↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陛下、寵愛なんて望んでません。  作者: 犬村汐里


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/17

第7話



 1日目の仕事が終わらない。




 午前中整理整頓を終わらせたあと、午後はひたすら帝の“()()()”として仕事の手伝いをしていた。



 そうして過ごしていたら、帝という地位がどれだけ大きな仕事を背負っているのかを嫌でも知ることになる。


 これを17歳という歳からやっているのかと思うと、頭が上がらない。



「疲れたか?」



 俺は座ったまま意識が飛びそうになっていると、帝が笑みを浮かべて俺を気遣う。



「……主上、あなたは働き過ぎてはありませんか?」


「働き過ぎだから癒やしが必要になるんだ」



 帝が肘を机について俺を見つめた。



「だから後宮があるということですか」


「俺は女にはあまり興味がない。外後宮のことだ」


「ああ……外後宮……」



 ──外後宮。


 それは男だけの後宮だ。



 先先帝は男にしか興味がなく、男だけの後宮を作ったのが始まりだった。


 先帝の時代では使われることはなかったが、今の帝が男にも興味があるため、また再利用されているわけである。



「お前も興味はないか?」


「なににですか?」


「外後宮だ」


「宦官として入らないかということですか? それは結構です。俺は取りたくないので」



「違う」と言って、俺の発言が面白かったのか口を手で抑えてクククッと笑う。



「おもしろいな、お前は」



 帝が立ち上がると、俺のところにやってきて机に腰を下ろす。


 見下される形になり、帝の顔が今まで以上に近くなった。



「俺の寵臣になるつもりはないか」



 寵臣、即ち外後宮で暮らす臣下になるつもりはないかということだ。



(ふざけてるのか……!?)



「……私は男の趣味はありません」


「俺はある」


「だっ、だから……寵臣になれと……?」


「お前に興味がある」


「それならば寵臣でなくてもいいはず」


「……」



 帝が眉間を寄せた。



(やばい)



 焦り、背筋に冷たいものが流れる。



「申し訳──」



 謝ろうとしたとき、帝の顔がすぐそこにあった。


 熱いものを含めた瞳で見つめながら俺の唇を指で撫で、そしてこう言った。




「閨ではお前がどう鳴くのか気になるのでな」と。



 全身に鳥肌がぶわりと立つ。




(ぜひ遠慮申し願いたいのだが!!)




 俺は絶対絶命の危機に陥っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。