↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女たちの宿暮らし  作者: お餅
閑散期編
25/27

24話 interesting !!

 愛は、チェスを指すため、叶の家にやってきた。


 インターホンを鳴らすと、すぐに叶が迎える。小さな平屋の一軒家である。


「ごめん。希《のぞみ》もママもいるけど、入って」


 希とは、叶の妹だ。愛とも話したことがある。


「お邪魔します」


 玄関に入り、靴を脱ぎ、揃えておく。


 リビングを通り、叶の部屋に入る。


 狭いながらも、勉強机、座卓、ベッド等は置かれており、充足した部屋となっている。


「それじゃあ、久しぶりに」


 そう言って、いつもの場所に座る。


「まだ、始められないけどね」


 不思議なことを言われて、愛は首を傾げる。


 叶はおもむろに一枚のコピー用紙を勉強机の引き出しの中から取り出し、愛に見せた。


「これを、一緒に解いてほしいの」


 書かれているのは大きな円と文字。


 つまりは、“謎解き”である。


「そちらも久しぶりですね」


 愛は、懐かしい気持ちになりながら、その謎と相対する。



 ◇◆◆◆◇



「また、希が作ってくれたんだ。解かないと、私のゲームは返してくれないんだって」


 叶さんは私の対面に座って、事の経緯を話してくれました。


 コピー用紙には、一つの大きな円と、それの下側に文字が書かれています。


 文字の部分は上から順に、『一→三』、『七→四』、『十→七』、『四→?』と書かれていますね。?に入るものを答えましょうということでしょう。


「難しそうですね」


「私も色々考えてみたんだけど、しっくり来るものが無かったんだよね」


 以前、希さんが作った謎はもっと旧来的でわかりやすいものでしたが、今回はそうはいかないみたいですね。


 違和感を見つけ出して行くのが、私は得意です。そこから、わからないことがわかることが多いので。


「どうして、大きな円が書かれているのでしょうね」


 すぐに目に入ったのは、上に書かれた大きな円。


「そういう物だと思ったんだけど、あんまり当てはまらなくて」


 丸い物と言われれば、いろいろなものが浮かびますが、ボール、ダーツボード、時計とかでしょうか。抽象化するなら、環状線とか?


 でも、


「時計みたいですよね」


 一から十二までの文字が刻まれた、一般的な家具。そのように思います。


「確かにそうかもなんだけど、それなら、何で漢数字なのかなって。普通、アラビア数字で問題を書くんじゃない?」


 叶さんに指摘されました。確かに、漢数字は時計とは無関係なように感じます。


「漢数字で書かれていることにも、意味がありそうですよね」


「そうだよね。漢字じゃないと行けない理由があるんだけど」


「これって、十までしか無いものなんでしょうか?」


 ふと気づきました。問題には十までしか書かれていませんが、さらにその上まであるのではと。


「十個以上あるものってことね。その可能性もあるかも」


 十よりも多いものと考えると、色々ありますね……。


「例えば、月《つき》とか」


「漢字、ってことを考えると、月の異名――和風月名――?」


「でしょうか…」


 一月が三なのか、あるいは、一月に三つあるのでしょうか。


「一月は、睦月だよね。読みは三文字だけど…」


「十月の神無月は五文字ですよ。部首でも違いますね」


「そうだね」


 月で数が変わるものは何でしょうか。考えてみてもあまり出てきません。


「旧暦だからズレる、とか?」


 ありそうですね。新暦の一月なら、旧暦だと大体二月くらいでしょうか。


 如月は読みが違うし、部首も違いそうですね。


「……違うみたいですね」


 もう三十分ほどは考えているんじゃないでしょうか。かなり悩まされていますね。


「お茶もらってくるね。ついでに、お母さんにも聞いてみる」


「お気遣い、ありがとうございます。私も考えておきますね」


 叶さんは、部屋を出ていきました。


 しかし、難しい謎を考えましたね。いや、案外、考えるのは簡単だったのかも知れません。


 ――方角?


 円は方位磁石の示唆?


 それなら辻褄が合いそうです。十六方位なら、一は北北東ですよね。


 七は南南西ですけど、何が四なのでしょうか。


 天啓だと思ったんですが……。違いそうですね。


「十二支じゃない?!」


 お茶を持ってきた叶さんは勢いよく入ってきました。


「十二支、ですか?」


「十個以上あって、円上に並べられて、漢字で表すもの」


 あっ……!


 十二支の一番目は“子”で、読みは一文字ですけど、画数ですか!


 “子”は三画、七番目は、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、だから、“午”で、四画!


 十は“酉”で七!


 なら、四は、


「五ですね!」


「早っ! わかったの?」


「ええ。面白い謎でした!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。