0162・盗賊の末路
Side:イシス
「「「「うぅ……」」」」
「「「「いてぇよぉ……」」」」
「「「「チクショウ……」」」」
【ヒートバレット】で両足を穿たれたバカどもが転がって呻いている。
最初に言ってやったっていうのに、マヌケどもが下らない事をするからだ。
俺達に対して20数名の盗賊じゃ少なすぎる。
「それにしても弱いな、こいつら。大した実力も無いのに襲い掛かってきたらしい。頭が悪過ぎるだろ」
「クソがっ! てめぇ、覚悟しておけ! この先チャルタンで生きていけると思うなよ!」
「言うのは自由だが、そもそもお前らの命はここで終わりだぞ? 何故ここから生きて出られると思ってるんだ? 随分と頭が悪いな」
「は? ……お前、オレ達を殺して無事で居られると思ってんのか? オレ達を殺せば「そういうの、いいから」……」
「飽き飽きなんだよゴミどもの話なんてな。襲ってくるなら全員殺せば済むだろうが、何を勘違いしているんだ? もう一度だけ言ってやる。何故ここから生きて出られると思っている?」
ズドンッ!!
俺は手近に居た盗賊の頭を<魔力操作補佐杖>で叩き潰した。
当たり前だがこいつらは盗賊であり、盗賊を殺す事に何ら問題など無い。
むしろ討伐を推奨されている。
にも関わらず、何故自分達は生きられると思ってるんだろうか。
心底理解出来ないな。
その後も次々と盗賊の頭を潰し、皆も頭に【ヒートバレット】を放って殺していく。
この段になって、やっと俺達が容赦をする気など無いと理解したのか、慌てて命乞いをしてきたが助けてやる阿呆などいない。
「バカか、貴様ら? こっちを殺しに来たゴミを助けるヤツなんぞ居るわけないだろ。お前らはここで終わりなんだよ。黙って死を受け入れろ」
「ま、待ってくれ。オレ達が悪かった、だから許「黙れゴミ」して……」
「お前ら今まで似たような事をしてきたんだろうが、その相手が命乞いをして助けたのか? 俺はお前らのようなゴミが助けたとは、とても思えないんだがなぁ」
「そ、そんな事はねえ! オレ達は謝ったら許してやってたんだ。そこまで非道じゃねえ!」
「こう言ってるが……ヌン、本当か?」
『完全な嘘です。この者どもは男でも女でも強姦し、その後にダンジョン内で殺して証拠を隠滅しています。助けた者は誰も居ません。そうやって装備品を強奪し、奪っていた盗賊です』
「カスでゴミじゃねえか。生きる価値は欠片も無いな」
「な、なんだ今の声は!? いったい誰が言ってやがる!」
「さあ? お前達に殺された奴等が言ってるんじゃないか? 俺に復讐をしてくれってな。で、後はお前だけだが、覚悟はいいな?」
「ま、待ってくれ。死にたくねえ。死にたくねえよ!」
「今さら何を言ってるんだ、お前は? ここでゴミのように死ぬんだよ。今まで散々殺してきた奴等と同じようにな」
「や、やめ!」
ドゴンッ!!
<魔力操作補佐杖>で頭を潰された盗賊グレイは即死した。
そもそも【身体強化】をしているし、武器を魔力で強化もしている。
唯の杖じゃないし、その威力は頭を潰すのに十分だ。
こういうゴミが居るからこそ、ダンジョンで死ぬ人が後を絶たないのだろうが、開拓者ギルドとかは何をしているんだろうな?
あるいはダンジョン内を綺麗にするチームとかないもんかね?
盗賊どもの死体を全て【ストレージ】に入れていく。
いちいち一つ一つを引き剥がすのは面倒だから仕方がない。
後でそれをしなきゃいけないのは分かっているが、だからといってやらないと勿体ないしな。
全ての死体を入れ終わってから後ろを向いたのだが、その頃には蜂の巣を全て収納出来ていたらしい。
ヌン一人でしてくれたので感謝し、俺は<時空の狭間>へと戻る。
魔法陣部屋で【ストレージ】から死体を出し、一つずつ全てを剥ぎ取って転がして行く。
どうせ放っておけば<時空間の歪み>に送られて消滅だ。
ここで剥ぎ取った方が良いし、余計な奴に見られたりなどしない。
「ここでなら他の開拓者に見られたりしないし、時間を掛けて引っぺがしても問題ないからな。死体は一旦こっちに持ってくる方が楽だ」
「それはそうでしょう。<時空の狭間>に自分の力で来れる者など居ませんからね。<時空の旅人>が連れて行こうとしない限り、虚無と混沌に引きずり込まれて終わりです。どんな者でもと言いますか、神でも消滅しますよ」
「………」
神でも消滅するという言葉に唖然としてしまうが、もしかして神って<時空間固定能力>を持ってないのか?
それとも<時空の旅人>に認定されるのが特別?
……知識が無いからサッパリ分からん。
俺は神の事は横に放り投げ、せっせと盗賊の死体から剥ぎ取っていく。
そもそも盗賊の死体までは有効活用する気は無いし、死体が<物品作製装置>に入るのは何か嫌だ。
いつかは素材の為に必要になる可能性もあるが、極力やりたくはない。
そんな事を考えながら一ヶ所に山積みにした死体に背を向け、俺は<物品作製装置>の部屋に行き、箱の中に戦利品を含めて全て投入した。
蜂蜜なども結構増えたが、それでもまだ足りない感じがする。
「蜂蜜を出来る限り採っていこうと思うんだが、いいか? 巣が巨大だから結構な量の蜂蜜が採れたが、今は砂糖も無いから甘味がこれだけしかないんだ。料理にも使ったりするんで、出来得る限り欲しい」
『まあ、良いんじゃない? その蜂蜜ってのでお酒が作れるんでしょ? だったら私達も張り切ってやるわよ』
『そうですね。お酒の元と考えれば、やる気も出るというものです。出来得る限り採りましょう! それに私達の【魔術】で十分に戦えるようですし』
『そうね。私達の力で勝てるなら、全て採っていっても構わないんじゃないかしら? あの階層の蜂を全滅させればいいだけよ』
「……おっ! まさかの<魔力増強薬Ⅱ>が作れるようになってるな。蜂蜜に必要な成分が含まれていたのか、それとも蜂の巣か蜂に含まれていたみたいだ。まずは俺が飲んで<生物修復装置>に入るから、次はバステトな」
『了解、了解』
運良く<魔力増強薬Ⅱ>に必要な物が揃っていて良かった。
という事で、俺は作製した後で<生物修復装置>に行き、最適化を押してから飲み、装置の中へと入ったら眠る。
そんなに時間も掛からず起きた俺は、今度はバステトの分を作って入らせる。
その後は飲ませてから最適化し、バステトもそこまで掛からず起きた。
更にハトホルにも飲ませてから<生物修復装置>に入れる。
出来得る限り魔力は増やしておいた方が良いし、魔力量が多くて損は何も無い。
ハトホルが出てきたら、再び<魔力増強薬Ⅱ>を飲んでから、俺が装置に入って寝る。
その繰り返しで全員が2回飲むだけの量があった。
無事に最適化も終了し、更に魔力量が増えた俺達は魔法陣部屋へ。
惑星のダンジョン3階へと戻り、蜂蜜狩りを始める。
ちなみにだが、ヌンには<魔力増強薬>は意味を為さない。
何故ならヌンは自然の魔力を幾らでも行使できるからだ。
俺達みたいに体内魔力を使っていないそうで、だからこそ使える魔力は無制限なんだと。
流石はヌンさんと言うしかないと改めて思ったが、知性体であれば当たり前にできるらしい。
他に知性体が居るのかはヌンも知らないらしいが……。
ダンジョンに戻った俺達は、すぐに通り過ぎた蜂の巣へと移動して蜂を倒していく。
蜂の巣の周りの蜂を片付けたら、次は蜂の巣を一気に冷却して凍らせて殺害。
巣の回収に入る。
薙刀で切り裂きながらブロック単位に分け、ヌンがアイテムバッグの中へと収納。
バステトとハトホルは周囲の警戒だ。
とはいえ、あんなバカどもは一度だけだと思うがな。
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