剣聖グラハム・フォンテゴール
「グラハムおじいちゃんおはよー!」
週に一度、ドワーフの混血のお嬢さんが世界樹の枝を伐採しに来てくれる。感覚的には二十歳くらいなんじゃが、何故か子供の振りをしとるんじゃ。
いろんな種族を見てきたから、若く見える種族の年齢も大体の予想はつく。まあ、彼女にもいろいろあるんじゃろ。
「今日も世界樹の伐採を頼むよ」
「はいはい、世界樹ねー」
世界樹は魔の森でのみ安定して育つんじゃが、ここで育った場合は栄養が足りずに一帯を干ばつさせてしまうんじゃ。
今のサイズ、二、三メートルくらいであればまだ平気なんじゃが、これ以上の大きさになると手がつけられなくなるんじゃよ。
そこでこのハンナちゃんに伐採してもらうんじゃ。
少し前までは儂が斬っていたんじゃが、歳のせいで威力が落ちてしまってのう。どうしようかと思っていた時に、ハンナちゃんがこの街に来たんじゃ。
世界樹を斬れる者など今の剣聖しかいないと思っていたんじゃが、まさかこのような若い修羅がいるとは思わなんだ。
「おじいちゃん終わったよー!!」
「おーう!助かったぞ!」
いつも通り、報酬に300万ゴールドを渡す。
これは国から支払われる、週に一度の伐採報酬じゃ。もしハンナちゃんがやっていると分かれば、足元を見てくる可能性もあるからの。儂が伐採できなくなったことは伝えていない。
おかげで化け物ジジイと言われているようじゃがの。
魔王が討伐され平和になった今でも、彼女のような強者がぽっと出てくる。なんと面白いことか。
悪い知らせでなければいいのじゃが。
はあ、儂がもっと若ければ彼女と手合わせしてみたかったのう……。
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