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階段の司書室  作者: いす
33/84

休日

三十三話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

いつもの平日の日の落ちた暗い空と違って、休日の今日は空は明るく、太陽が窓先から照りつけている。

照らされているソファに腰かけている二人は、身を寄せあって、ひたすらに本を読み漁っている。 

太陽が出ていたとしても、やはりストーブはつけないといけない。

ぺらぺらと二人が紙を捲る音と混じり、そのストーブの音も密かに鳴っていた。

そして、彼が最後の一ページをゆっくりと捲った。

「っ………ふぅ」

かなりの長さだったそれを読み終わり、達成感を感じている彼は、体を伸ばしてまた椅子にもたれる。

沈むぐらい柔らかなソファは、少し眠気を誘ってくる。

彼が大きなあくびをすると、

雹の本を読む手が止まる。

「眠いなら私のひざ…使う?」

「あっ、邪魔しちゃったかな。ごめん、大丈夫だよ。」

「そっか」

「…あ、読み終わったし紅茶でも淹れてこようか?」

「じゃあ…お願い」

そう言って、雹はまた本の世界に戻る。

それを見てから彼は立ち上がり、カップやポットを準備する。

しばらくすると、カチッと音が鳴り、お湯の準備が出来たことを知らせてくれる。

テキパキと紅茶を淹れて、

テーブルに置くとまた雹の手が止まる。

「紅茶ありがとね…で、おひざ使わないかな?」

「うん…大丈夫…」

「そっか…」

尻すぼみになっていく彼女の声に、申し訳なさが彼に込み上げてくるが淹れたての紅茶をそのままにしておくのもどうかと思い踏みとどまった。

「暖かいうちに飲んでね」

「私のおひざも暖かいうちに…」

「あの…だから…大丈夫だよ?」

「……ひざまくら…」

呟いた言葉は空しく消えていった。



彼が紅茶を飲み終わり、コトリとカップを置くとすぐさま雹は声をかけてきた。

「ひざまくら…!」

「あぁ…」

先程から雹の読む手が頻繁に止まるのはきっと、いつものように本の内容に影響されて、ひざまくらに興味が湧いている状態なんだろう、と彼は予想を立て、放っておいたいつまで言われるか分からないと思い、彼はゆっくりと首を縦に振った。

すると、ぱあっと雹の顔は明るくなり、ひざの上をポンポンとはらった。

「かもんかもん…!」

「じゃあ…まぁ」

勧められて頭を乗せると視界が雹のゆったりとした服の余った部分に隠される。

ふふっ…という小さな彼女の漏らした声と共に頭が優しく撫でられる。

「さらさらだなぁ…君の髪…」

「ありがと、雹」

「眠たくなったなら直ぐに寝て良いからね…?」

「うん…」

柔く差し込む太陽と、ストーブの優しく暖かな風。

それに彼女のふんわりと撫でる優しい手が、眠気を強く誘う。

自然と彼のまぶたは落ちていき、呼吸も穏やかになっていった。

…眠った彼を見て、微笑んだ雹はまた静かに本を読み始めた。


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