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階段の司書室  作者: いす
24/84

ストーブ・2

二十四話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

翌日も変わらずストーブが付かないと言われ、ついに雹は彼の膝に乗ってきた。

そしてふへぇ…と嬉しそうに身体を預けた。

「雹あったか~い」

「んふふ~ならもっとぴったり~!」

彼の腕をつかんで、自分の腰辺りまで引っ張る。

そして彼の手を包み込むように触れた。

その彼女の手の暖かさで、眠気が強く襲ってくる。

「っぁ…」

「あくび…眠い?」

「ん…ちょっとね」

「眠たいなら寝ても大丈夫、私が…ちゃんと寝顔を見てあげる」

「じゃあ、お願いしようかな」

「うん…お休みなさい」

雹が柔らかく言ったのを聞いて、彼はゆっくりと目を閉じた。



しばらくして、彼が眠りから覚めると、すっかりと暗くなった空が見えた。

毛布のお陰か、そのままの暖かい体温はまた眠気を誘ってくるが、何とか耐えてゆっくりとまぶたを開ける。

ぼやけた頭の代わりに耳はしっかりと機能していて、ストーブの作動音が聞こえてくる。

……………。

ストーブの音?

壊れたはずのストーブをはっきりとした目で見ると、

雹がストーブの前で手を出して暖まっていて、電源が付いていることを表す電源ボタンのランプも赤く光っていた。

「ふへぇ…ぬくぬくぅ…」

「雹」

「…?なぁに?……………ふひゃあ!」

飛び跳ねて驚いた雹は両手を伸ばしてストーブを隠す。 

「壊れた…んだよね?」

「…せ、生命は不思議。唐突に直った」

「ほんと?」

「そ、それよりも一緒に暖まろ?ストーブはやっぱり凄いもの、一瞬で暖まれた」

「………」

「だから、その…冷たい疑いの眼差しもス、ストーブで……うぅ…」

「雹、怒らないから言ってみて」

「それは絶対怒るやつ…昔もそれで素直に言ったのに怒られた…」

「…とりあえず、説明して雹」

雹は、昨日から置かれていた本を申し訳なさそうに指差す。

その本をしおりの挟まっているページで開いて、中身を読むと、昨日の状況と全く同な光景が書かれた内容が目に入る。

「それを読んで、ひらめいてこれなら君にぎゅーって簡単にして貰えるかもって…でも寒さには結局勝てなかった…寒さ強い」

「…これぐらいのことなら普通に言ってくれれば良かったのに」

「え…?」

「こんなことしなくても、言ってくれればしたよ」

「ほんとうに?」

「ほんと」

「今も君にぎゅーってしたいの…」

「ほら、おいで」

彼は腕を広げ、優しく微笑む。

座り込んでいた彼女は元気よく立ち上がり、彼に飛び付く。

彼の手が彼女を包んだ。

…力強く。

「…雹、捕まえたぁ!」

「えっ、えっ?」

「今度からは言ってくれればするけど、今回は許さないからね!嘘は………うん!ダメだからね!」

「やっぱり怒るじゃ~ん!」

彼の腕の中で、雹はジタバタと暴れた。

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