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子供の頃
十三話目です
誤字・脱字があったら申し訳ありません
「ユキの小さい頃ってどんな感じだったんですか?」
この寒い空の中、階段を下りていく子供を見て、彼女は聞いてきた。
「俺の子供の時なぁ…」
「好きな子とかいませんでした?」
「い」
「いませんでしたよね」
「俺に答えさせて」
発言する間もなく、彼女は言い切った。
「じゃあいたんですか?」
「い」
「やっぱりいませんでしたか」
「だから答えさせて」
笑顔の彼女。
右手が痛い。
「結局どうなんですか?」
「いた」
「うふふ…冗談はやめてください…」
「いたい」
ぎゅっと彼女の左手の圧が強くなる。
「ワタシが来る前の…中学生の時とかはどうでした?」
「んー、普通だったな」
「つまり普通の学生として誰かに恋をしていたと?」
右手、左手で、痛い。
「違う。そういうことすら無いぐらいに普通だったってこと」
「なら良かったです」
安心した感じで、ホッと胸に手を当てる。
手の痛みも和らいでくる。
「痛かった」
「お詫びになでなでしましょうか?」
いじらしく彼女は笑った。
「…俺は子供か」
「子供のような純真さを待ってます」
「お断りです」
頭に向けられた彼女の手をするりとかわして、階段を上る。
「ユキに期待はやっぱりダメですね」
「だな」
「他人事ですか…」
少し首を動かして彼女を見れば、こちらを呆れ顔で見ていた。




