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幼女プレイ

 後ろを振り返らず、わき目もふらず、俺は真っ直ぐ前を見続けた。


 田中氏のゾーンに戻った。道の反対側の、瓦礫と化した建物の中に隠れる。そして、ターン。昨日18時少し前にジャンプした。

 タイミングよく高級車(旦那のだ。)が走ってきて、道路の向こう側に駐車する。そっと見守る中、(昨夕の)二人、つまり田中氏とレミちゃんが、中から現れたのだった。

「あれ、わたしだよ?」元気よく指差し、ひやりとする。

「そうだね。でも、小声でしゃべろうね。見つかったら大変だ」

「ハイ!」

「いい子だ」顔を戻す。

 レミちゃんはともかく。写真ではわからなかった。田中氏は背が高く、ひどく体格が良かった。すぐに納得する。運転手ということは、兼、旦那のボディガードでもあるってことだ。顔を片手で覆う。資料(プロフィール)を思い出す。ヒラ警察官をクビになり、転職、ということだった。こりゃケンカふっかけても勝てなかったろう。左胸が厚い。ひょっとして、違法武器を携帯しているのかもしれなかった。ますますだ。

「結果論だけど、出くわさなくて、良かった……」

「ワンワン……」

 三人が見守る中、二人は平然と“永遠の”ゾーンアウトをし、賃貸マンションへと歩いて行く――

 うん、と一つ頷いた。

「これでゾーン内には、ここのレミちゃんだけが一人残ったってわけだ。今から“上書き”を開始する」

「ワンワン」

 レミちゃんも楽しそうに続けたのだった。「わんわん!」


「いったん現在へ」

「ターン!」

「たーん!」

 本日13時現在。

「“さっき”に戻る」

「ターン!」

「たーん!」

 11時40分。

「離れよう。あと数分したら、“俺たち”がここに来る。俺らはバッティングしてなかったから俺達が現在だ。つまり“彼ら”にとっては、会わない方がいい……」

 一つ奥側の建物の中に移る。そこから、さっきの場所を監視できたのだった。

 やがて、そこに、“俺ら”が来て、ターン。見守る中、無事に消え失せた。


「――よし、この時点から再びこのレミちゃんだけが一人だ。現在に帰ろう。ターン」

「ワーン!」

「た……、わーん、キャハハ!」

 13時40分現在。

 こうして、上書きが完了したのである。うふッ……!

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