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赤ちゃんとお散歩

 朝起きたら、昨日はまだ何も無かった植木鉢にちっちゃいアルラウネが生えていたよ。赤ちゃんだからか、人に化けるはずの上半身が緑一色になっている。


 小さな蔓で結界を叩いてたんだけど、音を遮断する結界だから気が付かないところだったよ。


 植木のお肉が残り少ないから、土と生きた魔物を持ってこないと。血が染み込んだ土からも栄養を吸収するらしいんだ。


 結界を私がいるところまで広げてー、


 「ウォーターボール」


 攻撃性のないウォーターボールをアルラウネにかけてやる。


 「そんなにじゃれて来なくても可愛がってあげるよー」


 赤ちゃんアルラウネの攻撃なんて全く効かないんだから。だけど、一緒にお散歩するためには攻撃しないように教育しないといけないね。


 「とりあえずお使い行ってくるね!元気に待ってて!」


 ……よく考えたら、ずっと植木の中じゃ飽きちゃうよね?


 「やっぱり今のなし!一緒に森に行こう!」




 隠蔽魔法ってほんと便利だよね。街中で魔物を連れて歩いても何も言われないんだから。


 「はい、ゴブリン一体だけ残しておいたから倒そうか」


 せっかくだし植木鉢からも出してあげよう。


 はいはい、私じゃなくてゴブリンに蔓を伸ばしてねー。


 そうして始まったアルラウネとゴブリンの戦いはあっという間に終わっちゃった。赤ちゃんとはいえ、アルラウネとゴブリンじゃ格が違ったね。


 このゴブリンをどうやって食べるんだろ。あっ、下半身のつぼみの部分って口になってるんだ!?


 口は真っ赤で体は緑、だいぶ極彩色なんだね?


 でもそんなアルラウネも可愛いな。


 「いい子だねー、アルラウネ!ご褒美に竜のお肉あげるよ!」


 そう言って口元へ持っていくと、はむはむと……バックンバックンと食べてくれた。


 まあ、可愛いんじゃないかな……。


 「そろそろ帰ろうか。いい運動になったかな?」


 竜の血を染み込ませた土を植木鉢に入れて、地面から引っこ抜いたアルラウネをそこに埋めてー。


 そんなに暴れなくてもいいじゃん。


 よく見たら小さな顔がちゃんと怒った表情をしているよ。いい子いい子してあげる!




 「着いたよー、アルラウネ」


 窓際の光が当たるところに置いてっと。


 「結界は壊れないから暴れても疲れるだけだよ?大人しく光合成しておきなさい」


 その後もしばらく暴れていたけど、私が家の中でいろいろやっている間に落ち着いていたよ。


 目を瞑って寝ているのかな?光合成をしているのかな?


 私も隣で2度寝するね。

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