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十匹しか食べれないよ

 今日はちょっと身体を動かしたい気分だったから、街を出て北にある森の中を散歩してたんだ。


 「───!!」


 そしたらオークが集落みたいなのを作ってたから、びっくりしちゃったよ。一日じゃ作れないから、何日かはここにいたんだろうね。


 この街はたくさん冒険者がいるはずなのに、なんでこんなことになるんだか。まったく、職務怠慢だね!


 「散斧(ざんふ)飛刃(ひじん)


 はい、おわりおわりー。

 

 斬撃を飛ばすには、込めた魔力に指向性を持たせることが大事なんだよ。まあ、その感覚が分からないって人がたくさんいるんだけどね。


 さて、新鮮なうちに回収しないと。




 私は冒険者じゃないから、オークを売却することができないんだよね。だから、そういう時はこうするんだ。

  

 「じゃじゃーん!タイショー、料理して!」


 「どうしたんだ、こんな量。」


 「北の森に集落作ってたから狩ってきたよ!」


 「さすがハンナちゃんだなぁ。でも一人じゃ食べきれないだろ?」


 「三十匹もいるんだから食べ切れるわけないじゃん!みんなにも分けてあげて!」


 タイショーったら失礼だね!食べれても十匹が限界だよ!




 あれれ、なんか思ったより規模が大きくなっちゃった…。


 ギルドで振る舞われてるのはもちろんだけど、いつの間にかギルド前に屋台ができてるし。


 それにしても、お肉っていうのはすごいね。みんな血眼になって取り合いをしているよ。

 

 調理した傍からなくなっていくから、ギルドの料理人さんたちが大忙しになっちゃった。


 「よう、ハンナの嬢ちゃん」


 あっ、このいかにもおじさんな声は!


 「ダンテおじさん!調子はどう?」


 「まあ、ぼちぼちってところだな。それより、この肉はハンナちゃんが取ってきてくれたんだろ?」


 「うん。北の森に大量発生してたの!」


 「あー、あれか…。」


 「知ってたの?」


 「ちらっと見たんだけどよ、数が多かったから手を出さずに引き返したんだよ…。」


 「報告してないでしょ」


 「…おぅ」

 

 「私が気づかなかったら、もっと大きな集団になって街を襲ってたかもしれないね」


 「そうだな…」

 

 「貸1ね」


 「ハンナちゃんは良い子だなー!!」


 この人いろいろ雑だから、今度ちゃんと怒られた方がいいよ。

 

 あっ、串焼きの屋台が増えてる!これは食べないといけないね!


 「おじちゃん!5本頂戴な!」


 「はいよ!ちょっと待ちな!」


 いやー、お肉を食べてる時はみんな笑顔で、見てて嬉しいね。今度はドラゴン肉祭りでも開こうかな。

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