司書室
二十一話目です
誤字・脱字があったら申し訳ありません
図書室の奥の部屋。
本来なら司書の教師がいる場所に彼女はいる。
性格の表れか、明るいぽわぽわした色の髪を持つ不思議な女の子。
放課後になれば必ず司書室で本を読み漁っていて、同じ友達と話して帰ったりなんて事もしない。
でも、違う高校からなら毎日毎日足繁く通う男の子が一人だけいる。
その男の子は彼女にとって、大切な一人だけの幼馴染みであり、密かに想いも寄せている特別な男の子だった。
「ごめん!遅れた!」
パシッと手を合わせ、とろんとした目の彼女に大声で彼は謝る。
頭を下げる彼に、むすっとした彼女はぺしぺしと頭を数発軽く叩いて口を開いた。
「ずっと…待ってたの」
「本当にごめん!友達に頼まれ事されちゃって断れなくて…」
「君は…『雹』よりもその友達が大切…?」
「雹の事が一番優先!」
「…なら今回は特別…」
「ありがとう、雹!」
嬉しそうに笑う彼を見て、雹の心も暖まる。
ふふっ…と笑った彼女を皮切りにすっかりといつもの調子に戻った二人はソファへ座る。
「今日はレモンティー…」
「…コーヒーだよねこれ」
カップに注がれた黒い液体を見て、彼女はあっ、と気付く。
雹は申し訳なさそうにしゅんとソファの上で縮こまった。
「ごめんなさい…」
「ううん、大丈夫。僕丁度コーヒー飲みたかったし」
「ほんと…?」
「ほんと」
慰めるように優しく彼が言うと、彼女の表情も明るくなる。
その表情を見て、先程の雹のように彼もまた嬉しくなる。
……ふと、彼が見た窓の外にはクリスマスのイルミネーションに包まれた街が映っていた。




