表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)如何にしてマコトの呪いを解くか、それが問題である。(2026.05)  作者: MAYAKO


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/13

第四話 動き出す世界     

今晩は。

投稿です。


 竜を見た瞬間、マコトは死ねる、と思った。


 従属紋で縛られているので、自ら命を絶つことはできない。

 義母からの命令なのだ。

 でもこのままだったら、公爵や義母達に殺される。

 楽に死ねないだろうなぁ。

 酷いことされるんだろうなぁ、今もされているけど。


 自然と涙が零れた。


 マコトは考える。

 どうにかして、あの黒い大きな竜を怒らせ、食べてもらおう。


 どうしたらいい?

 周りを見ると、手頃な石があった。


「あ、これ思いっきりぶつけたら、怒って食べてくれるかしら?」


 そしてまた考える。


「え?でもちょっと待って、初対面で石をぶつけるなんて酷くない?お義母さまだってそんな酷いことはしないと思うわ……まぁ、お義姉達ならするかも……」


 さらに考える。


「悪口はどうかしら?」


 黒い竜。滑から巨体を覆う鱗、キラキラとしてとても綺麗だ。

 流れるようなボディライン、尻尾が可愛い。

 その頭部の立派な角、金色の眼、威厳のある翼、マコトは見とれてしまう。

 そして驚くのはその周囲だ。

 なんと金色に輝いているのだ!


「あ、私、悪口言うの、むいていないかも……それに……」


 竜の胸元の傷が痛々しい。


「それに怪我をしている竜に悪口なんて酷いわ、痛いでしょうに……」


 マコトは立ち尽くす。

 動けない。


「どうしましょう?」


 そしてマコトは思い詰め、一歩を踏み出す。


(ここは素直に……食べて下さいと言おう!)


 マコトの脳内芝居(シミュレーション)が始まる!


 まず、私が小枝を踏み、ポキッて音をだすの、すると「誰だ!?」

 そう、ここであの黒色装備の男の子が剣を構えるのよ!

 そして私の額を見て「奴隷か?」

 とか言って、で、黒い竜さんが「みーたーなー小娘ぇ」と。


 そこで私が「見ました。口封じに私をお食べ下さい」って言うのよ!

 で、黒い竜さんが「ぐへへっ、上手そうな女だぁ」と。


「はい、乙女ですし、お口に合うと思います」


「なに、乙女?生娘か?ちょうどよい、傷の回復に役立ってもらおう!」


 ここで私が跪いて「思い残すことは何もありません、どうぞ、私の血肉でその傷をお癒やし下さい」と(おごそ)かに言う!


「そうさせてもらおう!」


 ビリビリと服を破かれ「あーれぇー」と、素裸にされて……。


「ぱっくん!」

「あぁああんっ」


 -END-


「よし、これよ!」


 ガサッ!

 パキッ!


 葉の擦れる音、小枝の折れる音。

 黒い竜と黒色装備の男の子が反応する。


「誰だ!?」


 スッ、と静かに剣を抜き構える。


「女の子?なっ!?従属紋?奴隷か?」


「見られた?マズいなぁ」


 黒い竜の眼がギラリと光る!

 マコトは静かに近寄り、一言告げた。


「黒い竜さま、どうか私を食べて下さい」


 必死の想いである。

 これで、この苦しみから解放される!

 黒い竜は答えた。


「え?なんで?」


「は?」


 思ってたんと違う!

 困ってしまうマコト。


 え?ここはパックン、と食べられて終わりなのでは?

 黒い大きな竜ですし。


「どうしましょう……食べてくれないのですか?」


 困ってしまうマコト。

 そして困ってしまう黒い竜。


「お前、大丈夫か?なんで俺サマが、お前を食わなきゃいけないんだ?」


「あの、あの、美味しいと思いますけど、一応乙女ですし……その……お怪我にもいいかと……」


「なんだその一応とは?」


「えっと……男性経験はありませんが、お義姉さま達から*特に秘す*や*特に秘す*なこをされていますし……」


「はぁ!?」


「ですので*特に秘す*が*特に秘す*なのです……それで美味しいのでは、と……」


「ば、ばかっ!コガラスはまだ15だぞ!子どもの前でなんちゅうことをっ!」


「え?あ?ご、ごめんなさいっ!」


 真っ赤になって震え出す黒色装備の少年。


「ク、ク、クロさまっ!?お、女の子どうしで*特に秘す*や*特に秘す*なことをするんですかぁ!?」


 そう言って、ブバッ!と鼻血を吹き出すコガラスと呼ばれた男の子!

 何やら、よからぬことを想像したみたいである。


「だ、大丈夫かっ!?コ、コガラスッ!?……痛ってててっ……」


「ああああどど、どうしましょう!?」


 コガラスが鼻血を吹き出すと、竜を包んでいた金色の光が消えた。

 どうも、このコガラスなる人物が、金色の光で竜を癒やしていたようだ。


 マコトは慌てながらもコガラスを座らせた!


「下を向いて、無理に血を出さないように」


「う、うん」


「頭とか、トントンしたらダメよ?」


「わ、わかった」


「これで抑えていなさい」


 綺麗に折りたたまれた白いハンカチーフ。

 服装はボロボロだが、それだけは真っ白で綺麗だった。


「竜さんは……ごめんなさい、私、薬草とか知識ないし、魔力もないんです」


「……」


 黒い竜は何かを見ている。


「あ?この袋ですか?中には果物が入っていますけど?食べます?」


「いや、その果物はマズそうだ」


「え?お、おいしいですよ?新鮮だし」


「お前が手に持っているリンゴがうまそうだ」


「同じ八百屋さんから買ったものですけど?」


「違う、同じではない、我は感情を食べるのだ」


「?」


「リンゴも食うが、食べるのは感情だ。そのリンゴは等価のリンゴだ、奪ったものではない」


「……よく分かりませんが、このリンゴで良ければ差し上げます……ついでに私もどうですか?」


「どこの店員だ?お前はいらん」


「……しくしく」


 いらないと言われると悲しくなるマコト。

 たとえそれが自分の命であっても。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第五話 死と乙女 です。


次回予告


「女、なぜ死を望む?」

「未来がないからです」

「はっ、くだらんな!我らに未来なぞない」

「え?」

「あるのは今だけだ」

「!」


 お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ