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カーマインレッドの明けない夜  作者: 宝や。なんしい


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22/45

第22話

 映画を観て帰ってきたら、22時をまわっていた。コンビニで買ったおにぎりを食べながら、缶ビールをあける。おつまみにチーズを食べようと思って冷蔵庫を見たら、買い置きしていたはずのパルメザンチーズのブロックがなくなっていた。

 あおいのやつめ。玉子焼きでも作ろうかと思ったけど、なんだか急に面倒になったし、お腹もそれほど空いていないことに気がついた。


 あおいに送ったLINEの返事がなかなか来ないので、スマホを出して確認してみたら電源が切れていた。そういや映画館でオフにしていたのを忘れていた。

 電源を立ち上げて、もう一度LINEを確認してみたけど、大澤さんからの「明日、食事しよう」というメッセージが入っていたきりで、あおいからのメッセージはなかった。


 なんだかイライラした。自分がこの映画絶対に面白いから見に行けと言ったくせに、ほったらかしかい! と思った。

 あおいから連絡してくるまで、絶対に自分からは連絡してやらない。


 そうしたら急に優しい気持ちになって、そんな怒らんでもええか、もしかしたらまた新しい彼女ができて、楽しい時間を過ごしてるんかも知らんし、と思いなおした。

 あおいに彼女ができるのは、少し淋しいけど、嫌じゃなかった。あおいには、そばにいてくれる人は必要だと思う。そう考えていると、少し気持ちが落ち着いてきた。


 でも、そう思いつつ、スマホが振動するたびに慌てて確認。あおいからのメッセージを待ち続けている自分の滑稽さに呆れる。こりゃ、完全に依存しとるな。

 依存しているのはスマホなのか、あおいなのか。


 ひとりで映画を観に行くなんて、本当に久しぶりのことだった。

 近頃は観たいと思う映画もあまりない。映画館に行かなくなって久しいので、チケットの取り方とか席の確保の仕方なんかも、よくわからなくて戸惑ってしまった。


 私は、まるで、ずっと竜宮城で暮らしていた浦島太郎のようだ。社会の中で生きていたつもりだったのに、いつのまにこんなにズレてしまったのだろう。

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