テスト
54話目です
誤字・脱字があったら申し訳ありません
「あ、そういや英語帰ってきたぞ」
鞄から英語のテストを取り出し、彼女に見せる。
「うーん…57…これってユキ的にはどうなんでしょう?」
「いっつも赤点スレスレか赤点だったし、かなり上がったぞ」
良い報告をしたはずなのに、彼女は唇を尖らせた。
「ならいいんですけど…むー…ワタシが教えてこれなのは…何かちょっと不服です…」
「すまんな…バカで。結構頑張ったんだけどな。バカだから」
「あ!いえ、文句を言ってる訳じゃないんです!ユキが頑張ったのはちゃんと見てましたから」
「本当にごめん」
「謝らなくてもだいじょーぶですよ!57点!素晴らしいじゃないですかっ!おめでとうございますっ!」
慰めようとしてくれているのか、拍手をしながら言ってくれる。
自分的にも…彼女と同じで頑張った割にはというところがあるのだが、結果は結果、変えようが無いのは仕方ない。
心の中で次こそは彼女の満足のいくような結果を出したいと、固く決意しておく。
「でもまぁ、こんなバカでも50点台を取れたんだからお前の教え方凄い上手いよな」
「そうですか?」
「あぁ、やってて楽しかった」
「そ、そんなに誉めてくれるなら、他の教科も今度…教えましょうか…?」
誉められたことを気恥ずかしそうにして、彼女はどうかと聞いてくる。
「…お前、もしかして他の教科も出来るほど頭いいのか」
「それなりに点数はとってますよ?。あ、でも…あの国語は…ちょっと…」
「ま、それは仕方ないな。日本人の俺らですら間違うんだし。むしろそれ以外がちゃんと出来ることが本当スゲーよ」
「そんなに誉めないでください…て、照れちゃいます」
「いや本当に」
「えへへ…」
顔を赤らめて、嬉々として彼女は微笑む。
可愛くて頭が良くて優しくて…彼女が人気者になった理由が詳しく分かったような気がする。
いつもは何か…あんな感じなのに、しっかりとした一面を見てしまうと純粋に尊敬する。
「…………」
ボケーっと見つめていると、照れている彼女と目が合う。
「ど、どうかしましたか?」
「いや、心の中でも誉めてた」
「…!や、やめてくださいよっ!ワタシを誉めまくるとあれですよ!?襲いますよ!?」
そう言って、彼女は赤らんだ顔のままジリジリと迫ってくる。
「せっかく尊敬してたのに、その一言で無駄になったぞ」
「ふ、ふふふ…ワタシをあまり誉めない方が身のためですよ…」
恥ずかしさのあまりか、彼女からよく分からない言葉が飛んでくる。
「ま、話はそれたが、またテストが近くになったら勉強教えてくれ。もしタダが嫌なら何か奢るぞ」
「…じゃあ、ユキの心と身体をください」
「分かった。じゃあ飲み物でいいな」
「むー、頼んだものとは違うんですけどー」
「俺は非売品でーす」
「それならワタシ、ユキを無理矢理盗み出してあげますから」
「ん、頑張ってー」
テストから解放されたからか、自然と俺らのテンションも高くなる。
そして、そんな俺らを真似るように気温も少しずつ高くなっている。




