雨の日はギルドで
今日みたいな雨の日は、なんだか気分が下がるよね。宿にいてもすることないし、こんな時はギルドで暇を潰しているんだ。
「こんにちはダンテおじちゃん!」
「よう、ハンナの嬢ちゃん」
「最近よく会うね。冒険行ってないの?」
「俺はもう40だぜ?そんな頻繁にゃ行かねぇよ」
この前お兄ちゃんって言わせたのはなんなんだよおい。
でも、40歳まで大きな怪我もせず生き残るのは難しいことだから、そこは素直にすごいとは思うね。
「ステーキ食べたいなー」
「ん?なんだよ急に」
「貸しは安いうちに返した方がいいと思うな」
「そ、そうだな…。タイショー!ステーキ1つだ!」
いいことをすると巡り巡って帰ってくるっていうのはこのことだね!
報告義務違反は罰金1万ゴールドだから、おじちゃんはすごいお得だよ。
あっ、ステーキができたみたい。さすがタイショー、早業の匠だよ。
「はいよーって、ハンナちゃんの分か」
「うん!」
「ジュース持ってきてやるから待っててな」
「タイショーありがとう!」
ダンテおじちゃんとタイショーは同じくらいの歳なのに、どうしてこうも差が出たんだろうね。
ステーキおいしー。
「ほんとに美味そうに食うなあ」
「ほいひほうに…んっ、食べないと失礼だよ」
あと、女の子の食事をジロジロと見るのはやめた方がいいよ。そんなことしてたら結婚以前に、付き合うこともできないよ?
「なあ、嬢ちゃん。俺が結婚するって言ったら変だと思うか?」
……?
今、なんて?
「おい、聞いてるか?」
「あっ、ごめん。もっかい言って?」
ははっ、聞き間違いだね。絶対そうだ。
「俺が結婚するって言ったら…、なんだその変な顔は」
この人が結婚なんてできるわけない。なにか騙されてたりしない?
絶対おかしいよ!?
どんな人なの!?
「ハンナちゃんが住んでる宿にいるノーラってやつなんだが…」
ノーラさん、なんでこんなおじちゃんと…。
ん?待って?
前にノーラさんが、幼なじみがプロポーズしてくれるのを待ってるとか言ってたけど…もしや?
「も、もしかしてノーラさんと幼なじみだったり…」
「一応そうなるな」
ノーラさんみたいな人が結婚してないのを不思議に思ってたけど、そういうことだったんだね。
それでおじちゃんは、ノーラさんみたいないい人を何年も待たせてたんだ…。
なんだかムカムカしてきちゃった。
「もう帰る!貸1ね!」
「急にどうしたんだよ?なんでまた貸しが増えるんだ!?」
バーカバーカ!
さっさとプロポーズでもしちゃえ!
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