涙
カタカタカタカタ
私がキーボードを叩く音。
今は仕事中だ。
細かく言うと、情報収集のために色々なサイトをチェックしている。
もちろん、普段使うようなものではなく様々な裏の仕事の依頼がくるサイト。
外国の言葉も多いが大抵わかる。
「よく読めるな、そんな言葉」
ちなみにホロは外国語を話すことと聞くことはできるが、読み書きは出来ないらしい。
あとの二人は日本語しか出来ない役立たずだ。
「ん、さっぱりわからないなぁ」
と紅葉。
「うん、なんて書いてるんだろ」
三咲が言う。
邪魔だ。
「あの、もう夜ですし、そろそろ寝て下さい」
「俺らが寝たあとにエロいの見る気かな?」
・・・三咲。永遠に寝るか?
なんて言えない。
でもこう言う。
「うるせぇな、邪魔なんだよ英語も読めない役立たずはねてろ」
本心である。
「それもそうだな。高収入の依頼あったら教えてくれ」
よし、みんな寝たぞ。
三人のこと、調べてやる。
私は開いていたサイトを閉じる。
調べたところによると、信じがたいが三人は神コンビと呼ばれているらしい。
中でもホロは個人でも仕事をしており、殺戮機械と呼ばれていた。
私にはあの人が血濡れになっているところなんて想像できない。
三咲も紅葉もそれは例外ではない。
ホロは無表情に人を殺すのだろうか。
三咲と紅葉は笑いながら?
その気になれば私をも殺すのだろうか。
私が死んでも悲しむ人はいない。
両親も親戚も友達もいない。
いっそ、殺してもらった方が楽なのかな。
思わず、そんなことを考えてしまう。
自殺は怖い。そんな勇気、無い。
なら殺してもらえばいい。
いざとなればちゃんと言おう。
私を殺して、と。
気がつけば真夜中の3時半。
もう、寝よう。
思いつつも中々眠れないもので、パソコンと向き合ってしまう。
カーテンから漏れる朝日で目が覚める。
どうやらあのまま眠ってしまった。
噂の神コンビはみんな寝ている。
パソコンの検索履歴を消して、私は出掛ける。
行ってきます。
とだけ書いた書き置きを残して。
まだ、5時だ。
ふらふらしていると、公園に来た。
することもないので、ベンチに座る。
「ねぇ、君。血の匂いがするね」
後ろで声がする。
振り向くと、少年が悪戯っぽく笑っていた。
紅い髪に紫の怪しく輝く瞳。
イケメン四人目。
「血の匂い?」
「うん。人、殺した?」
私は溜息をつく。
「だとしたら、どうするんですか?」
「友達になって」
まさかまさか、こいつも殺し屋?
「殺し屋?」
正直に、きく。
「いや、俺はその殺し屋からターゲットを守り、殺し屋を狩る番人。君、人殺しだけど殺し屋じゃないでしょ」
驚いた。なんで分かったんだろう。
ああ、武器を持ってないからか。
「私、情報屋なんです。あなたの通り名は?」
私は有名な人は覚えている。
「殺戮機械。君は?」
頭が真っ白になった。
殺戮機械?あの、ホロの天敵か?
相当驚いたが普通に装う。
「無いの。ケータイ持ってる? メアド教えてくれたら決まり次第教えるわ。それまでは何とでも呼んで」
「ん、分かった」
こうして私は殺戮機械から逃げた。
帰宅すると、ホロが殺気だっていた。
怖いんだけど・・・
「おい、莉亜瑠。お前、殺戮機械といたのか?」
なんで知ってる!?
「どうなんだ?答えろ」
助けを求めて紅葉と三咲をみると、笑ってはいるが、こちらも殺気だっていた。
「なんで知ってるんです?」
「殺戮機械から電話がきた」
口止めしときゃよかったー!!
「あいつに関わるな。もう会うな」
私は少し、やけになった。
「うるせぇんだよ!!私はあんたの玩具じゃねぇ、好きにさせろ」
みんな、ぽかんとしている。
私は束縛が大嫌いなんだ。
トラウマがあるから。
「そうか、悪い。本当にごめんな」
「じゃあ、出ていこっかぁ」
「短い付き合いだったけど、じゃあね!!」
私はこっそり盗聴器を置いて、家を出る。
走って走って走って・・・
たった数日の付き合い。
それだけだ。
なのに・・・なんでこんなに涙が?
『作戦と違ったが、これでいい』
耳につけたイヤホンから、盗聴する。
作戦?
『泣かないでぇ、ホロ』
『ごめん、ごめんな、莉亜瑠!』
どういうこと?
思わず足を止めて聞き入る。
『こうしなきゃ、必ずあいつは、クヨウは莉亜瑠を狙うんだもん。仕方ないよぉ』
私を突き離したのは私のため?
『でも、それでもクヨウは狙うかもしれない。だから、そっと見守ろう』
三咲さん。
『泣かないでよぉ』
紅葉さん。
『うぅ・・・ぐすっ・・・』
穂露さん。
私は声を押し殺して泣いた。
自分は、なんてことをしたんだろう。
『んぅ、盗聴器・・・?』
ヤバイ、ばれた。
『クヨウはこんなこと、しないよねぇ。じゃあ、りぃあちゃんかなぁ?』
すごくバレてる。
『盗み聞きはよくないなぁ。今すぐ戻ってきてぇ?』
これ、戻らないと殺される。
私は急いで戻る。
「た、ただいま〜」
「全部、聴いてたのか?」
う・・・
「はい」
「ホロの泣き声もぉ?」
「そりゃもう」
ていうか声だけで、姿わかんないんだけど。
「どこにいるんですか?」
「ホロが泣き顔見せたくないから隣室に籠ってる」
紅葉、全てを暴露。
キィと音をたてて、隣室の扉が開く。
「もう、顔酷いですよ。穂露さんだけ」
「盗聴ってできたんだ!?すごい!!」
三咲テンション高い。
でも、うっすらと頬に涙の後がある。
紅葉もだ。
「みんな泣いてたんですね。泣き顔見たかった。あと、クヨウのこと。全部話して下さいねっ♩」
次話、クヨウの話だと思います。




