25話 疲労
やっとこの日になった。
一週間ほどの滞在だったけど、対していいことはなかった。
やっぱり帰らなくても良かったのではとも思える。
まあ、過ぎたことか。
「いってきます」
誰もいないリビングに、そう告げてから家を出た。
駅までの歩く時間は、この時期にしては寒い。パーカーを着ればよかったと、すこし後悔する。
綺麗で真っ暗な道を進んでいく。もうここには戻って来たくはない。そう思いながら。
◇◆◆◆◇
今は東京駅にいるので、何か買って帰ろうか。
お菓子とかは妥当だろうか。
よくわからないので、『人気の商品』というデカデカとしたpopが書かれた商品があったので、それを鞄にしまった。万引きなんて言葉は、今はもう残っていない。
こんなものでいいだろう。千葉関係ないけど許してほしい。
店を出ると自動でフローから引き落とされる。
そろそろ新幹線に乗る時間になったので、ホームに移動した。
この時間でも、かなりの人がいる。誰もが忙しないように見えてしまうのは、気のせいだろうか。
ついに新幹線が到着した。そのきれいな車体には、私の顔が反射している。
乗り込んで席につくと、どっと疲れが出たような気がした。
この一週間、何故かかなり疲れてしまった。私に安息の地は無いのだろうか。
もっと、あの三人と仲良くできるようにしないと、
……ね。
『まもなく 仙台です。仙山線、仙石線、東北本線、地下鉄線、傘見線は、お乗り換えです』
……あっ。寝ちゃってた。
……準備しなきゃ。
もう仙台か。後ちょっとだ。
傘見のホームに移動して、すぐに来た電車に乗った。
傘見線の車両は、白を基調として水色と淡い赤のラインが伸びている、可愛らしいものだ。
海上の橋を進んでいくので、とてもロマンチック、なんだけど、今はもう暗いので海はよく見えない。
明るい時間に、また見てみたい。
そう考えているうちに、傘見駅に着いた。
やっぱり、東北まで来ると結構寒く感じる。傘見は島なので、海風も来るし。
ふぅ。ここに来ると、初めて傘見に来たときのことを思い出す。
早めに来たつもりだったけど、愛ちゃん早かったよね。
宿までは十分ほどもかからない。急ぎ足になって、歩いていく。
宿屋の引き戸を開けると、そこには結衣ちゃんがいた。
「おかえり!遅かったじゃん!」
満面の笑みで、私を暖かく迎えてくれた。




