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0213・次の惑星と装備と練習




 Side:イシス



 俺達は魔法陣部屋にて集合し、準備が出来たので新しい惑星へと転移する。

 俺達が下り立ったのは相変わらず森っぽい場所で、木々が俺達を隠してくれる所だった。



 『賊を殲滅し治安を回復せよ。悪徳な者を滅ぼし民心を回復せよ』


 「は? ………治安の回復とか民心の回復とか、それ俺達がやる事か?」


 「確かにそうですね? それは私達ではなく、この星の為政者が行う事では?」


 「それが、そうもいかないのよ」



 俺達が話していると、いきなり後ろから女性の声が聞こえた。

 慌てて振り向くと、そこには猫の獣人みたいな女性が立っており、こちらを見ていた。

 ちなみに獣人といっても、完全に二足歩行の猫だ。

 その手以外は。



 「私はこの星の神の一柱。名は明かせないけど、【錬金術】を司っているの。この見た目は猫族の姿をしてみただけだから気にしないでちょうだい。特に意味は無いわ」


 「猫族? となると、この惑星では獣人が主体?」


 「大正解。猫族はその中でも数の多い一般的な種族ね。手は五本指で猫と同じじゃないわよ? それで説明するんだけど、この星は歪に【錬金術】が発展してしまった所為で荒れてしまっているの。だからそれを何とかしてほしいという事ね」


 『【錬金術】で荒れている、ですか』


 「そう。この星は元々小さな、と言ってもそれなりには大きいけれど、そんな島が無数にある星だったのよ。でも過去の<錬金術師>達が様々な研究を推進し、ついに<浮遊島>まで作り上げてしまった」


 「<浮遊島>……。なんだか空の奴らと地上の奴らで戦争とか起きそうだなぁ」


 「実際に争いはあるのよ。<浮遊島>の連中は<空船>を用いて空賊をやったりしているし、地上の者は海賊行為を行う。ダンジョンもあるから資源は枯渇しないけれど、だからかいつまで経っても争ってる」


 「碌な者達ではありませんね」


 「その所為で民心も荒んでいるし、そうなると余計に賊になる者が居なくならない。古の<錬金術師>達が望んだのはこんな未来じゃないんだけど、結果は悪徳に穢されたというところよ」


 「なんだか爆弾の人みたいな話だな。岩盤掘削用に爆薬作ったら、戦争で使われて大量の人を殺戮したっていう話。それと似たような感じか」


 「そうね。自分達が作った者は多くの者を豊かにすると思っていたら、後世の者は己の我欲にしか使わなかったというところかしら」


 『<空船>という言葉が聞こえましたし、それなりには面白そうな星ですね』


 「あまり良い事ではないんだけど、あなた達<時空の旅人>には期待しているから、これを渡しておくわ。役に立ててちょうだい。じゃあ、後はお願いね」



 そう言って消えていった【錬金術】の神。

 あの神が渡してきたのは丸い玉だったけど、これって……。



 『これはゴーレムコアですね。これで<時空の狭間>での収穫が可能になりました。向こうでも動ける体が手に入ります』


 「そうだな。とりあえず一旦戻るか。そしてゴーレムを作ってから、再び戻ってこよう」



 俺は皆にそう言ってから<時空の狭間>へと戻り、<物品作製装置>の部屋に行くと箱にゴーレムコアを入れる。

 そして新たなゴーレムを作るのだが、今度の素体は木の表面に金属を被覆したものにした。


 もちろん全ての箇所は無理だが、表面を<練魔鋼>で被覆したので防御は格段に上昇。

 今度の星は空を飛ぶ船とかがある星になる。

 今までよりも技術力が上がっているだろう。

 なのでより戦闘用にしてみたんだ。


 今まで使っていたボディから出たヌンの分体は、新しい素体に入り込み体の動きを確かめる。

 先ほどまで使っていた木のボディには別のヌンの分体が入り込んだ。



 「これで収穫などを自由に出来ます。ゴーレムに物事を教えるのも含め、私も暇を潰せるようになりました。今までは戻ってきた分体の情報を得るまで暇でしたからね」


 「まあ、そうだろうとは思うが、とりあえず厄介めの星だというのは分かった。ヌンも情報を得ていると思うが、俺としては結構嫌な予感もしている」


 「嫌な予感、ですか?」


 「銃だよ。空を飛んでいる船とか海賊とかが居る星だ、銃が既にある可能性が高い。そうなると一定程度は必ず死ぬ可能性がつきまとう。そこがな……」


 「バリア系統の【魔術】を作りますか? ただし魔力の消費がかなり激しく使い勝手は悪いですけど」


 「それも最終手段として持つしかないかな? 今は盾で何とか……って、聖銀を戻して新たな盾を持たないと駄目じゃないか。すっかり忘れてた」



 俺は慌てて聖銀の盾とメイスを箱に放り込み、木と練魔鋼のラウンドシールドと練魔鋼のフランジ型メイスを作った。



 「そういえば私も武器を持った方が良いでしょうか?」


 「……そうだな。ハトホルも今は人型だから武器は持てるし振り回せる。何が持ちたい?」


 「と言われましても、私はまったく分かりませんので……」


 「ハトホルは碌に武器を持った事も無いので、同じメイスにすればどうです。ブン殴れば済むのですから技術など必要無いですしね。とはいえ盾を学ぶ必要がありますが……」


 「こうなったらアレだな、バステトもバステト化させて人型で行こう。その状態が整うまで練習をしようか?」


 『えぇーー……! 何で私がそんな面倒な事をしなきゃなんないのよ』


 「バステト。そろそろ人型にも慣れるべきです。貴女が猫の姿で居るのは面倒だからでしょう? もう少し頑張るべきですよ」


 『うぅー………しょうがないなぁ』



 そこまで面倒か? 人型って………。

 俺は生まれた時から人型だろうから違和感は無いんだと思うが、慣れてないと窮屈に感じるんだろうか?

 記憶が無いから多分でしか言えないんだよな。

 生まれた時から人型かどうかは。


 ま、とりあえず練習をして、違和感なく動けるようになってからだ。


 …

 ……

 ………


 あれから結構な時間が経ったと思う。

 俺達は短い武器と長柄の武器の練習をメインにしていたが、その戦いが十分に出来る様になったので終了とした。

 正しくはヌンさんが及第点を出したので終わっただけなんだけどな。


 それはともかく、俺は短刀と斧。

 バステトは短剣二本とエストック。

 ハトホルは短剣とメイス。

 そして全員がラウンドシールドを持つ事に決まった。


 今までは長柄で戦っていたけど、そろそろ近接戦も出来る様になったという事。

 それと前の星の呪いのグレイもそうだが、盾が無いと戦えない相手が居る可能性がある。

 それを考慮した武具選びだ。


 ちなみに長柄の武器はアイテムバッグに入れてある。

 バステトはアイテムバッグを持ちたがらなかったので無しにした。

 アイテムバッグの核となる物は<物品作製装置>に残っていたので作製可能。


 それどころか一度アイテムバッグを入れたからか、普通に作製可能になっていた。

 なのでハトホルの分も作製して持たせたんだ。

 ハトホルは持ちたがらないバステトをジト目で見ていたが……。


 ちなみに俺は変わらず薙刀、ハトホルはハルバードとなる。

 長柄は長柄が必要な相手の時に出す事にした。

 それまでは出す必要も無いだろう。


 改めて全て終了したが、二つのゴーレムで指導してくるヌンさんは驚くほど厳しかった。

 あの呪いのグレイに勝てなかった事もあったからだろうが、気合いの入り方が今までと違う。


 ちょっと厳しすぎて何度かグッタリする事があったけど、それでも三人でやり遂げたのは間違い無い。

 今までよりも随分と腕も上がったが、思い出したくもないレベルで大変だったんだよ、本当。


 今ならあの呪いのグレイにも勝てる……かもしれない。

 いや、勝てたらいいなぁってところか。

 あいつに勝つにはそもそも呪いをどうにかしないと無理だし。


 下らない事を考えてないで、そろそろ向こうの惑星に下りよう。

 三つ目の惑星だから気合いを入れないとな。


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