帰宅
穂露と三咲が帰ってきた形跡は無い。
一体何処に?紅葉に聞いても仕事としかいわない。
こんなに仕事が長引く訳が無い筈。
それに仕事をなら何故紅葉はここに残っているんだ?
何処かに消えてから丸一日と半分。
私は紅葉を問い詰めることにした。
「なんで二人は帰ってこないんで・す・か?」
顔に笑みを貼り付けて問いただす。
「うひぃっ!?そ、それは…」
バンっ
しどろもどろに答える紅葉の声は、殆ど扉の開閉音で遮られた。
扉を見ると、案の定穂露と三咲。
二人とも息が上がっている。
「ハァ、疲れた」
三咲が伸びた。そこ、玄関なんだよ。
「え、大丈夫!?ですか!?」
大丈夫、大丈夫と、三咲は言う。
「なにがあったんですか?」
いやあ、と紅葉が言い出す。
「最近なんか付けられてたみたいでさぁ。二人は其奴らの抹殺に。にしても遅かったねぇ、手こずった?」
「数が多かったんだ」
穂露はようやく息が収まったようだ。三咲も。
「久々に大暴れした」
三咲は伸びをしながら良い笑顔。殴りたい。
「怪我は?」
私は救急箱を目で探しながら聞く。
「かすり傷だ」
「随分かすってるねぇ」
紅葉の冷静な突っ込み。穂露は足を引きずってるし、三咲は両腕が変な方向に曲がってる。
救急箱より救急車か。
電話のボタンを押そうと手を伸ばす。
「救急車呼ぶな。絶対何でこうなったか訊かれるだろうが」
じゃあどうすりゃ良いんだ!
「自然治癒で治るってぇ」
絶対後遺症とか残るじゃん!
キッと睨むとへらへら笑いながら三咲が言った。
「冗談だよー。紅葉、彼奴呼んで」
頷いた紅葉が何処かに電話を掛ける。
「もしもぉし、紅葉だけど。大至急きて。…ん?……ああ、穂露?……うん、いるよ………ん、じゃあねー」
一体誰が来るんだか。
もうだんだん進まなくなってきた。
どうか見捨てないで下さい。




