?昨日何匹の魔物が死んだ?知っているか?」


「……いえ」


「そいつらは生きたいと思ったであろうな。昨日死んだ奴等は、今日を生きている俺を羨望するであろう、この『今』は彼奴らが生きたかって『今』でもある」


「……私はそうは思いません」


「……ふん、人それぞれだ」


「お?鼻血止まったかな?ねぇちゃん、ありがとな」


 コガラスはハンカチーフを返そうとするが固まってしまう。

 白が赤になっているのだ。


 これは返すのはダメだろ?


 新しいのを買って返すか?

 でも何だか高そうな布きれだな?

 ん?なんだこりゃ?凝った模様があるぞ?

 ああ、刺繍ってヤツだ。

 その刺繍は、ド素人のコガラスが見ても圧巻の見事な刺繍であった。


「……クロさまぁどうしよう?これ高価なヤツじゃ?」


「ん……確かに見事な刺繍じゃな」


「ええっ!?そんあぁ!クロさまが認めるようなモノなんですかぁ?ど、どうしよう?」


 幼さを見せるコガラス。


「捨ててもらって、かまいませんよ」


「えええっ!?も、もったいなよぅ!」


「では、差し上げます」


「えっ!?くれるの!?いいの?」


「はい」


「もーらいっ!ありがとなっ!大事にするよ!」


 亡き母と一緒に仕上げた刺繍。

 取り上げられなかった唯一の品だ。

 大事にしてくれるなら、それでいい。


「……黒い竜さま、私を生きて帰すと、災いの元となります。どうかここで命をお断ち下さい」


「ん?……ああなるほど。帰って聞かれたら、お前は正直に言うしかないからな」


「はい、賞金欲しさに討伐隊を組むかも知れません、どうぞ私の命を……」


 チラリ、と少年を見る黒い竜。


「……俺はクロさまに使えるヤシマ・ナ・コガラス、魔力は高いけど人族だ。ねぇちゃん、あんた名前は?」


「……マコトといいます」


「マコトねぇちゃん、命は一個しかねぇ、粗末にしたらダメだよ」


 マコトは答えない。

 返事をしない。ただ俯いているだけだ。


「コガラス、この者は粗末に扱われているのだ」


「え!?」


 驚くコガラス。


「クロさま、奴隷は大事な働き手だろ?粗末にするヤツはいないと思うけど?」


「……女の奴隷は悲惨だ、特に綺麗な女は……お前も知らないわけではなかろう?コガラス」


「!……まぁそうだけど」


「マコトよ、お前はここから離れると、私達のことを忘れてしまう。だから気にするな」


「え?」


 今度はマコトが驚く番だ。


「この土地の結界、俺の方が上位なのだ、この森は俺の結界内だ。だからここから離れると、お前は俺達に出会ったことを忘れる、そしてまたこの森に入ると思い出す」


「記憶の場所が、記憶している意識の場所が違うのさ、へへっ、クロさまって凄いだろ?」


「お義母さまより……格上だと?」


「ここでは従属紋の力は弱くなっている、だからお前は普通に話せるだろ?」


「あ……そ、そうですね……クロさまの方が上なのですね?」


「ああ」


 返事を聞いた瞬間!マコトは信じられぬ速さでコガラスから剣を奪った。


「あっ!?」


 そして切っ先を乳房の下に当て、躊躇うことなく力を込めた!


(やっと死ねる!)


 カイイイイィン!


 見事、コガラスは鞘で奪われた剣を弾き飛ばす!


 はずであった!


「な、なにしてんだ!?」


「死なせて!死なせて下さいっ!」


 それは慟哭、魂の叫び。

 弾かれた反動で、サクッと斬られる乳房!


「あうっ!」


 鮮血が飛び散り、マコトは崩れ落ちる。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第六話 約束のリンゴ です。

バイトが始まりました。

投稿が乱れるかも知れません。

残り5話、うまく纏まると良いのですが。

では明日のこの時間。

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