お化け
十五話目です
誤字・脱字があったら申し訳ありません
厚い雲のせいで街全体が暗くなっており、いつもよりも早く階段の街灯は付いていた。
「ユキ、前に階段の怪談話の話をしましたよね?」
そんな照らされた道を歩いていると、彼女は話しかけてきた。
「した。って言うわりには一瞬で終わったけどな」
「あの後、学校でそういう怖い話がないかな、って聞いてみたんですよ」
「ほう」
「そしたら、あったんですよ、七不思議?でしたっけそんな感じの」
うちの高校にも七不思議があるのだが、それだと累計十四不思議になる。
「まぁ…でも、お前のとこ最近建てられたやつだし信憑性はないだろーな」
こっちの高校が古くなって、代わりにと建てられたのが彼女の通う高校。
時間が経っていなければその分、噂なんかの信憑性も欠けるものだろう。
ま、そういう噂事態がそもそも信じるだけ損なような気もする。
心の中で噂好きな学校のあいつらを思い出していると、彼女がググイと迫ってくる。
「こういうのは信じられるか否かの話でありません!」
「じゃなに」
「あくまで話のたねとして使うものなんです!誰かに話して『怖いね~』みたいな感じで」
「…実際今ここで使われてるしな」
「はい!」
「で、結局その噂とやらはどんなのなんだ?」
「ワタシが聞いたのだとあれですね。『動く理科室の黒板』」
「あの、ガタガタ上下に動くやつか」
時々錆びてて、嫌な音が響いたりするやつ。
「はい。あれが夜になると大きな音を出して勢い良く動くんだとか」
「そうか」
「…えっそれだけですか?」
「うん」
「何かもっと、戦慄の表情とか期待してたんですけど」
「無理」
「オバケとか平気だったりするんです?」
「分からん」
「分からんって…」
オバケとかは実際に出会って、体験してみなければ、怖いのかどうかは分からないと思う。
今の技術を使えば、写真を心霊写真にするぐらいは出来るわけだし。
ずれていたマフラーを直して、前を見ると、階段終わりが近づいてきた。
「まぁ、そういうこと。ほらそろそろおしまい」
「えっ、あぁ」
考え込んで、下を向いていた彼女も、俺に話しかけられ前を見た。
「んじゃ、また明日だな」
「はい、それではまた明日です!……あれ?」
別れて、片方の道に歩み出すと、すぐに彼女の声が聞こえた。
「どうした」
「いえ、今ユキの背中に…?」
「えっ」
「…気のせいでしたかね」
やんわりと笑って、彼女はもう片方の道の奥へと向かっていった。
……………。




