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0151・色々な情報・その2




 Side:ウェロヌ



 私達は襲撃者と戦っているけれど、野次馬が結構いる所為で騎士や兵士が近づけないみたい。

 ちょっと面倒な状況だけど、敵はこれを狙ってたっぽいわね?



 「オラァ!! <力の鉄槌>を舐めんじゃねえぞ!!」


 「フンッ!! オレが<猛襲団>の団長だと知っての攻撃か? 弱すぎるぞ、貴様ら!!」



 あっちは放っておいても大丈夫でしょ。

 張り切って敵を潰してくれているみたいだし。



 「ヌン、すまんがアンデッドを回収してくれ。俺は色々と【ストレージ】に入れているんで、これ以上はちょっとしんどい」


 『分かりました。それにしても大したアンデッドではありませんでしたね。襲撃は急遽企画されたのでしょう、この程度のアンデッドしか用意していないのですから』


 「そもそ<死霊術士>が捕まる事からして想定外って感じもしないでも無いぞ? ゼンス王国の奴らも、まさか逃げもしないとは思わなかったんじゃないか?」


 『そういえば、あの<死霊術士>って戦場から逃げる事もしなかったわね。あの作り物アンデッドで勝てると思っていたからでしょうけど』



 作り物アンデッド?

 それは気になるけど、こいつら相変わらず強いわね。

 そもそもアンデッドに強いけど他のにも弱い訳じゃないし、一部のヤツは手足が撃ち抜かれてるみたい。

 本当に容赦しない奴らだこと。



 「くっ! やってくれる、な!!」


 「ふんっ!! 大丈夫か、力で押し込まれないように流せ。こいつら女だと思って押し込んできている!」


 「分かっている! しかし舐めてもらっては困るな!! 私は<乙女騎士>のリーダーなのだ!」


 「そんな矜持は戦場では関係ない。勝つ為に動け! それが騎士の在り方だ!」


 「………分かった、そこまで言うならばそうしよう。代わりに私に合わせろ!!」


 「仕方ないな。背中は守ってやるから、暴れるといい」


 「ふっ、貴様は随分と良い男らしい。背中は任せる!!」



 おっと、これは……! いい感じになってきてるじゃないの!

 こういうの好きよ、ここが戦場でもね。

 私の相手になるヤツなんていないし、初級の【アースボール】で余裕だもの。

 片手間で終わるわ。



 「相変わらず余裕で敵を倒していくな。未だに<ウィーグンの魔女>以上の魔法使いが出て来ないのが悔やまれる。研鑽を積んでいる者は多いが……」


 「あらら。予想した通り、後輩達は大した事が無いかー。私の時なんて無茶する奴ばっかりだったのに、今の子は安定志向で無茶をしなくなったのかしらねえ」


 「お前達が無茶をしすぎた所為で、安全をとるようになってしまったのだと思うがな? あそこまでの事をしていなければ、もう少し挑戦的だったと思うぞ」


 「私達が無茶をやった御蔭で、無茶すれば伸びるって分かったでしょうに。それを知ってもしないのであれば、やらない奴らが一番悪いのよ。当たり前の事でしょう」


 「それを言えるのが、姉上も含めた、あの年代の者達の強さなのだがな。今の若い者達に同じ事を言ったとしても、危険すぎてやる訳が無い。それぐらいに無茶をしてきたと自覚してもらいたいものだがな」


 「それ、同じ事をメフィアに言えるの?」


 「………」


 「相変わらず今も目が曇ったままねえ。そろそろ目を開けて、さっさと誰ぞと結婚しなさいな。いつまで自分の姉に懸想けそうしているつもりよ」


 「失礼な! 私の思いはそんな邪なものでは無い」


 「だったら結婚ぐらい出来るでしょうに。第三王子なら決まった相手なんて絶対に居るんだから、さっさと結婚すればいいのよ。だからいつまでも言われるんじゃない」


 「………相手がテーウェラでなければ早くに受けたのだがな」


 「うわぁ………1位貴族家の息女でありながら、大の倹約家とは。いや、何を持って婚姻を持ってきたのか、何故受ける事を陛下が決めたのか困りものね。倹約家すぎて、ドレスすら殆ど持ってないって聞くわよ」


 「………」



 あ、これマジね。

 噂だったんだけど、マジでドレスすら碌に持ってないとは。

 まあ、おそらくギルド長として生きていくんだから、倹約家の妻の方が良いと思ったのでしょうね。


 1位貴族家であるシャフニア家の至宝。

 絶世の美女とも傾国の美女とも呼ばれるテーウェラ。

 その唯一の弱点が、大が付く倹約家であるという事。


 とにかく無駄なお金を使うのが大嫌いなのよねー、あの子。

 飲むものは水でいい、食べる肉はネズミでいい。

 まさに庶民と変わらない生活をしているのよ。


 それと同じ生活を第三王子にしろっていうのもねえ。

 ウチの甥っ子なら出来るけど、第三王子には無理でしょ。



 「ウチの甥っ子なら出来るけど、貴方じゃ無理でしょうね。庶民と同じ暮らしは」


 「だから話が止まっている。私も贅沢をする訳ではないが、倹約を重ね過ぎた質素な生活は流石にな……。何故金を持っているのに貧しい生活をせなばならんのか」


 「まあ、気持ちは分かるわね。私みたいに村の経営とかなら良かったんでしょうけど、王族からのギルド長だものねえ。豪勢な暮らしは忘れられないでしょうよ」



 何だかんだといって、元々の生活が王族の生活だもの。

 生活の質を落とすのは無理だわ。


 豪華絢爛なわけでは無いでしょうけど、根本的な生活レベルというものがある。

 そういう意味ではメフィアって変わってるのよねえ、田舎でも気にしてないし。


 ガキン!!



 「抑えたぞ!」


 「ふっ!!! ……これで終わりか。すまないな、私の所為で無駄に時間を掛けたようだ」


 「構わないさ。防御に集中出来るなら、それはそれで楽だからな。それになかなか鋭い切り込みだった、それは誇るべきものだろう」


 「う、うむ。ありがとう、私も自信があるのだ。踏み込みと切り込みにはな」



 おやおやおやおや、これまた随分と上手くいったんじゃないの?

 上手くいけばいいなと思ったけど、予想以上に上手くいった気がするわね。


 8位貴族のヨットマイファ家のお嬢さんと言えば、お転婆だけど美人と評判だったと聞いたわ。

 それに社交などもしっかりと熟していたから問題など無かったのに、4位のボンボンがやらかした所為で瑕疵かしが付いてしまったのよ。


 4位のボンボンは婚約披露のパーティーで、3位のバカ娘と婚姻だと言い出して無理矢理に破談にしたのよね。

 その所為で何の関わりも無いヨットマイファのお嬢さんに傷が付いてしまった。


 まあ、ボンボンとバカ娘は両家の当主にしこたま怒られた挙句、今は小さい家に押し込められてるらしいけど、いい気味だと思うわ。

 その後、剣の腕を活かして王都で開拓者をしてた訳だけど、これは上手くいくかもしれないわね。


 8位のヨットマイファ家は武人の家だから、あまりウチには嫌味を言ってこなかったし、陛下の息が掛かった者は受け入れるんだから大丈夫でしょ。



 「と、ところで何用で王都に来られたのだ? おそらくウィーグン家の方だと思われるが、少し時間があるのならば付き合ってもらえないだろうか?」


 「ああ、時間があったら」



 後は本人達って感じだけど……アレは駄目ね。

 マルロンには後でしっかりと言い聞かせないといけないわ。

 女が雌の顔をしているなら、そこは強引であろうと押していくべきでしょうに。

 そんな事も分かってないなんて、この甥は……!



 「さて、片付いたなら今の内に王宮まで行くぞ。襲撃者は騎士と兵に任せておけばいい。我々は我々の目的を最優先に動く」


 「「「「了解」」」」



 そうね、さっさと王宮に行って用事を片付けましょう。

 いちいち面倒だし、私達が付き合う必要もないでしょう。

 ただしディネーへの取調べが終わるまで、私達は帰れないのよねえ。


 それまで憂鬱って思ってたけど、甥とヨットマイファのお嬢さんの恋路が見られるなら、いい暇潰しになりそう。

 そこだけは助かったわ、本当。


 それよりイシス達にも結果を教えておいた方がいいかしら。

 このまま悪感情を持たれたままじゃ困るし、何故か王都でもアンデッド相手に活躍してるしね。


 今の内に誤解を解くのと報酬の件も言っておかないといけないわ。

 まさかあんな安値しか払ってなかったなんてね。

 ディネーの事ばかり考えていて、あんな大事な事を聞き逃してるとは思わなかったわ。


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