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階段の司書室  作者: いす
74/84

勉強

75話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

「どうしたの…?」

テーブルで教科書と向き合っていると横から雹が顔を出す。

「あー…そろそろテストが近くてさ…勉強」

「…私が教えてあげようか?」

「そ、それは大丈夫…」

前にも言ったが雹の勉強解説方はかなり独特で、個性的で、伝わりにくい。

そういうことなので、彼は大丈夫と言ったのだが聞く耳持たず、椅子をガタガタ運んできて隣に並んで座った。

「教えてあげる…!」

「いや…その大丈夫…」

「何処が分からない…?」

「………」

満足するまで帰る気は無いらしく、ふんすと鼻息を漏らす。

「えっと…じゃあ…ここ」

「ここ?」

指差した数式に彼女の視線が向く。

ジーッと真正面から見つめ、そして次に横からだったり、紙を持って後ろからも見たりする。

…そして、あちこちあれこれ見たあとに小さく頷く。

「わかった?」

「うん…。この問題はここをぐわーっとして、次にそこで出た答えをがーっ、ってしてびゃーんってしたら簡単に終わる」

数式に指を置き、動かして彼女なりの分かりやすい説明を始めてくれる。

……分からない。

彼女にとっては分かりやすい。

だが、それを見る周りの人からは分かりづらい。

そもそも数式をぐわーっってなんだろう…燃やしたりしちゃう?

首をかしげる遠をよそに雹は満足げにもう一度、ふんすと鼻息を漏らした。

「あ、ありがとう…雹…」

「うん…!」

「まぁ…でもほら、やっぱりさ。人から教えてもらうより、自分でやった方がこういうのは良いって言うし…ね?ほらだからさにゃんこと遊んでて?」

近くに来たにゃんこを急いで掴み、彼女の胸の中にグイッと預ける。

「…ん、分かった…。ふふーん…♪遠の役に立っちゃった~♪」

にゃんこの肉球をプニプニしながら、雹は嬉しそうに小さく揺れる。

抱き抱えられたにゃんこはすっごい嫌そう。

ウネウネ動いて彼女の胸からの脱出を図ろうとしている。

「じゃあ…僕は…頑張るから、そのにゃんこも頑張って」

「………にゃー」

変わらず無言で雹の身体をあちこち踏みまくるにゃんこは、気だるげに返事をする。

それにごめん…と、心の中で謝りながら雹が教えてくれた数式ともう一回にらめっこをする。

うーん…うーん…。

あ。

雹の動かした指の通りに考えていくと何か…分かったような。

スラスラと書いていくと答えが導き出せる。

「正解…♪」

「あ、良かった」

ノートににゃんこの腕が入ってきて、彼女の声が聞こえる。

嬉しそうな声ということは雹が言った通りに導き出せたということだろうか。

まさか…雹のお陰で簡単に分かるなんて…。

これも長い年月のお陰なのかなぁ…。

と、思いながら他の問題をドンドン解いていくと、また詰まってしまった。

すると、後ろから声が。

「…何処が分からない…?」

「あ、いやだから…」

「また教えてあげる…!」

…詰まる度に彼女の手、というかにゃんこの真っ白な手が伸びて、これが繰り返された。

……今度やるときは自分の家でやろうかな。

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