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階段の司書室  作者: いす
42/84

報告

42話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

「ちゃんと返してきたぞ」

階段へ着くなり、彼女が本の事を聞いてきたので返してきたと報告をして、階段を上る。

それを聞いた彼女は満足そうにしながら付いてきて、一言二言告げてきた。

「これからはちゃんと気を付けて下さいね?分かりましたか?」

「んー」

「本当にわかりましたか?」

「んー」

「…………」

「んー」

「明日、デートしましょう」

「ん……ん?」

上る足が止まる。

振り返るとしてやったりの顔をしている彼女が。

「デート、行きましょ?」

「…行きませんよ?明日、新入生歓迎会の準備があるんだよ」

言うが、彼女の目が疑いの眼差しに変わる。

…俺がこういうこと言うの、怪しいもんね…。

「…それ、ほんとうですか?ユキがそんなことの手伝いをするとはワタシには思えません…」

「実はこれが本当だったりする。うちの担任が雑用係ってことで急に投げてきたんだ。逃げたら逃げたで内申期待しとけよって言われたし。なんであんなイライラしてたんだ…」

何故学生の楽しみである休日すらも教師は介入してくるんだ…。

俺のどことなくの柔い怒りを感じたのか、彼女も疑うのをやめる。

「本当…っぽいですね…」

「すまん。て、事なんでそれはまたいつか」

そう言い、また階段を一段一段踏みしめる。

「…じゃあ、明後日ですかね~」

さも当たり前のように彼女は言い切る。

また、二人の歩みは止まった。

「俺に休日はないのか」

「妻のために休日も頑張ってくださいよ、お父さん?」

「お父さんじゃないし…て言うか、そんな風にコキ使うから過労死は無くならないんだぞ。家族をいたわれ」

「なんで急にそんな社会の闇みたいな話に…」

「まぁ、ともかくなに、ここでぶらついてないでさっさと帰ろう。俺は明日のためにしっかり休まねばならないんだ」

目的のため、上の階段へと足を運ぶ。

彼女が小走りで横に来て、俺の顔を覗き込んできた。

「ワタシが添い寝しましょうか?」

「俺が睡眠の話をすると必ずその話題になるのか」

「『ヘタなテッポウ数打ちゃ当たる』。有名なコトワザでしょう?」

「そもそも獲物が絶対に当たらない位置にいたら意味無いけどな」

そう諦めさせようと言うが、彼女は「でも」と言って、口を開いた。

「ワタシとこうして一緒に帰っている時点で、ユキに当たる位置にはいると思いますけど?」

「…まぁ」

「ふふっ…狙い撃ちです」

彼女の目は、確かに獲物を狙うハンターの目をしていた。

…俺、そんな狙う価値ないよ?

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