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階段の司書室  作者: いす
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教師

二十六話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

扉を開けて、真っ先に目にはいってきたのはテーブルに置かれた一冊の本だった。

この、雹が作り上げた読みたい本だけを選別した空間には似合わない雑誌のような本。

何だろうと思い、手に取ると後ろから声が聞こえてきた。

「その本……先生が投げつけていったの…」

「あぁ…また失敗したんだ」

先生と聞いて一瞬にして全てが分かる。

先生とはこの司書室を彼女に貸してくれた張本人であり、彼が司書室に向かうことを止めさせないようにもしてくれた彼女にとっても、彼にとっても、恩のある人だ。

そんな優しい教師は生徒からは友達のような感覚で好かれているが、こと恋愛に関しては酷い有り様な女教師である。

大方の見当がついた彼はあー…と可哀想に彼は本をそっとテーブルに戻す。

「その本に書いてあるようにそっと胸に手を当てて男の人の心を落とそうとしたら、緊張で力入れちゃって噴水に突き落としたんだって」 

「それは…災難だね…男の人の方が」

「それでフラれちゃって『こんなの!!』って叫んで叩きつけていったの…」

彼女が少し声を張り上げて、先生の真似をする。

声質が違うのでかなり似てない。

「あれ、ていうかそんなこと前にもあったよね?」

「うん、一ヶ月前に。合コンのテクニック本を楽しそうに読んでいたのに、一週間後に叩きつけていった」 

「あの人が懲りること、あるのかなぁ…」

「今日のお昼は略奪愛について学んでた」

「逆に略奪されちゃいそうだなぁ…」

「また本が増えちゃう…」

ちらりと見た本の表紙には、『デートで相手を絶対落とす方法!~男の心理をついて~』と、書かれている。

結果的に相手が想像していなかったものが行われた以上、何かしらの効果はあったのかもしれない。

付箋貼ってある辺り、本気だったんだなぁ…。

「で、この本どうしよっか?読む?」

「もう読んだ、けど、面白くなかった…」

「そっか、いつも速いね」

雹は目に入った本が読んでないものならそれをすぐに読もうとする。

それが例え分からない言語の物であろうが、何であろうが。

だからコンビニ何かには行けない。

…どうして誰でも行ける場所にあんな破廉恥な本が置いてあるの…。

うっかり彼女の目に留まり、周りから奇怪な物を目が向けられた時はどうしようかと…。

今の雹が友達に恵まれないのも多分、これが原因なんだろうなぁ。

「…どうしたの?そんな辛そうな顔」

「ん、気にしないで。ほら、そんなことよりそろそろ本の整理しないとそことか崩れちゃうよ」

ソファにもたれかかっている本の山を指差すと、彼女の視線もそこへと移動した。

そしてキリっとした顔をして、親指を突き立てこちらに向けてきた。

「まかせた!」

……はぁ。


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