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0212・次の惑星へと行く前にやるべき事




 Side:イシス



 ゼンス王国の王都前で指令の終了をアナウンスされてから10日。

 ちょうど今日からゼンス王国の王都で魔力と瘴気が噴出しているだろう。


 俺達はオムテス王国軍とは離れ、自分達だけで走って戻った。

 何故ならこれ以上は関わる必要が無いからだ。

 俺達がやるべき事は指令の達成であり、達成した今は自由に過ごして問題無い。


 何故まだ俺達がこの惑星に居るのかと言えば、この星の貨幣を使い切っていないからとなる。

 流石に金貨や銀貨は金属だ。

 多少ならともかく、俺達はそれなりに持っている。

 なので使ってから次の星に行かなければいけない。


 とはいえ買う物など然して無い俺達は、【身体強化】をしながらオムテス王国の町を回っている。

 最後にダンジョンのあるチャルタンへ行って終了だ。


 バステトもハトホルもヌンもだが、移動中は<時空の狭間>で休んでおり、走っているのは俺だけとなる。

 最早バレたところで構わないし、騒がれたところで大した意味も無い。


 ちなみに町を回っている理由は、各地で食料を買う為だ。

 そもそもオムテス王国は農業が盛んで作物は余り気味らしいので、俺達が大量に買っても農民か商人が儲かるぐらいだろう。

 特に社会に悪影響を与えたりはしない。

 なので各地で色々な穀物を買っている。


 特に買っているのは大麦で、これは食料であり酒の原料であり甘味の原料だからだ。

 そう考えると大麦って凄いなと思う。

 水飴だってバカにしたもんじゃない。


 料理に使うなら水飴の方が照りが出て良い場合もあるしな。

 そういう風に考えると砂糖だけあれば、とはならない。

 水飴でも違うし蜂蜜でも違う。

 料理というのは素材一つで随分と変わるんだよ。


 ちなみに料理に五月蝿いのは俺じゃない、ハトホルだ。

 既にこの惑星を終わらせた報酬で、ハトホルは獣人化とハトホル化が出来る様になっている。


 時間はバステトと同じぐらい掛かったが、変化が出来るという時点で仕方ない事だと思う。

 そもそも体の大きさとか形とかが変わるんだし、その変化の大きさを考えればな。

 かかる時間は当たり前とも言える。


 ちなみにハトホルの獣人化は二足歩行の牛だ。

 女性版ミノタウロスって感じ。

 もちろんミノタウロスほど体が大きい訳じゃないが、見た目としては完全にそうだ。

 足の先は蹄だったし。


 で、ハトホル化は完全に人間の見た目だった。

 唯一の違いと言えば、頭から牛の角が生えていたぐらいだ。

 どうも女神ハトホルの姿にそっくりらしい。

 そしてハトホルは現在、ずっとその姿で過ごしている。


 理由? その姿だと草食じゃなくて雑食だからだ。

 つまり肉を食って穀物を食って酒を飲む。

 ある意味で駄目人間が一人生まれたと言えば分かりやすいと思う。

 あと、人間とソックリの姿でバステトに乳を飲ませるのは止めてもらいたい。


 何だか子供に母乳を与えているようにしか見えないんだ。

 とはいえ、その姿の乳はシャレにならない程に美味しいので、文句は一切言えない。

 実際に飲ませてもらった身としては、本当に一切の文句を飲み込む程だった。


 もちろん俺が飲む際は見ていない間にコップに入れてもらった物を飲んだのだが、バステトはなぁ……。

 本当に子猫みたいになっている。


 ちなみにそのバステトいわく、牛状態、獣人状態、ハトホル状態と美味しさが変わるそうだ。

 つまり牛状態が一番美味しくなかったと、何故かハトホルの乳をそう熱く語っていた。


 お前は何を品評してるんだと思ったが、突っ込みを入れても問題なので、適当にスルーしておいたけどな。


 それはともかく、ここも走り抜けてさっさと買い付けに行くか。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 指令が終わった日から数えて20日。

 ようやくダンジョンのある町であるチャルタンに着いた。

 今や650ルル、銀貨2枚と小銀貨1枚に大銅貨2枚しか持っていない。

 全ての金貨は使い果たした。


 しっかし金貨111枚を使いきるのは大変だったな。

 なんだかんだと様々な物も大人買いして何とか消費し、ここまで減らす事ができた。

 本当に大変だったよ。

 知らない穀物とかまで買いまくったのに、なかなか減らないんだもんな。


 仕方なく村で木の苗とかも購入したよ。

 柿っぽいヤツとか栗っぽいヤツとか。

 現在は<作物収穫室>で育ててるけど、あっさりと実が生るようになったのは笑った。

 だって両方とも一日で実が生るようになったんだよ。


 <桃栗三年、柿八年>っていう言葉は何処に行ったんだって思うぐらい、次の日に実が生っている光景は笑う。

 驚き過ぎて、むしろ笑いが出てくるレベルだった。


 チャルタンのダンジョンでリンゴとかブドウとか蜂蜜とか米とかを山ほど手に入れて、それから次の惑星へと行く。

 俺達の予定はそうなっている。

 次の惑星がどんな所か分からない以上は、準備を万全にしておきたい。


 だから少しの間ダンジョンに潜り続けて、中の物を手に入れようと思う。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 チャルタンに着いてから5日。

 流石にそろそろいいかと思い、俺達は引き上げる事にした。

 十分にリンゴもブドウも蜂蜜も米も手に入れたので、もう取る必要が無い。

 復活する度に根こそぎ採っていたので、もう十分だとなったんだ。


 これ以上持っていても仕方がないし、米なんて30トンはある。

 これだけ手に入れてどうするんだ? っていうレベルだ。

 誰かさんは酒にするんだから足りなくなるかもとか言っているが、そうそう簡単には無くならないっての。


 とりあえず<時空の狭間>に戻った俺達は、新しく追加された<解放調整室>に移動して話し合う。

 ここは床に魔法陣が描かれてるんだが、これで肉体と精神を窮極きゅうきょくまでリラックスさせるんだそうだ。


 もちろん白痴になったりなんてせず、簡単に言えばストレスが限りなくゼロに近付くという部屋になる。

 なので皆もここに居る事が多い。

 ちなみに地図にするとここだ。



 ―――――――――――――――


   F

   □G

  D□E

   □ C C

  B□□□□□

   □ C C

  HA



 □:通路

 A:魔法陣

 B:訓練場

 C:ベッドのある個室

 D:生物修復装置

 E:物品作製装置

 F:寝室

 G:作物収穫室

 H:解放調整室


 ―――――――――――――――



 場所を何処にするか悩んだのだが、惑星から戻ってきてすぐに回復できると便利だろうという事で、魔法陣部屋のすぐ隣となった。

 この部屋には買ってきた綿などを使ってクッションやソファーを作ってある。


 椅子やテーブルもあるので、それなりには快適に過ごせるようになった。

 そんな中、そろそろ次の惑星に行こうかという話になっている。



 「あの星の指令も既に終わりましたし、報酬も既に受け取っています。更には金銭もほぼ使いきりました。残っているのは<物品作製装置>の箱に入れればいいと思います。ですので、そろそろ次へと向かうべきでしょう」


 『そうね。そろそろ向かっても良いと思うわ。指令が終わった以上は、やるべき事も既に無いんだし』


 「次の惑星はどのような所でしょうね。私が全く見た事も無いような場所であれば楽しいのですが……」


 「ヌンが見た事も無いって相当だろうと思うぞ? 流石にそんな星は無いんじゃないか? そもそも生命体が住める星じゃない気がする」


 「でしょうね。ヌンが見た事が無いというのは、どのような星か想像もつきませんよ。むしろ恐いですから行きたくないです」


 『気持ちはよく分かるわね。正直に言って怖いとしか表現できないと思う。アレかしら? 絶対に見えない闇に覆われているとか?』


 「深海レベルにおかしな奇形生物とか居そうだな。クリーチャーの星は止めてほしいのが本音だが……こればっかりは、俺達が選べる訳じゃないし」


 「選べるのであれば楽しいであろう場所を選択するのですが……」


 「止めて下さい。命があっても、心が死んでしまいそうです」



 本当にな。

 ヌンが見た事も無い場所って、絶対にクリーチャー系の危険な星だぞ。

 死亡確率が高すぎる星になんて、行きたくもない。


 誰が決めてるか知らないけど、そういうのは止めてくれよ。

 頼むから。


リアクションありがとうございます

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