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少女たちの宿暮らし  作者: お餅
閑散期編
26/27

25話 疲労

 やっとこの日になった。


 一週間ほどの滞在だったけど、対していいことはなかった。


 やっぱり帰らなくても良かったのではとも思える。


 まあ、過ぎたことか。


「いってきます」


 誰もいないリビングに、そう告げてから家を出た。


 駅までの歩く時間は、この時期にしては寒い。パーカーを着ればよかったと、すこし後悔する。


 綺麗で真っ暗な道を進んでいく。もうここには戻って来たくはない。そう思いながら。



 ◇◆◆◆◇



 今は東京駅にいるので、何か買って帰ろうか。


 お菓子とかは妥当だろうか。


 よくわからないので、『人気の商品』というデカデカとしたpopが書かれた商品があったので、それを鞄にしまった。万引きなんて言葉は、今はもう残っていない。


 こんなものでいいだろう。千葉関係ないけど許してほしい。


 店を出ると自動でフローから引き落とされる。



 そろそろ新幹線に乗る時間になったので、ホームに移動した。


 この時間でも、かなりの人がいる。誰もが忙しないように見えてしまうのは、気のせいだろうか。


 ついに新幹線が到着した。そのきれいな車体には、私の顔が反射している。


 乗り込んで席につくと、どっと疲れが出たような気がした。


 この一週間、何故かかなり疲れてしまった。私に安息の地は無いのだろうか。


 もっと、あの三人と仲良くできるようにしないと、


 ……ね。


『まもなく 仙台です。仙山線、仙石線、東北本線、地下鉄線、傘見線は、お乗り換えです』


 ……あっ。寝ちゃってた。


 ……準備しなきゃ。


 もう仙台か。後ちょっとだ。


 傘見のホームに移動して、すぐに来た電車に乗った。


 傘見線の車両は、白を基調として水色と淡い赤のラインが伸びている、可愛らしいものだ。


 海上の橋を進んでいくので、とてもロマンチック、なんだけど、今はもう暗いので海はよく見えない。


 明るい時間に、また見てみたい。


 そう考えているうちに、傘見駅に着いた。


 やっぱり、東北まで来ると結構寒く感じる。傘見は島なので、海風も来るし。


 ふぅ。ここに来ると、初めて傘見に来たときのことを思い出す。


 早めに来たつもりだったけど、愛ちゃん早かったよね。


 宿までは十分ほどもかからない。急ぎ足になって、歩いていく。


 宿屋の引き戸を開けると、そこには結衣ちゃんがいた。


「おかえり!遅かったじゃん!」


 満面の笑みで、私を暖かく迎えてくれた。

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