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妖精の祭り

 年に一度、春から夏へと移りゆく時期に開催される妖精の祭り。魔法や国々がここまで発展する以前、人々は妖精の助けを借りて生活をしていたらしい。


 その妖精たちに感謝を捧げる意味として開催されたんだけど、今では子供を妖精に見立てて成長を祈願するお祭りになっているんだよね。


 つまり私も、お菓子を貰えたりサービスしてもらえるわけなんだけど……なんかね。私にも罪悪感ってものはあってさ、こうまで堂々と子供のための日をアピールされるとちょっと行きづらいんだよ。


 だから今日はステルスで街をぶらぶら散歩しようと思うんだ。


 ちなみにドワーフは精霊の血を引いているから、私にも若干見えたりするんだよね。なんか小さな光がうろついてるなー、くらいだけど。


 妖精は賢いから、今日が自分たちの祭りの日だって分かってる。


 だから今日はいつもより数が多いね。至る所を飛び回っているよ。


 あっ、タイショーが大きな屋台を立ててなにか売ってる。アッポーあめにパイナポーあめ、いろんなフルーツのあめを売っているよ。


 タイショーはなんでもできるねー。ちょっとだけ貰おっかな。


 「タイショー!全部一個ずつ!」


 「はいよ、持ってきな」


 子供にも買える価格だね。絶対赤字だけどタイショーはそれでもいいんだろうな。


 それにしてもタイショーのところは妖精がたくさんいたね。子供がたくさん来るし、いろんな色のあめがあって面白いのかも。


 あっ、カフィとアイスを売ってた店の店長さんだ!


 なんかぐるぐる巻きの白いうん……、アイスをぐるぐる巻きにした食べ物を売ってるね。


 「それ何?」


 「ん?これはアイスだな。少しなめらかにしたアイスを巻いてみたんだ」


 「とりあえず一つ欲しいな」


 「はいよー」


 なんか面白い食感だね。口の中で溶けるからパクパク食べれちゃうよ。


 「う”っ」


 ……頭が痛い。

 

 可愛くない声が出ちゃったよ。


 私に痛みを与えられるものなんて限られているのに、まさかこんな食べ物がね?


 人が増えてきたし、ちょっとベンチでゆっくりしよっか。




 今の時代、妖精を見れるのはドワーフやエルフくらいになっちゃった。

 

 人間の街が発展して妖精の力を必要としなくなったから、お互いの繋がりが薄くなって妖精が見える人間が減っていったんだ。


 それでも妖精は、人間社会が発展して生きやすくなった世の中を存分に楽しんでいるんだよ。


 他国に有名な機械都市があるんだけど、そこには妖精なんていないって思われているんだ。でも実際には機械仕掛けに興味のある妖精ってたくさんいて、そこらの街より溢れかえっているんだよね。


 三年前くらいに一度行ったけど、そこからどれくらい発展したか気になってきた。今度行ってみよっか。

面白いと感じたら高評価、ブックマークをよろしくお願いします。

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